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ニュル24時間:白熱の優勝争いはフェニックスの4号車アウディが制す。KONDOのGT-Rは殊勲の10位

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ニュル24時間:白熱の優勝争いはフェニックスの4号車アウディが制す。KONDOのGT-Rは殊勲の10位

 2019年のニュルブルクリンク24時間レースは6月23日、現地時間15時30分にチェッカーを迎えた。レース後半に激しい戦いとなった総合優勝争いは、波乱の末ピエール・カッファー/フランク・スティップラー/フレデリック・ベルビシュ/ドリス・ファントール組アウディスポーツ・チーム・フェニックスの4号車アウディR8 LMSが制した。日本勢では、KONDO Racingの45号車ニッサンGT-RニスモGT3が総合10位/SP9クラス9位に食い込み、初挑戦で素晴らしい結果を残した。

■ドイツ車の首位争いは終盤戦に白熱
 23万人もの観客を集め、22日の15時にスタートした2019年のニュルブルクリンク24時間は、半分の12時間を過ぎる前あたりから上位陣の争いは膠着しはじめ、序盤からトップに立ったマンタイ・レーシングの911号車ポルシェ911 GT3 Rが首位をキープ。僅差でフライカデリ・モータースポーツの31号車ポルシェ、そしてメルセデスAMG・チーム・マンフィルターの48号車メルセデスAMG GT3、さらにアウディ勢が2台続く戦いとなっていった。

ニュルブルクリンク24時間:スタートから12時間経過。王者マンタイの911号車ポルシェがリード

 しかし、フライカデリの31号車ポルシェはすっかり陽がのぼった7時43分、最低ピットストップ時間違反により33秒のタイムペナルティが課せられてしまう。一方、トップを走るマンタイは盤石の走りで朝を迎えていった。

 トップ3の順位がさほど変わらないままレースは終盤戦を迎えることになるが、午前9時あたりから急激にレースが動き始めた。3番手争いが一気に白熱しはじめ、31号車ポルシェ、そしてアウディスポーツ・チーム・ランドの29号車アウディ、アウディスポーツ・チーム・フェニックスの4号車アウディ、メルセデスAMG・チーム・ブラックファルコンの6号車の四つ巴のバトルとなっていく。10時前には、4台は一団となりバトルを展開。特に2台のアウディは、同じ車種同士とは思えぬ白熱した戦いをみせた。

 その前方につけていたのはチーム・マンフィルターの48号車メルセデスAMGだったが、10時09分、ホーエ・アハトで名手マキシミリアン・ゴッツがまさかのクラッシュを喫する。コクピットで涙にくれたゴッツだったが、これで熾烈な3番手争いが2番手争いとなっていった。

 レースはさらに、13時を過ぎると風雲急を告げる。ブラックファルコンの6号車がストップ、さらに4号車とバトルを展開していた29号車アウディが、まさかの右リヤタイヤバースト。そして今度は、トップを快走していたマンタイ・レーシングの911号車ポルシェが、黄旗無視があったとしてペナルティストップが課された。

 これでトップに立ったのはフェニックスの4号車アウディとなったが、911号車ポルシェがペースに優り、少しずつギャップを縮めていった。しかし残り1時間を切り、2台はルーティンのピットストップを終えると、アンカーとなった4号車のドリス・ファントール、そして911号車のケビン・エストーレとの差は広がることになった。

 トップの4号車アウディはそのまま逃げ切り、2017年以来となるアウディの優勝となった。フェニックスの優勝は2014年以来。マンタイの911号車ポルシェは、ほんのわずかな黄旗無視により勝利を落とすことになってしまった。3位はメルセデスAMG・チーム・ブラックファルコンの3号車となり、ドイツメーカーが表彰台を分け合った。なお、4号車のドリス・ファントール、911号車のローレンス・ファントールは兄弟でワン・ツー(ローレンスが兄)となった。

■KONDO RACINGのニッサンGT-Rが10位に食い込む
 上位8台はドイツ車が占めることになったが、総合/SP9クラス10位に食い込んだのは、これが初めてのニュルブルクリンク24時間挑戦となるKONDO RACINGのトム・コロネル/松田次生/藤井誠暢/高星明誠組の45号車ニッサンGT-RニスモGT3。序盤4人が交代し、夜以降はダブルスティントで回してきた45号車は、トップからは2周差となったが、「絶対に今年は完走すること」という近藤真彦監督の指示をドライバー、チームが守り抜き、ノートラブル、ノーミスで順位を上げ、終わってみれば総合10位/SP9クラス9位フィニッシュ。ドイツ勢が圧倒的な速さと強さをみせるこのニュルで、初挑戦としては素晴らしい結果を残した。

 同様に快走をみせたのは、SP3Tのスバルテクニカインターナショナルのカルロ・バンダム/ティム・シュリック/山内英輝/井口卓人組88号車スバルWRX STI。序盤シュリックが接触したほかは、トラブルらしいトラブルはなく、SP3Tクラス優勝はもちろん、総合でもSP9=GT3、SP7=カップカーらに続く総合19位フィニッシュを果たした。

 また、佐々木雅弘/ウヴェ・クリーン/ヘルヴィク・ダーネンス/“モリゾウ”組TOYOTA GAZOO Racingの90号車GRスープラは、夜間に接触こそあったもののしっかりと走り抜き、最後はモリゾウがチェッカーを受け、GRスープラにSP8Tクラス3位/総合44位という結果をもたらしている。

 SP9クラスに今季から参戦した吉本大樹/ドミニク・ファーンバッハー/マルコ・シーフリード/ミハエル・ティシュナー組レーシングプロジェクトバンドウ×NOVEL Racingの19号車レクサスRC F GT3は、夜間のピットストップ時の給油の際に火災が起きてしまい、幸いこれは大事には至らなかったものの、エキゾーストの音量、さらに燃料系トラブルと相次いでしまう。しかし、修復し総合45位/クラス19位でフィニッシュした。

 SP-PROクラスのTOYOTA GAZOO Racingの土屋武士/蒲生尚弥/松井孝允/中山雄一組56号車レクサスLCは、夜間のミッショントラブルの後コースに復帰。ただ総合59位という結果でレースを終えた。また、SP8クラスのリングレーシング・ウィズ・ノーベルの小山佳延/東徹次郎/松井猛敏/佐々木孝太組20号車レクサスRC Fは序盤のクラッシュから修復されたものの、総合112位という悔しい結果となった。

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