英国にも並行輸入でブロンコ上陸
欧州フォードは、CO2排出量の削減に余裕がない。新しいフォーカスRSの開発を進められないほど。CO2を沢山排出するであろう、大きなオフローダーを正規に欧州市場へ持ち込むことも難しい。
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しかし、英国のとあるディーラーを尋ねれば、生まれ変わったフォード・ブロンコを購入できるようになった。並行輸入という形で。
そのディーラーとは、クライヴ・サットン社。ロンドンにショールームを構え、フォード・マスタングやシボレー・コルベットC8の輸入もしている。
最新のフォード・ブロンコは、2020年に発表された。根強いファンを抱える名前を復活させ、オールドスクールなセパレートシャシー構造を採用。2ドアか4ドアのボディタイプを選べる、本格的なオフローダーだ。
ちなみに、シャシーとボディが一体になった、モノコック構造のブロンコ・スポーツも存在する。こちらは、スタイリングが似ているものの、ひと回り小さい別モデル。都会派SUVという位置付けになる。
今回試乗したのは、兄貴分の本気のブロンコ。シャシーはピックアップ・トラックのレンジャーのものがベースだという。サスペンションは、フロントに独立懸架、リアにリジットアクスルが採用されている。
ライバルのジープ・ラングラーと並んでも、ブロンコは迫力でまったく負けていない。4ドアの全長は4810mm、全幅は1928mm、全高は1854mmと、ボディサイズも接近している。ルーフは、ソフトトップかハードトップが選べる。
2.3L 4気筒ガソリンターボに10速AT
オフローダーとして、四輪駆動のドライブトレインには後輪駆動モードのほかに、ローレンジとハイレンジも用意された。必要なら、フレームレスの軽いドアと、ルーフが取り外せる。テールゲートは横開きだ。ラングラーへの対抗意識を感じ取れる。
ジープは年間20万台以上のラングラーを、世界中で販売している。カスタムして楽しむファンも多い。フォードも、その市場へ参入したいと考えても不思議ではない。
ただし、ブロンコはアメリカ人が荒野を冒険するために作られた。日本や欧州の市場は、ほとんど視野に入っていない。
北米でのスターティング・プライスは約3万ドル(約345万円)から。しかし、ある程度は価格を決められる現地ディーラーは、強気の金額を要求するらしい。需要が高く品薄だからだ。発表から既に、16万5000台のオーダーがあったという。
今回試乗する機会を得たのは、アウターバンクス・エディション。ミドルグレードに当たるブロンコで、タイヤはオンロード重視のパターンを履いていた。
一般的に、この手のクルマはゴツいタイヤを履いているほど、カッコいいと筆者は思う。ジープ・ラングラーと同様に。
試乗車のエンジンは、エコブーストと名付けられた2.3Lの4気筒ガソリンターボ。最高出力は274psを発揮する。トランスミッションは10速オートマティックだ。
英国では、2.7Lガソリンターボも選べる。追って、3.0Lガソリンターボのラプター仕様も導入予定だという。
自然な印象と反応でこなすコーナリング
インテリアは、いかにもタフなデザインで仕上げてある。ドライビングポジションは高めで雰囲気があるし、前方視界には、ボンネット前端のグラブハンドルが見える。
このハンドルには、ルーフへ載せたカヤックを固定するロープが通せる。リムライザーと呼ばれる、フロントガラス・ガードのワイヤーも付けられる。
車内のレイアウトは良好で、人間工学的に不自然なところはない。運転席の頭上空間には余裕がある。ドアポケットには、ネット状の小物入れが付いている。
手袋をしていても扱いやすそうなエアコンとオーディオの操作ボタンが、ダッシュボード中央に並ぶ。ゴム引き加工されていて、タッチも良い。その上には、サイズは控え目ながら、タッチモニターが据えられている。メーターパネルもモニター式だ。
キーをひねると、4気筒ターボエンジンは静かに目覚めて、上品なアイドリングに落ち着いた。ブレーキペダルを緩めると、そっとクリープ走行を始める。ブレーキやアクセルペダルの反応も良い。
低速域での扱いやすさは、オフローダーとして重要。同時に、ロンドンの混雑した市街地でも運転はしやすい。
ステアリングの重み付けは、中程度で好感触。フォード・レンジャーのように、自然な印象と反応で、コーナリングをこなせる。乗り心地は、路面からの衝撃が程よく丸められていると感じた。
冒険を楽しむための本格オフローダー
洗練性も悪くない。ただし、高速道路での快適性を求めるなら、ハードトップを装備した方が良いだろう。ソフトトップでは、路面の凹凸でボディに振動も生じるようだった。
実用性について、不満を感じる人はいないはず。これ以上に上質なSUVが欲しいなら、ランドローバー・ディフェンダーやトヨタ・ランドクルーザーを検討するべきだろう。
ブロンコは、それらとは異なる。渡河深度は850mmもあり、フロント側のアプローチアングルで35.5度、ホイールベース間のブレークオーバーで20.0度、リア側のデパーチャーで29.7度もある。冒険を楽しむためのオフローダーだ。
現代的なモデルらしく、GOATと呼ばれるオフロード用ドライブモードも備わる。どんな地形でも走破する、という意味の略語だが、常に最高という意味も含まれているとか。
クライヴ・サットン社は英国で型式認証を取得し、2年間の保証も付けてくれる。正規ディーラーのクルマと同じように、気軽に乗れるはず。
肝心のお値段だが、スペックに応じて4万5000ポンド(約697万円)から8万5000ポンド(約1317万円)の間になるという。今回の試乗車には、7万5000ポンド(約1162万円)が付いていた。
ジープ・ラングラーよりかなり高い。ランドローバー・ディフェンダー・クラスなのだから。だが、6万ポンド(約930万円)のラングラー・ルビコンもある。珍しいブロンコに乗るという価値も加算されると考えれば、法外とはいえないだろう。
ソロバンを弾いてはいけない。アドベンチャー・オフローダーは、そもそも合理的に考えて買うクルマではないと思う。
フォード・ブロンコ 2.3エコブースト・アウターバンクス(英国仕様)のスペック
英国価格:7万5000ポンド(約1162万円)
全長:4810mm
全幅:1928mm
全高:1854mm
最高速度:193km/h(予想)
0-100km/h加速:8.0秒(予想)
燃費:9.9km/L(予想)
CO2排出量:−
車両重量:2045kg
パワートレイン:直列4気筒2261ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:274ps/5500rpm
最大トルク:42.6kg-m/3500rpm
ギアボックス:10速オートマティック
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