マクラーレンのボス、ザック・ブラウンは、ハースとフェラーリの関係に代表されるF1の「Bチーム」ビジネスモデルについて、そうしたコンセプトを採るチームは、選手権コンテンダーとしては「タオルを投げ入れた」も同然との見解を示した。
アメリカを本拠地とするハースは、2016年のグランプリレーシング参入に先立ってフェラーリと技術提携契約を交わし、「ノンリステッドパーツ」をマラネロから購入している。ノンリステッドパーツとは、エンジン、ギヤボックス、サスペンションエレメントなど、チームが独自に製造することを要求されないコンポーネントだ。
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こうした提携関係は、レギュレーション上は文句なしに合法だが、昨年一部のチームがこれに対して抗議の声を上げた。そのようなアプローチは、ハースのコンストラクターとしての正当性が疑われるばかりでなく、解消が強く求められているF1の「2つの階層」の固定化につながるリスクもあるからだ。
ブラウンは、ハースの「クレバーな手法」のメリットを認めながらも、F1の首脳とFIAに対し、こうした「Bチーム」モデルの制限を求めている。
■「“Bチーム”を持つビッグチームのメリットは看過できない」とブラウン
「ハースは、彼らのリソースに限りがあり、しかもレーシングチームとして設立されてから日が浅いことを考えるならば、本当に見事な仕事をしてきたと思う。彼らがあげた実績は認めざるをえない」と、マクラーレン・レーシングのCEO、ブラウンは述べた。
「だが、こうした『Bチーム・ビジネスモデル』に対して、リバティは何らかの策を講じるだろう。Bチームを持つビッグチームが、ますます有利になっていくのは間違いないからだ」
「彼らは技術的な面のみにとどまらず、政治的な面や、2018年に何度か見られたコース上での疑わしい動きに至るまで、ありとあらゆる面で利益を得ている」
「そうしたシナリオは、F1のあるべき姿とはかけ離れており、このスポーツの健全性を保つためにも変える必要があると思うし、また実際に変わっていくだろう」
「リバティの計画には、それが盛り込まれている。つまり、Bチームの問題への対処と、Bチームには何が許されるかの基準の見直しだ」
実際のところ、Bチームのアプローチでは、当事者の双方に技術的、財政的なメリットがある。しかし、ブラウンはその点を認める一方で、そこにはある大きな問題点が存在すると指摘した。
「私たちの考えでは、BチームがAチームと競り合えるようになることはありえない。このビジネスモデルを採ることで、短期的にはより早く一定の競争力を得られるだろうし、財政面でも楽になるかもしれない。だが、Aチームには勝てないと決まっているなら、Bチームは選手権を争うことを放棄したも同然だ」と、ブラウンは言う。
「つまり、Bチームのステータスを受け入れた時点で、選手権コンテンダーとしてはリングにタオルを投げ入れたことになる」
「この新しいF1の世界において、全てのチームがより平等な条件で、公平かつ対等な立場で選手権を争えるように、リバティが必要な手を打つことが重要だと思う」
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