8月24日、2024全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦の公式予選が栃木県茂木町のモビリティリゾートもてぎで行われ、山下健太(KONDO RACING)が自身2度目のポールポジションを獲得した。2番手には太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、3番手には大湯都史樹(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)が入っている。
■TEAM MUGENの一角がまさかのQ1敗退
土曜午前のフリー走行は、気温28度の好天のなかで実施され、その後もやや雲の量が増えたものの、予選が始まる時点で気温は35度、路面温度は46度まで上昇。定刻の14時45分に予選セッションがスタートした。
Q1グループA組は、山下、太田、小林可夢偉(Kids com Team KCMG)、三宅淳嗣(ThreeBond Racing)、大嶋和也(docomo business ROOKIE)、岩佐歩夢(TEAM MUGEN)、国本雄資(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)、大湯、大津弘樹(TGM Grand Prix)、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)が出走。
10分間のセッションが開始されると同時に各車がコースイン。今大会は全日本ロードレース選手権との併催で、直前にJSB1000の予選があったことも考慮してか、ピットで待機する車両はなく全車がコースチェックに向かう。半数はアウト・インでピットイン。残る半数は一度ホームストレートを通過してからピットへと戻り、タイヤを履き替えてアタックのタイミングを待った。
残り時間が5分を示したところで岩佐が先頭でコースイン。続いて坪井、大湯、大津、佐藤と続々とコースに入っていった。先頭の岩佐は充分なスペースを保ってアタックに入ったが、ややスピードに伸びが足りないようにも見える。まずは1分32秒914でコントロールラインを通過し、これが暫定トップタイムに。続けて坪井が戻ってくるが、岩佐に対しコンマ3秒近く速い1分32秒674をマークして逆転。大津が1分33秒262で3番手につけた。
ここからはフィニッシュラインに戻ってくるドライバーが次々とトップタイムを更新。大湯が1分32秒616で坪井を0.058秒上回りトップに立つが、すぐさま太田が1分32秒270のタイムを叩き出しトップタイムを塗り替えた。続いて戻ってきた佐藤は1分32秒845で4番手に滑り込む。これらのドライバーが戻ってくるたびに、岩佐はじわじわとポジションダウン。そして最後に山下が1分32秒543で2番手に躍り出ると、岩佐は7番手へドロップ。ここまで3戦連続で予選トップ2に入っていた岩佐だったが、まさかのQ1敗退となってしまった。
最終結果は太田、山下、大湯というトップ3。これに坪井、佐藤、国本が続き、ここまでの6名がQ2進出を決めた。岩佐、小林、大津、三宅の4名がノックダウン。三宅はアタックラップの3コーナーでオーバーシュートしてしまい、残念ながらアタック失敗に終わった。
■デ・フリース、ぶっつけ本番のSF初予選
インターバルを挟んでのQ1グループBには、小高一斗(KONDO RACING)、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、福住仁嶺(Kids com Team KCMG)、野尻智紀(TEAM MUGEN)、ニック・デ・フリース(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、笹原右京(VANTELIN TEAM TOM’S)、阪口晴南(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING、木村偉織(San-Ei Gen with B-MAX)、Juju(TGM Grand Prix)、山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING)が出走。
このセッションで速さを見せたのは牧野だった。まずは先頭でアタックに入った笹原が1分33秒252でターゲットタイムを設定。福住が1分32秒739で上回り、山本が0.047秒差の1分32秒786で2番手につける。次にコントロールラインに戻ってきた野尻が1分32秒597でトップに浮上。続いて戻ってきたJujuは1分34秒台のタイムをマーク。そして木村が1分33秒064で4番手につけたが、すぐさま阪口が1分32秒833で木村を上回り4番手を奪取。そこへ戻ってきた牧野が1分32秒550と、野尻より0.047秒速いタイムでトップに立つ。
続いて戻ってきたのは注目のデ・フリースだ。しかし、デ・フリースは1コーナーのブレーキングでやや姿勢が乱れ、わずかにタイムロス。結果、1分33秒804の8番手タイムにとどまった。最後に小高が1分32秒897で6番手に滑り込み、木村をトップ6圏外へ追いやる。これで全車がアタックを終え牧野がトップ通過、Q1はA組、B組ともにDOCOMO TEAM DANDELION RACINGがトップを奪うかたちとなった。これに野尻、福住、山本、阪口、小高と続き、ここまでの6名がQ2に進出。木村、笹原、デ・フリース、Jujuはここで予選を終えることとなった。
■前回のポール獲得はデビューイヤー
15時20分から行われた予選Q2は、12台のうち太田のみがチェックラップに向かい、残る11台はニュータイヤを装着してアタックのタイミングを待つ展開に。
残り時間が5分を示したところで太田と福住を除く10台が続々とコースイン。太田はチェックラップからピットに戻ると素早くタイヤを履き替えコースへ。その太田の動きもピットで見ながら、福住は残り時間が3分になろうかというところで最後にピットを後にした。前戦富士でポールを奪った男がアウトラップから戻ってきたのは残り1分20秒。アウトラップからいきなりアタックとなる。
その福住は1分32秒379をマークし、ライバル勢のアタックを待つ。続いてコントロールラインに戻ってきた野尻が1分32秒151で福住を逆転。続く山本は1分32秒238で、野尻に100分の8秒届かず2番手。セクター1で最速タイムを刻んだ佐藤が戻ってくるも、1分32秒307でチームメイトにもわずかに届かず3番手。それを坪井が1分32秒278で上回り3番手を奪った。
このタイミングで戻ってきた大湯が1分32秒091で野尻を上回りトップに浮上。続く阪口、国本は1分32秒台半ばのタイムで上位には食い込めず。Q1のB組でトップを奪った牧野は1分32秒173で大湯、野尻に続き3番手に滑り込む。
そして戻ってきたのが山下。セクター1は区間ベストの佐藤に匹敵するタイムで通過し、セクター2では大湯よりも早いタイムをマークすると、1分31秒995で堂々のトップに躍り出た。チームメイトの小高が続いて戻ってくるが、1分32秒248で6番手。最後に太田が戻ってくると、1分32秒074で2番手に入り、予選終了。唯一1分31秒台に入れた山下がポールポジション獲得となった。
山下のSFでのポールポジションは2度目。デビューイヤーの2017年に、このもてぎで初ポールポジションを獲得して以来、実に7年ぶりの記録となった。2番グリッドを得た太田は開幕戦以来2度目のフロントロウを獲得。大湯は前戦富士大会に続き2度目の予選3番手となった。以下、野尻、牧野、山本という顔ぶれがトップ6に並んでいる。
37周で争われる第5戦もてぎの決勝レースは、25日(日)の14時40分にスタートが切られる予定だ。
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