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「スペインで一緒に聞いた“君が代”に感動」/SBK第8戦 観戦レポート【現役大学生ライダーのスペインよりGO!】

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「スペインで一緒に聞いた“君が代”に感動」/SBK第8戦 観戦レポート【現役大学生ライダーのスペインよりGO!】

 みなさん、こんにちは! スペイン・バルセロナに留学中のバイク大好き大学生ライター、ウチノアミです。今回は9月23日~25日にバルセロナ・カタロニア・サーキットで開催された、スーパーバイク世界選手権(SBK)第8戦スペイン(カタルーニャ)ラウンドに行ってきました。

 スーパーバイク世界選手権(SBK)は、レース専用のバイクを使用して戦うMotoGPとは違い、街中を走る市販車でレースを行う世界選手権です。

バウティスタが完全制覇のカタルーニャ。3レースで独走優勝を飾る/SBK第8戦

 クラスは1000ccのバイクを使用するWorld SBK(ワールドスーパーバイク)、600~900ccのバイクで戦うWSSP(ワールドスーパースポーツ)、そして300~400ccのバイクでレースするWSSP300(ワールドスーパースポーツ300)の3つです。

 バイク乗りにとっては、自分が乗っているバイクや自分の好きなメーカーのバイクが世界の舞台で戦っているというのは、すごくワクワクしますよね!

 今シーズンのSBKは、ヨーロッパを中心に年間10カ国12サーキットで開催されます。土曜日にレース1、日曜日にレース2と、土日どちらもレースが行われます。さらに最高峰クラスのWorld SBKでは、日曜日の昼に周回数の少ないスーパーポールレースというものもあるため、一度のレースウィークに7レースを楽しめます。

 バルセロナ・カタロニア・サーキットは、バルセロナ郊外にあり、他のサーキットに比べてアクセスが抜群に良いのが特徴です。今回は3日間、レンタカーを借りて行ったのですが、後から、大きなレースの際は最寄りのモンメロ駅から無料のシャトルバスが出ていることを知りました(涙)。モンメロ駅は、バルセロナ市内から電車で約20分ほどなので、観戦に行く機会がある際は、シャトルバスをお薦めします!

 私がバルセロナ・カタロニア・サーキットに行くのは、今年7月に開催されたバルセロナ24時間耐久レースを観戦して以来なので、2カ月ぶりです! その時は普段、世界耐久選手権に参戦している渥美心選手が参戦するとのことで行ってきました。とはいえ、残念ながら渥美選手が所属するチームがレース開始早々に転倒、そしてマシントラブルでリタイヤしてしまい、ほぼパドックの中にしかいなかったので、バルセロナ・カタロニア・サーキットでのレース観戦は、“初”となります!

 サーキット内の様子がよくわからなかったので、金曜日のフリー走行はひたすらロケハンに当てました。行ける観戦席をすべて周って、決勝の観戦場所を考えていました。

 今回の観戦エリアは、ホームストレートのメイングランドスタンド、後半セクションにあるグランドスタンド、裏ストレートエンドのスタンド席(ここはパドックからしか行けないようでした)、ピットの屋上、そしてキャンプ泊の人向けのテントエリアと、5つありました。

 SBK第8戦スペインは全席自由席です。ホームストレートの目の前のグランドスタンドで、スタートやゴールを見て速さや迫力を体感したり、コーナー近くの席でライダーたちのバトルを楽しんだり、全体が見渡せるエリアや、セッションの様子を見ることができるビッグスクリーンの近くでレースの流れを眺めたりと、セッションやレースごとに見る角度や楽しみ方を変えることができます。

 私のお気に入りは、パドックから直接行くことができる裏ストレートエンドのスタンド席です。裏ストレートから最終コーナー手前まで、バトルの多い後半セクションを見渡すことができます。

 また、レース後にすぐに表彰台を見に行くこともできたので、決勝レースはほとんどを裏ストレートエンドのスタンド席で観戦していました。スクリーンはありませんが、私は有料のアプリでライブ配信を見ることができていたので問題はなく、実況も明瞭に聞き取ることができる場所でした!

 さて、SBKの大きな魅力はファンとライダーたちとの近さです。過去2年はコロナ禍で規制がかかっていたようですが、今年はどのサーキットでも基本的にパスを購入すれば、誰でもパドックに入ることができます。

 パドックショーと呼ばれるステージや、予選やレース後トップ3のライダーがインタビューなどを受けるパルクフェルメ、さらには表彰台まで、パドック内で見ることができるのは、現地で観戦するファンにとってすごくうれしいポイントです。

 表彰式の後は、国際映像のカメラが回っていないところで、ミニトークショーとして、ポディウムライダーのインタビューがファンに向けてもう一度行われます。ここで母国スペインのライダーはスペイン語で話し、その他の国のライダーもスペイン語で何か話すように求められ、簡単なスペイン語を披露して観客は大盛り上がり……と、現地ならではの光景を見ることができて幸せでした!

