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アウディの元イタリア王者がポール・トゥ・ウイン。ダンプ路面でFL5型シビックも初優勝/TCRヨーロッパ第2戦

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アウディの元イタリア王者がポール・トゥ・ウイン。ダンプ路面でFL5型シビックも初優勝/TCRヨーロッパ第2戦

 ベルギーのゾルダーにて5月17~19日に開催された2024年TCRヨーロッパ・シリーズ第2戦は、今季シングルカー体制に縮小の新体制に移行したコムトゥユー・レーシングのTCRイタリア“3冠”ニコラ・バルダン(バルダン・グループ・バイ・コムトゥユー/アウディRS3 LMS 2)が、オープニングヒートでポール・トゥ・ウインを達成する結果に。

 続くレース2は難しいダンプ路面の条件を逆手に取り、リバースポールから逃げた“伏兵”レベンテ・ロソンツィ(ALMモータースポーツ/FL5型ホンダ・シビック・タイプR TCR)が欧州シリーズ初勝利を飾っている。

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 混走とはならなかったものの、新生『FIA TCRワールドツアー』との併催で実施された4月の開幕戦イタリア・ヴァレルンガでは、2022年王者フランコ・ジロラミ(モンラウ・モータースポーツ)とオーレリアン・コンテ(SPコンペティション)が両ヒートをワン・ツーで制するなど、今季より本格デリバリーが開始された新型クプラ・レオンVZ TCRがシリーズデビューウインの猛威を振るった。

 そんな結果も後押ししたか、このゾルダーの週末にはジロラミとヴィクトル・ダビドフスキー擁するモンラウ・モータースポーツは3台目の投入を決断し、そのレースシートにはかつてのファクトリードライバーであるジョルディ・ジェネの息子、エリックを招聘した。

 一方、ホンダ陣営の新興チームとして今季鳴り物入りのプログラムで世界戦と欧州戦を追うゴート・レーシングは、2021年スペイン耐久選手権のTCRクラスで優勝した20歳のサンティアゴ・コンセプシオンを起用し、これでチームのFL5型ホンダ・シビック・タイプR TCRもルベンとフェリペのフェルナンデス・ペアに加え、セルビア出身のドゥサン・ボルコヴィッチを含む4台体制となった。

 迎えたレースウイークはフリー走行こそ両セッションともにコンテのクプラが最速を記録し、今週も新型モデルの独壇場かと思わせたが、続く土曜の予選では今後のカスタマーサポート体制縮小が予定されるアウディが奮闘。Q1、Q2ともにバルダンがトップタイムをマークし、自身初のヨーロッパ・シリーズ最前列を射止めた。

 そのまま現地16時15分にスタートしたレース1は、フロントロウを分け合ったコンテに対しオープニングラップで0.558秒の差を築いたバルダンがレースを支配。14周を走破し、自身参戦30戦目にしてTCRヨーロッパ初優勝を手にした。

■レコードライン以外はウエットの難条件をロソンツィが初優勝
「この勝利を長い間待っていた。今日は自分でも勝利を期待していたし、最後に勝ったのは2018年でそれ以来は多くの不運に見舞われてきたからね」と喜びを語った大ベテラン。

「チームと地元のファンの皆さんに感謝したいし、これが新たな章の始まりになることを願っている。ここはコースが狭くて追い抜くのが難しいし、天候を考えると明日は難しいことになるだろうが、最善を尽くしたいと思っている」

 前日勝者がそう予想したとおり、明けた日曜のレース2は午前中に降り続いた雨の影響が残り、レコードラインを除いてウエットという難しい条件でレースが始まった。

 このダンプ路面を味方につけたのがリバースポールシッターのロソンツィで、過去14戦で8位以上は未経験という今季JASモータースポーツのジュニア人材プログラム(ドライバー・ディベロップメント・プログラム/DDP)生は、オープニングでフェリペ・フェルナンデス(ゴート・レーシング/FL5型ホンダ・シビック・タイプR TCR)とジョバンニ・スカマルディ(SPコンペティション/クプラ・レオンVZ TCR)に先行を許しながらも、シケイン立ち上がりで逆襲に転じリードを奪い返す。

 この攻防でドアを閉められた同陣営のフェルナンデスはハーフスピンを喫し、ダビドフスキーやコンテの進路を塞いでコースアウトを誘発する展開となる。さらに8周目にはクプラの2台がグラベルに捕まり、ここでセーフティカーが発動する。

 レース距離延長の16周決着に向け、リスタート直後は首位攻防戦にも動きが出たが、一時的に背後のジロラミにリードを明け渡したロソンツィは冷静な対処を見せ、最初のシケインの手前でそれを取り戻すと、3番手ルベン・ヴォルト(ALMモータースポーツ/FL5型ホンダ・シビック・タイプR TCR)もスリーワイドでジロラミを仕留めてFL5型ホンダ・シビック・タイプR TCRがワン・ツー体制を確立。そのまま僚友を0.583秒差で引き連れたロソンツィがシリーズ初優勝を飾る結果となった。

「土曜日のドライではかなりまともなペースだったから、今日はポジションを獲得するだけで充分だとわかっていた」と落ち着いたコメントで戦線を振り返ったロソンツィ。

「今日に向けた戦略は明確に分かっていた。序盤でポジションを失ったが、戦って先頭に戻ることができたのも良かったね」

 これで3位ジロラミが補償重量を降ろしつつコンテと並ぶ同率選手権首位としたTCRヨーロッパ・シリーズ。続く第3戦は5月31~6月2日にオーストリアのザルツブルクリンクで争われる。

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