2024年のMotoGPチャンピオン争いを繰り広げているフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)だが、最終戦バレンシアGPが強行された場合、欠場も辞さない覚悟だという。
スペイン・バレンシア州では10月29日に記録的な豪雨による洪水で、多数の死傷者・行方不明者を伴う被害が発生した。
■MotoGP、豪雨被害のバレンシアでの最終戦開催を最優先か。開催スケジュール変更の可能性も
そしてバレンシアではMotoGPの最終戦が11月15~17日に予定されている。サーキットには被害が無かったが、アクセス道路は被災しており、予定通り開催できるかは不透明な状況となっている。
ただ運営側はバレンシアでの最終戦開催を優先事項と捉えているようで、日程を延期しての実施も考慮しているようだ。
しかし6度のMotoGPチャンピオンであるマルク・マルケス(グレシーニ)からは地域が被災する中、最終戦に対し「倫理的に言えば開催すべきではない」と言った厳しい声も聞こえてきた。
バニャイヤはマルケス同様に、バレンシアでの最終戦開催に固執することに対して倫理的な懸念を表明しているライダーのひとりだ。彼はこの件で強固な姿勢を示しており、もしバレンシアで最終戦を行なう場合、今シーズンのタイトルを失うことになったとしても、レースを”ボイコット”するつもりだと語った。
「タイトルを勝ち取るという、僕にとっての究極の目標を失うことになったとしても、僕はバレンシアでのレースを走るつもりはない」
マレーシアGPでバニャイヤはそう語った。
「倫理的に、そして今起こっている事実を考えれば、そうする(バレンシアで開催する)のは正しいことではないというのを、彼らが考慮してくれればと強く願っている」
なおバニャイヤはマレーシアGP初日のFP1とプラクティスでどちらもトップタイムを記録し、素晴らしい滑り出しを見せた。
ただ17ポイント差でランキング首位となっているホルヘ・マルティン(プラマック)とのタイム差は、プラクティスでは0.05秒とわずかなものだ。
バニャイヤは「1年を通じて、ホルヘとはこういった互角の戦いを繰り広げてきた。こういった戦いには慣れているからね」と語っている。
また初日にトップタイムをマークしたのは、心理的な戦略のためだったのかと尋ねられたバニャイヤは、こう答えた。
「金曜日のセッションの両方でトップを目指して走るのは難しいよ」
「これまで僕もアッセンでしかやったことがないんだ」
「ホルヘが(プラクティスで)クラッシュしたけど、僕はその状況が原因だったとは思っていない。プレッシャーは常にかかっているし、普通のことだ。それに僕らの目標は勝つことであって、誰かを威圧することじゃない」
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