現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 全面刷新した新型トヨタ・ノア/ヴォクシーのリアル実用度をユーザー視点で検証

ここから本文です

全面刷新した新型トヨタ・ノア/ヴォクシーのリアル実用度をユーザー視点で検証

掲載 14
全面刷新した新型トヨタ・ノア/ヴォクシーのリアル実用度をユーザー視点で検証

新型はプラットフォームから一新。ノアヴォク2台で月販基準1万3500台を誇る

 新型はすべてを一新した新世代である。まず、車種体系が整理された、ノアはエアロ系と標準系、ヴォクシーはエアロ系のみとされ、エスクァイアは廃止となった。これは2020年5月からディーラーごとの専売制から全車種併売とされた販売システムに対応した変更である。ノアとヴォクシーは、従来以上に個別のキャラクターを鮮明にしている。
 これまで歴代の販売台数は、一貫してヴォクシーのほうが多かった。しかし、新型の月販基準台数は、ノアが8100台、ヴォクシーは5400台。今後はノアが主力モデルとなる。

「新車詳報」今度のトヨタ・ノア/ヴォクシーは先進/快適/便利/安心を追求。「凄技」丸わかり!

 車体にはトヨタ最新モデルらしく、TNGAの要素を取り入れたGA-Cプラットフォームが採用された。パワートレーンは、1.8リッターのハイブリッドと2リッターガソリンの 2本立て。ハイブリッドは新世代に進化しており、大幅にパワー&効率を改善。待望の4WD(E-Four)が設定されたのも注目点だ。

 走りもさることながら、新型で印象的なのは、使い勝手の大幅な進化である。知れば知るほど、「ここまで手を加えたのか」と感心せずにいられない。
 新型のボディサイズは全長×全幅×全高4695×1730×1895mm(FF)。全車3ナンバーに拡大された。パッケージングは見直され、ボディ骨格の最適化により、左右のCピラー間距離が従来型比で75mmも拡大したというから相当なレベルだ。1400mmを超える室内高と相まって室内空間は開放感たっぷり。確かに従来型より広く感じる。

 レポート車は、ハイブリッドの7名乗り2WD。2列目のキャプテンシートには、クラス初となるオットマン機構とシートヒーターが採用されていた。
 シートアレンジは多彩。持ち前の2列目超ロングスライド機構は、旧型ではいったんシートを横にスライドしなければならなかったが、その必要がなくなった。
 3列目シートがワンタッチで跳ね上げられるようになった点も本当に便利だ。シート自体の作りも優秀。これほど薄く軽く仕上げていながら、大きな不満を感じない座り心地が確保されている出来栄えに感心した。
 収容性も優秀である。荷室の床下に容量104リッターのスペースを用意。高さのある荷物やスーツケースなどを積みたいときに重宝しそうだ。さらに、バックドアを任意の角度で保持できたり、パワーバックドア装着車はスイッチを車体後端の使いやすい位置に配するなど、ユーザーの立場に立った、使いやすさへの工夫は万全である。

 後席の乗降性についても、アシストグリップを長くしたほか、パワースライドドア開閉と連動してステップが展開~格納される機構をオプション設定するなど、子供から高齢者まで誰もが乗り降りしやすいよう配慮されている。
 運転席に座ると、まず視界のよさが印象的。ピラーやダッシュ回りの形状にもこだわったことがうかがえる。インテリア全体の質感は大幅に引き上げられている。

際立つハイブリッドの完成度。足回りはしっかりとした印象

 走りはスムーズで、なかなか力強い。従来型で見受けられた「エンジン回転が先行して加速がなかなかついてこない」感覚がかなり低減されていた。ここまでできるのかと驚くほどの自然な感覚に仕上げられている。
 右足の動きに合わせてリニアに応答し、踏み増すとそのとおり遅れなく加速してくれて、街中から気持ちよく走れる。

 足回りは適度に引き締まっている。路面への感度がやや高く、乗り心地は意外と硬めで、多少ドラミングが出がちな傾向が見受けられた。そのぶんハンドリングは軽快で、箱型ミニバンにありがちな重心の高い感覚は薄められている。
 ステアリングの操舵力は軽く、扱いやすい。適度な手応えがあるので、切りすぎて修正舵が増えるような傾向もない。

 今回は車両側の都合で、新型の目玉装備のひとつ、一定条件下でのハンズオフを可能とした「アドバンストドライブ」は試せなかった。ACCの印象は強力なモーターを持つ強みもあって、追従性能はまずまず。ただし、最も車間距離を詰めた設定にしても、やや車間が開きぎみなのと、車線維持機能が「車線上に車輪が乗るところまでいってしまう」ことがたびたびあるのが少し気になった。
 注目の新機能では、全操作をクルマ側が行い、さらにスマートフォンでも操作できる駐車および出庫機能が採用(ハイブリッド車)されたことが挙げられる。

 価格はずいぶん高くなった印象を受けるが、中身もそれだけ充実している。装備内容やリセールバリューを含めて検討すると、お買い得感は高水準。多少は高くてもいいものがほしい、というユーザーに最適だと思う。間もなくデビューする競合車と比べても割高ではない。
 スタイリングについては、「いかつい顔」に賛否が分かれているようだ。個人的にはよくまとまっていると思う。
 周到なマーケティングの末に導き出された、「売れる」デザインであることには違いない。

