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FRアメリカズ参戦を目指す日本人、沼田拓海がマカオGPでキウイ・モータースポーツに帯同

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FRアメリカズ参戦を目指す日本人、沼田拓海がマカオGPでキウイ・モータースポーツに帯同

 11月14日から開催されている第71回マカオグランプリのメインレースとなるフォーミュラ・リージョナル・ワールドカップ。同レースにアメリカから参戦するキウイ・モータースポーツのピットに若手日本人ドライバー、沼田拓海の姿があった。

 アメリカのチームに帯同する沼田に、マカオグランプリを訪れたきっかけや、今後目指すレースキャリアについて聞いた。

第71回マカオグランプリ 映像配信&タイムスケジュール

 沼田は現在20歳。17歳からレーシングカートに挑戦し、今年アメリカで開催されているFIA F4の型落ち車両を用いて開催されているリジェJS F4の最終戦にキウイ・モータースポーツから参戦し、4輪レースデビューを飾ったドライバーだ。
 
「2025年のフォーミュラ・リージョナル・アメリカズ参戦を計画しており、同時に来年のマカオグランプリのFRワールドカップにも参戦したいというのがきっかけです。幸運にも自分がリジェJS F4を戦ったキウイ・モータースポーツがマカオグランプリに参戦すると聞き、来年マカオグランプリを戦う準備として帯同することにしました」と、マカオを訪れた経緯を話した沼田。

 沼田はサーキット・オブ・ジ・アメリカズで開催された今年のリジェJS F4最終戦の3レースに参戦。これが初の四輪レースとなったが、19台が参戦するなか、レース1では8位、レース2では9位、レース3では4位という成績を残した。

「F1に参戦するフェルナンド・アロンソ選手のマネジメント会社のサポートを受けるドライバーなど、型落ちの車両とはいえドライバーのレベルは高いシリーズでした。2024年からアメリカF4の車両が新型に変わったので、金銭的な理由でリジェJS F4を選んだドライバーも少なくはありませんでした」

「出る前は優勝を目指していましたが、実際に走り始めると厳しかったです。ただ、セッションを進めるごとにラップタイムも順位もどんどんと上げることができました」

 17歳からレーシングカートを始めた沼田だったが、自身の成績や金銭面を理由にレーシングカートを2年で止めることに。ただ、それでもモータースポーツへの挑戦は諦めきれず、レーシングシミュレーションサービス『iRacing』に取り組んだ。

 そんななかで『iRacing』内で12週間で行われるFIA F4カテゴリーにおいて日本2位を獲得。同シリーズには国内トップカテゴリーに参戦するドライバーや、自動車メーカーの育成プログラム所属ドライバーもいるなかでの国内2位だった。

 シミュレーター上のFIA F4で好成績を残した沼田は単身渡米し、リジェJS F4の最終戦にスポット参戦することに。レーシングカートの経験はあってもフォーミュラカーは初めて。それもレースウイーク前に3日間しかテストの機会もない状況でのレースだった。

 レースウイークも含め、実車での走行経験は6日しかない沼田だが、来季はフォーミュラ・リージョナル・アメリカズへの参戦するべく準備を進めているという。

「サーキット・オブ・ジ・アメリカズでのレースウイークが終わったあと、チームのホームコースでフォーミュラ・リージョナルのテストに参加しました。そこでかなり評価の高いドライバーと一緒だったのですが、そのドライバーとも遜色ないタイムを記録でき、『これはいける』という手応えがありました」と沼田。

 なお、アメリカでのステップを歩み始めた沼田だけに、インディカーをはじめとするアメリカンレース志望かと思われたが、「実は目標はヨーロッパです」と語る。

「自分のような育成プログラムにも所属していない、キャリアの少ないドライバーがいきなりヨーロッパに行って、実績を重ねられたというケースを、僕が調べた限りでは見つけられませんでした」

「海外ではレースがしたいですが、いきなりヨーロッパへ行ってもレベルが高すぎると思い、いろいろ探したなかで見つけたのがアメリカでのステップアップでした」

 中高生時代は英語が苦手だったと明かしてくれた沼田だが、現在はチームとのコミュニケーション、交渉も問題ないレベルだった。これも世界を目指す上では欠かせないスキルだ。

 今回マカオグランプリに帯同し、初めてマカオを訪れたことで改めて刺激を受けたという。

「周りにF1チームの育成のドライバーや、FIA F2に乗るドライバーもいるなかで、自分がiRacingで戦ったことがあるドライバーもいて、ある意味身近に感じることもありました。すごいドライバーたちとオンラインで戦ってきたんだなと思うと同時に、1年経験を積んでここに来ることができれば、彼らともいい勝負ができるのではないかという自信もあります」

 レースキャリアの少なさを、それ以外の行動で積極的に補う姿勢を見せた沼田。胸の内に秘める自信を結果に繋げるためにも、2025年のフォーミュラ・リージョナル・アメリカズ参戦が実現することを楽しみにしたい。

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