有力ドライバーが軒並み苦戦する波乱の展開となったWRC(世界ラリー選手権)第2戦ラリー・スウェーデンは、エサペッカ・ラッピ(ヒョンデ)がトヨタ時代の2017年以来となる久々の優勝を飾って幕を下ろした。そのラッピと途中まで総合首位を争っていたのが、トヨタの勝田貴元であった。
勝田は初日のSS1を2番手と上場の滑り出しを見せると、2日目は前年王者のカッレ・ロバンペラ(トヨタ)やオット・タナク(ヒョンデ)が立て続けにデイリタイアとなるのを尻目に、総合首位に浮上。2日目最後のステージであるSS8を終えた時点でも、ラッピと3.2秒差の2番手につけていた。総合優勝も十分に狙える位置だった。
■WRCスウェーデン|ヒョンデのラッピ優勝も、最多得点はトヨタのエバンス。勝田貴元はデイ3で無念のクラッシュ
しかし3日目のSS10、勝田は雪壁に激突しスタック。再始動は叶わず、デイリタイアとなった。
リスクを回避しながらもプッシュもしなければいけない難しいコンディションのラリーとなったが、優勝を争うために攻めの走りを続けていた最中でスタックしてしまった勝田。3日目を終えて次のようにコメントしていた。
「今朝は、トップ争いをするためハードにプッシュしました。最初のステージはとても上手く行き、トップとの差を縮めることができたので、そのまま攻め続けてさらにタイムを稼ぐつもりでした」
「しかし、残念なことにSS10のあるコーナーで、進入スピードが少し高すぎたのだと思いますが、リヤのグリップを失い雪壁に当たってスタックしてしまいました。とても残念ですし、非常にいい週末になるかもしれなかっただけに、チームに本当に申し訳なく思います。このようなことから学ばなければなりませんが、明日はまだポイントを獲得できる可能性があるので頑張ります」
そして迎えた最終日は、ポイントシステムの改訂により大量ポイントを獲得するチャンスでもあった。最終日の3ステージのタイムでトップとなれば7点追加、パワーステージのSS18でトップになれば5点が追加されるからだ。しかし勝田は出走順も良くなく、最終日6位で2点、パワーステージ5位で1点を追加するにとどまった。ノーポイントは阻止し、確実に加点したものの、週末に見せていたポテンシャルを考えれば物足りない結果となってしまった。
勝田はラリー全体を振り返り、車両のポテンシャルと自分たちのパフォーマンスは確かにあったと総括。次こそはチャンスをモノにしたいと語った。
「今日(最終日)はできるだけ多くのポイントを獲得したかったのですが、出走順があまり良くなく、パワーステージではまったく違うクルマの走行ラインをフォローしなければならなかったので、簡単ではありませんでした」
「自分にとっては困難な週末になってしまいました。クルマのポテンシャルはとても高く、自分たちのパフォーマンスも良かったのですが、それを結果に結びつけることはできませんでした。今回のことからどのように学ぶのか考える必要がありますし、次にチャンスが巡ってきた時に、それをものにできるようにしなければなりません」
「次のケニアは、以前自分にとって相性がいいラリーだったので、一度リセットして正しいアプローチで臨みたいと思います」
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