ミック・シューマッハー、2014年にメルセデスのシミュレータを”秘密裏に”ドライブしていたと明かす「チームのそれ以来の進歩は計り知れないモノ」

　メルセデスは、2023年からミック・シューマッハーをリザーブドライバーとして起用することを発表した。これにより、ミックの父であるミハエル・シューマッハーがF1を引退して以来、11年ぶりにシューマッハーの名前がメルセデスに戻ってくることになる。

　シューマッハーは2021年にハースからF1デビュー。しかし2023年の同チームのシートを確保することができず、フェラーリ・ドライバー・アカデミーとの契約も終了することになった。そのシューマッハーにとっては、メルセデスに加入するのは次なるステップを踏み出すということを意味する。

　シューマッハー家とメルセデスの付き合いは長い。ミハエル・シューマッハーは1991年のベルギーGPでF1デビューする前には、メルセデスのスポーツカーチームに所属し、ル・マン24時間レースに出走するなどした。その後1回目のF1キャリアではメルセデスと共に戦うことはなかったものの、2010年にはメルセデスからF1に復帰。3シーズンにわたってF1を走った。また叔父にあたるラルフ・シューマッハーも、DTMでメルセデスのマシンを走らせた。

「僕の父は2010年から2012年まで、このチームの一員だった。そして、明らかに今日のチームの多くの基礎となった」

　そうミック・シューマッハーは語った。

「僕は今、その一部であることを非常に誇りに思っている。彼らが前進するのを手助けし、僕が持っている知識でそれに貢献できることを願っている」

　そう語るシューマッハーは、2014年に秘密裏にメルセデスのファクトリーを訪問。F1シミュレータを試したことがあったと明かした。

「最後にここに来た2014年以来、明らかに変化があるよ。僕はその時、ある意味秘密裏にファクトリーを訪れ、初めてシミュレータを試したんだ」

「チームの成長は計り知れないほどだ。それは、チームが今のポジションにいることを裏付けていると思う。だから、そこに加わることができて嬉しいし、もっと色々なことを見て、多くの人と知り合うことができることにワクワクしている」

　シューマッハーは来季、ストフェル・バンドーンとニック・デ・フリーズから、メルセデスのリザーブドライバーの役割を引き継ぐことになる。バンドーンはアストンマーチンのリザーブドライバーとなり、デ・フリーズはアルファタウリからF1フル参戦デビューを果たすことになっているのだ。

　シューマッハーはそんな中で、2022年から導入された新世代のF1マシンでレース経験を持つ、数少ないリザーブドライバーのひとりということになろう。そのことが、メルセデスのメリットをもたらすことができるはずだと、シューマッハーは考えている。

「新世代のマシンをドライブしてきたリザーブドライバーがいるというのは、それほど一般的なことにはならないと思う」

　そうシューマッハーは語った。

「僕は新しいタイヤのことを知っているし、新しいクルマがどんなモノか、ドライビングスタイルの面で何が必要かを知っている。だから、チームに貢献できることを願っている。ドライバーが外部からのどんなサポートを求めているかを見極めることができるし、シミュレータ作業は非常に重要になると思う」

「僕らにはやるべきことがたくさんあるけど、自分が持っている知識で貢献できることを願っている。そして、残りのキャリアと人生で使うことができる多くの知識を得ることができれば、とても嬉しいね」