 メインのトークショーは土曜日のセッション終了後にあり、各クラスのポールポジション(予選1位)獲得ライダーと、レース1中にファステストラップを記録したライダーが呼ばれます。

 このSBK第8戦スペイン開催の少し前に、PS4のWorld SBKを模したゲーム『SBK 22』が発売されたようで、今回はインタビューのほかに、登壇したライダー全員がそのゲームに挑戦する企画が行われていました。

 SBKのバウティスタ選手やレクオーナ選手は、1コーナー目から転倒していましたが、下位クラスのライダーたちは若いからかゲームも上手でした。ライダーたちのわちゃわちゃした様子も見ていて面白かったです!

 メインのトークショーの後、各クラスのライダーが10数人ずつ集められ、ひと言インタビューと写真やサインなどのファンサービスをする時間が設けられていました。

 今回が初めての取り組みだと司会者が言っていましたが、ピットウォークとは別でライダーの露出やファンとの交流ができる時間があるのは、ファンにはもちろんのこと、ライダーにとっても嬉しいものだろうなぁと感じました。

 レースに関してもサラッとお伝えします。最高峰のWorld SBKでは、ホンダのイケル・レクオーナ選手が初めてのポールポジションを獲得。レースはレース1、スーパーポールレース、レース2のすべてでアルバロ・バウティスタ選手が独走優勝を飾り、ポイントランキングでも2位のトプラック・ラズガットリオグル選手と59ポイント差のトップを獲得。スペイン人ライダーの大活躍に地元ファンの盛り上がりは凄まじいものでした。

 絶対王者のジョナサン・レイ選手は2位、2位、4位。昨年度チャンピオンのラズガットリオグル選手は5位、4位、3位と苦戦気味でした。それに代わり、ヤマハのギャレット・ガーロフ選手やドゥカティのマイケル・ルーベン・リナルディ選手などが活躍し、表彰台は少し珍しい顔ぶれとなっていました。

 WSSPではドミニク・エガーター選手がスーパーポール、レース1、レース2すべてを制覇。表彰台の面子は、レース1ではロレンソ・バルダッサーリ選手とジャン・オンジュ選手、レース2ではオンジュ選手とステファノ・マンツィ選手、とMotoGP参戦経験がある選手が独占していました。

 レース2は、コーナーが複数見えるスタンド席で観戦していたのですが、トップ3台で終始バトルが続き、とても見応えがあるレースでした。

 そして、WSSP300では日本人の岡谷雄太選手が、レース1で自身二度目となる優勝を達成。現地で日本人の強いレース、そして感動的な表彰台を見ることができました。

 レース1は岡谷選手、アルバロ・ディアス選手、マルク・ガルシア選手、レース2ではビクター・スティーマン選手、ヒューゴ・デ・キャンセリース選手、ミルコ・ジュナイ選手と、レース1、2でまったく違うライダーが表彰台に登りました。

 このクラスのレースは10数台の集団でトップ争いをすることが多く、作戦やここぞというときの強さがキーになるため、展開がとても面白かったです。

 今回のSBK第8戦スペインは、私が今住んでいるバルセロナからサーキットが近いこともあり、移動や過ごし方がとても快適でした。MotoGPのお祭りのような雰囲気とは違い、パドックも観客席ものんびりとしている印象でした。ですが、レース内容もパドックでの時間もとても面白かったです。レースの間の時間も飽きない工夫がたくさんあって、満足度が高かったです。

 ラウンドによってチケットシステムが異なりますが、SBK第8戦スペインのチケットは3日間通し、パドック入場とピットウォークがついて59ユーロ(約8,000円)でした。先日観戦したMotoGP第15戦アラゴンGPでは、指定席の観戦席チケットのみで112ユーロ(約16,000円)だったことを考えると、約半額で世界最高峰のレースを見ることができるのは、めちゃくちゃお得です!

 今週末はSBK第9戦ポルトガル(ポルティマオ)ラウンドが開催されます。もちろん、私も観戦に行きます。そして、なんと、バイクでリスボンから3時間かけてサーキットに向かう予定です。ヨーロッパでの初ツーリングです。ひとりなので、ちょっとだけ不安もありますが、全力で楽しんできます! それではみなさま、¡Hasta Pronto!

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