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【MotoGP】マルティンのアプリリア加入、一夜にして変化した情勢の裏側。リボラCEOは「我々の成長の証」と受け取る

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【MotoGP】マルティンのアプリリア加入、一夜にして変化した情勢の裏側。リボラCEOは「我々の成長の証」と受け取る

 ホルヘ・マルティン、そしてマルク・マルケスのドゥカティファクトリーチーム昇格を巡る争いは、6月3日にマルティンのアプリリア移籍という衝撃的な発表によって決着した。舞台裏では何が起きていたのか? アプリリア側がその一端を明かした。

 彼ら2人がドゥカティのファクトリーチーム昇格を争っていたことは周知の事実だったが、第7戦イタリアGPの直前にガゼッタ・デロ・スポルト紙はマルティン昇格が決定したと報道した。そのためマルケスはプラマックでファクトリーバイクを使用して走ることになると思われた。

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 しかし事態はそう簡単には進まなかった。マルケスはプラマックへの移籍が「選択肢ではない」とメディアに語り、状況は一変。ドゥカティ陣営に留まるとすれば、それはグレシーニでファクトリーバイクを使うか、ファクトリー昇格かであり、さもなくば別陣営への移籍になるとドゥカティ側に要求を突きつけたのだ。

 そしてドゥカティはこのマルケスからの圧力を考慮しないわけには行かなかった。ホンダから移籍してすぐに見せた適応、そして8度王者の持つマーケティング面での力から、ドゥカティ上層部も悩まされることになった。

 ドゥカティの選択は、当初の決断を翻すことだった。彼らはイタリアGP決勝日の2日午後にマルティンに対して、マルケスのファクトリー入りを伝えたという。そしてマルティンはすぐに、他メーカーへの移籍に向けて動き出し、アプリリアも迅速に決断を下したようだ。

「聞かれたらこれまで常にそう答えていたように、我々はアレイシ(エスパルガロ)が引退を決めて以来、全員と話し合いを始めた」

 アプリリア・レーシングのマッシモ・リボラCEOはマルティンとの契約発表後にそう語った。

「最初には動かないという戦略は非常に明確だった。他の誰にも“贈り物”はしたくなかったからだ。しかしそこにチャンスがあると感じた時……実際には昨夜だったが、我々は話し合いよりも行動をかなり素早く起こした」

「我々はとても、とても早くに取引を行なうことができた。その点でも、我々はアレイシに感謝しなくてはならないだろう」

「タイミングが要因だったと思う。我々は非常に早かったんだ。昨夜、私は上司に電話をして『(マルティン獲得の)チャンスが有る』と伝えた。そして上司からは『獲得しろ。やれ』と答えを得たため、そうしたんだ」

「そしてチームの法律担当が夜通しで働いて、成し遂げてくれた。それが感情によるものだったのかどうかは分からないが、私はホルヘがアプリリアを選択したことは、我々がこの何年間かで着実に成長してきたからこそだと思っている」

「これまでのところ、今の(マルティンが乗るドゥカティの)バイク以外でレースに勝っているのは我々のバイクだけだ。それがパズルのピースだったんだ」

 マルティンとの契約は、アプリリアにとって重要な瞬間と言える。彼らは2015年にMotoGPへと復帰した当初はライバルに完全に後れを取ってしまっていた。2017年にエスパルガロが加入しても、表彰台獲得は2021年まで待たなくてはならなかった。

 チームはアンドレア・イアンノーネのドーピング疑惑によって、ライダーのラインアップにも混乱が発生。2021年後半にはヤマハと喧嘩別れしたビニャーレスを引き入れた。

 数年前まで、アプリリアはMoto2クラスの若手にも敬遠されていた。しかし2022、2023、2024年と毎年レースで勝利するようになり、今ではMotoGPのトップの才能を持つ選手にとっても魅力的な存在となりつつある。そして今回獲得したマルティンは、その中でもひときわ有力なライダーなのだ。

「2020年にライダーを見つけるのが非常に難しいという問題を抱えていたことを覚えている」と、リボラCEOは言う。

「そして今では、ドアを叩いてくる長いマネージャーのリストがある。これは会社にとって間違いなく満足できることだ」

 なおリボラCEOはマルティンと複数年契約を結んだ今、チームとしてはもうひとりのライダーをどうするかに集中している。

 マルティンが加入する前はアプリリアのライダー候補としてはドゥカティでのシートを失うと見られるエネア・バスティアニーニが挙げられていた。リボラCEOは、今でもバスティアニーニは考慮される名前であることを認めているが、今年アプリリアで初優勝を挙げたマーベリック・ビニャーレスを残留させることが最優先事項だと語った。

「最優先事項は、マーベリックが我々とどうしたいのかを理解することだ。そしてマーベリックが残留を望むのであれば、私はそれを期待しているひとりであるため、エネアの居場所はない」

「ただ、エネアは私が長い間ここに連れてこようとしていたライダーのひとりであることは確かだ。様子を見よう。今は予想するのが難しい。私の立場なら、皆も同じことをしただろうと思う」

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みんなのコメント

5件
  • 林太郎
    マルケスのワークス入りが決定的ですね。
  • まーさん
    これであと2年はドカが支配的に強くなってしまう。
    最新ドカにペッコとマルクの、複数タイトルコンビ。
    そこにあと2台最新機と型落ち2台程度。
    他のメーカーのチャンピオンライダー、ミルとファビオは遅い日本車に封印されてるし。
    アプリリアもKTMもたまに勝つけど、タイトル争いする安定感は無いしね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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