通知表/トヨタ・ノアHV・S-Z(7名乗り・FF) 価格:THS 367万円

総合評価:73点

Final Comment

すべてに進化を実感
抜群の使い勝手。走りも高水準。完成度に感銘

 全体においてそつがない。とくに使い勝手は、このクラスのミニバン・ユーザーが望むニーズを細かいところまで考え尽くした印象を受けた。走りについては、ミニバンの弱点をできるだけ感じさせないように仕上げられている。新世代ハイブリッドのリニアなレスポンスも好印象。インフォテインメント系や先進運転支援装備系もトヨタの最新モデルらしく非常に充実している。この内容なら、少々高くなった価格も十分納得できる。

こんな記事も読まれています

WEC第3戦スパのエントリー発表。フォーミュラE重複の影響多数、ハプスブルクの復帰には疑問符も
WEC第3戦スパのエントリー発表。フォーミュラE重複の影響多数、ハプスブルクの復帰には疑問符も
AUTOSPORT web
超ガチ仕様だし今思えば激安じゃない!? [ランドクルーザー250も70]も超絶魅力的!! でもでも[メガクルーザー]こそ誇るべきモデルじゃないか説
超ガチ仕様だし今思えば激安じゃない!? [ランドクルーザー250も70]も超絶魅力的!! でもでも[メガクルーザー]こそ誇るべきモデルじゃないか説
ベストカーWeb
KTM新型390デューク試乗「実は日本でベストバランスのストリートファイター!?」
KTM新型390デューク試乗「実は日本でベストバランスのストリートファイター!?」
モーサイ
X氏の値引き大作戦 デリカD:5から60.8万円引き!
X氏の値引き大作戦 デリカD:5から60.8万円引き!
グーネット
中国IT大手のテンセントとトヨタ自動車が戦略提携
中国IT大手のテンセントとトヨタ自動車が戦略提携
レスポンス
テスラが日本で全車30万円一律値下げ! 補助金が制限されるもお買い得度ではモデルYが圧倒!!
テスラが日本で全車30万円一律値下げ! 補助金が制限されるもお買い得度ではモデルYが圧倒!!
THE EV TIMES
日産の「NissanConnect」とパナソニックの「音声プッシュ通知」が連携…音声通知で新たな価値を創造
日産の「NissanConnect」とパナソニックの「音声プッシュ通知」が連携…音声通知で新たな価値を創造
レスポンス
ビモータが2025年からSBKに復帰。カワサキZX-10RRのエンジンを使用も、ライムグリーンのKRTは今季限りに
ビモータが2025年からSBKに復帰。カワサキZX-10RRのエンジンを使用も、ライムグリーンのKRTは今季限りに
AUTOSPORT web
【MotoGP】クアルタラロ、ヤマハの復活に向け「ファクトリーの延長線上にあるサテライト確保が重要」
【MotoGP】クアルタラロ、ヤマハの復活に向け「ファクトリーの延長線上にあるサテライト確保が重要」
motorsport.com 日本版
新型「セダン」2台×「SUV」2台 日産がコンセプト4車種相次ぎ発表 北京モーターショー
新型「セダン」2台×「SUV」2台 日産がコンセプト4車種相次ぎ発表 北京モーターショー
乗りものニュース
日産、北京モーターショー2024で新エネルギー車のコンセプトカー4車種を公開
日産、北京モーターショー2024で新エネルギー車のコンセプトカー4車種を公開
レスポンス
【ホンダ】バイクミーティングイベント「HondaGO BIKE MEETING 2024」をモビリティリゾートもてぎで6/2に開催!
【ホンダ】バイクミーティングイベント「HondaGO BIKE MEETING 2024」をモビリティリゾートもてぎで6/2に開催!
バイクブロス
ガガガガ、ズサーッ 島内最長トンネル貫通の瞬間 2年遅れも洲本バイパス全通へ向け
ガガガガ、ズサーッ 島内最長トンネル貫通の瞬間 2年遅れも洲本バイパス全通へ向け
乗りものニュース
メルセデスベンツ GLCクーペ、PHEVモデルを追加…EV走行距離118km
メルセデスベンツ GLCクーペ、PHEVモデルを追加…EV走行距離118km
レスポンス
新しくもどこか懐かしい? 「愉しむためのBEV、時代が変わる予感」 ヒョンデ・アイオニック5N
新しくもどこか懐かしい? 「愉しむためのBEV、時代が変わる予感」 ヒョンデ・アイオニック5N
AUTOCAR JAPAN
フェルスタッペン陣営との交渉を仄めかすメルセデスF1に対し、レッドブル代表は不満「チームのことに時間を費やすべき」
フェルスタッペン陣営との交渉を仄めかすメルセデスF1に対し、レッドブル代表は不満「チームのことに時間を費やすべき」
AUTOSPORT web
ポルシェ964型「911」が2億円オーバー!!「シンガー」が手掛けたレストモッドは「911カレラRS 2.7」のオマージュでした
ポルシェ964型「911」が2億円オーバー!!「シンガー」が手掛けたレストモッドは「911カレラRS 2.7」のオマージュでした
Auto Messe Web
ホンダ オデッセイ【1分で読める国産車解説/2024年最新版】
ホンダ オデッセイ【1分で読める国産車解説/2024年最新版】
Webモーターマガジン

みんなのコメント

14件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村