意外と安く乗れる古いチャレンジカップカー
フェラーリのレーシングカーへ乗るには、どの程度の予算が必要か想像したことはおありだろうか。走行距離の長い中古車を探してきて、ロールケージを溶接し、アフターマーケットパーツを組み込むなら、多少は安く手に入れられるかもしれない。
【画像】想像よりは安いかも? フェラーリ488 チャレンジ 488/458/360 現行296 GTBも 全116枚
しかし、サーキットを前提にフェラーリ自らの手で設計され、丁寧に仕上げられたマシンなら? 恐らく、かなりの金額を想像するのではないかと思う。
実は、英国でのお値段は約6万ポンド(約1086万円)から。ポルシェ718ケイマンと、さほど違わない金額で我が物にできる。お手頃とはいえないものの、安さに驚かれた読者もいらっしゃるだろう。筆者もその1人だ。
クラシック・フェラーリのオーナーで英国にお住まいなら、フェラーリ・オーナーズクラブへ入会することで、定期的なサーキットイベントに参加できる。1970年代の308や、1990年代のF355などのオーナーが、快音を響かせながら楽しんでいる。
もっと資金が潤沢にあり、年式の新しい跳ね馬でレースへ挑みたいなら、フェラーリ・チャレンジというワンメイクレース・シリーズが開かれている。現在の共通マシンは、488 エボだ。
しかし、そんな予算を準備できる人はひと握り。ランニングコストも馬鹿にならない。
クラシック・フェラーリより速くタフなマシンを駆り、現実的な費用でサーキットを攻め込みたい、と願うドライバーは少なからずいる。英国の大手スポーツカー・ディーラー、ベルスポーツ&クラシック社は、そんな思いの実現に向けて動き出した。
楽しく非公式 新人ドライバーも大歓迎
同社のアイデアは、オーナーズクラブ・イベントとワンメイクレースの間に位置する、フェラーリだけのレースを開くこと。クラシックカーの範疇にはまだ入らない360 モデナから、現行の488 エボの間に作られた、チャレンジカップカーによるイベントだ。
複数のクラスが設定され、1度のイベントで通常は2回戦う。このレースへ参加できる最もお手頃なマシンが、2000年代初頭の360 チャレンジとなる。約6万ポンド(約1086万円)で、本物のレーシングカーのオーナーになれる。
もちろんフェラーリだから、3.6L V8エンジンは8500rpmまで颯爽と吹けがる。車重は1250kgで、最高出力は405ps。一般的なドライバーなら、これで満足できるだろう。
もっとパワフルなマシンがお望みなら、482psのF430 チャレンジというチョイスもある。予算を7万5000ポンド(約1357万円)まで増やす必要があるけれど。
570psの458 チャレンジも、10万ポンド(約1810万円)で選べる。最近まで現役だった488 チャレンジは、約15万ポンド(約2715万円)。想像ほど高くないな、とお感じではないだろうか。
ベルスポーツ&クラシック社が、このフェラーリ・レースで強調している点が、楽しく、非公式であること。新人ドライバーも歓迎だという。
同社の担当者、ピーター・スミス氏へお話を聞いた。「少なくないマシンのリアに、初心者であることを示すステッカーが貼られています。むしろ、大歓迎ですよ」
メカニズムは頑丈で信頼性も高い
年式の新しい488 チャレンジが、圧倒的に有利というわけではない。とあるドライバーは、F430 チャレンジで参戦し2位でフィニッシュしている。優れた技術があれば、上位を狙える。
「フェラーリを愛し、サーキットの走行会へ積極的に参加し、次へステップアップしたいというドライバーは少なくありません。シリアスなレースだからこその、スリルを味わいたいと考える人は多いのです。このシリーズは最適だと思います」
参加するには、年間295ポンド(約5万円)の登録料を収め、1イベント当たり1350ポンド(約24万円)を支払う必要がある。これには20分間のプラクティスが含まれ、1戦30分の本番レースが2回開かれる。パドック裏のホスピタリティも充実している。
ただし、レーシングカーだから公道は走れない。サーキットまでは自己負担で運ぶ必要があり、タイヤやブレーキパッドなど消耗品も準備しなければならない。うっかりコースアウトしたら、その修理費も発生する。きっと少額ではないだろう。
とはいえ、フェラーリのチャレンジカップカーは驚くほど堅牢だという。シフトパドルで変速できるから、操作を誤ってトランスミッションやV8エンジンへダメージを与える可能性は低い。
「メカニズムは頑丈で、信頼性も高いといえます。コストは、どの程度の競争力を維持するかで変わります。レース毎にスリックタイヤを新調するなら、かなりの費用が求められますが、その必要はまったくありません」。とピーターが説明する。
極めて速く限界領域での扱いも容易
筆者がお邪魔したのは、グレートブリテン島の中央部に位置するドニントンパーク・サーキット。ベルスポーツ&クラシック社が準備した、カラフルな488 チャレンジを運転させていただいた。
チャレンジカップカーは、フェラーリのレーシングカーの入口。これが現役だった頃には、488 GT3や488 GTEル・マンなど、クラス上のマシンが位置していた。だとしても痛快に楽しく、笑いが止まらなかった。
最高出力は670psで、サスペンションやブレーキ、タイヤなどはレーシング・アイテム。すべてが本物で、エントリー・マシンだとは思えない。
そして極めて速い。チャレンジカップカーだけでのテスト走行に混ざったが、追い越される気配は一切なかった。圧倒的にパワフルで、不気味なほどグリップするだけではない。限界領域での扱いが容易なのだ。
筆者のようなアマチュア向けにセットアップされ、トラクション・コントロールは介入のタイミングとレベルを細かく調整できる。充分に温まったリアタイヤを信じて、ブレーキを引きずりながらコーナーへ侵入できる。
脱出加速時にテールが流れてオーバーステアへ転じても、慌てる必要はない。右足を倒したまま、スライド量に合わせて必要なカウンターステアを当てればOK。ストレートめがけて、一心不乱の加速へ移れる。
フェラーリのチャレンジカップカーは素晴らしい。だが、それを活かす機会を作ったアイデアも素晴らしい。ご興味を持たれたら、ベルスポーツ&クラシック社のWEBサイトを訪ねてみてはいかがだろう。
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