レッドブルジュニアチームには現在、岩佐歩夢(FIA F2)、佐藤蓮(スーパーフォーミュラ)、荒尾創大、野村勇斗(共にフランスF4)と4名の日本人ドライバーが所属している。中でも岩佐は、F1直下のカテゴリーのFIA F2に参戦しており、最もF1に近い位置にいる日本人ドライバーと言える。
そんな岩佐を近くで見て来た関係者のひとりが、昨年までホンダのF1マネージングディレクターを務め、今季もレッドブル・パワートレインズ(RBPT)との提携で定期的にグランプリを訪れている山本雅史氏だ。彼は7月にもシルバーストンでのイギリスGPとレッドブルリンクでのオーストリアGPに出向き、RBPTのアドバイザー・アシスタント業務の傍らで、岩佐と食事をしたりコミュニケーションをとっていたという。
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今季からF2にステップアップした岩佐は、カタルニアのレース1で初表彰台。山本氏が現地に出向いたシルバーストンでも、レース1で2位表彰台を獲得してみせた。また予選でも、ここまでの8ラウンド中5ラウンドでトップ6に食い込むなど速さを見せているが、レースでコンスタントに上位入賞することはできておらず、現在ランキング13番手となっている。
岩佐のここまでのパフォーマンスについて、レッドブルの若手ドライバー育成を取り仕切るヘルムート・マルコ氏はどう評価しているのか?
「F2のレースが終わった後、レッドブルのモーターホームで僕と岩佐君がミーティングをしたり、コーヒーを飲んだりしていましたが、そこにマルコさんが来て、言葉をかけていました」と山本氏は語る。
「もちろんポジティブな言葉もあるし、ここはこういう風にすべきじゃないか、という話もありました。雑談もしていたし、すごく良い雰囲気でしたよ」
山本氏曰く、岩佐が表彰台を獲得したシルバーストンではマルコ氏からポジティブな言葉が多く聞かれ、「良くやった、良いレースだった」と声をかけていたという。
ただ、岩佐がF1にステップアップする上であと一歩必要な要素が浮き彫りになったレースもあった。それはモナコとバクーでの市街地2連戦。ここでの2大会で岩佐は、接触などで歯車が噛み合わないレースが続き、1ポイントしか獲得できなかった。
この2連戦について、山本氏はマルコ氏の評価も交えながら次のように話した。
「マルコさんはチームのパフォーマンスも見てくれていて、そのチーム力の中で、最大限を引き出して速さを発揮できているかを見ています。岩佐君はそこはできているけど、速いだけでは結果には繋がらない、という話をしていました」
「例えば、アゼルバイジャン(での接触)は前のマシンの動きも考えると不可抗力でした。とは言え、マルコさんは『本当に色々と熟知しているプロドライバーなら当たらない』とも言っていました」
「速さがないドライバーは次のステップに行けないということは、マルコさんが常々言っていることですが、レースはスポンサーや色んな人の協力があるので、リザルトを残すことも当然必要です。プロドライバーとしてそのレースをどう戦い抜けるか、というところまで求められるので、厳しい世界ですね」
今回のインタビューを通しても、岩佐の持つスピードはマルコ氏からも確かな評価を得ていることが分かる。これは大いにポジティブなことだが、マルコ氏もリザルトを度外視している訳ではない。将来的にF1シートを手にするためには、F1参戦に必要なスーパーライセンスポイントを満たすという点においても、速さをいかに結果に繋げるかという点が重要になってくるだろう。
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みんなのコメント
てかツノダーがいる限りは、レッドブル2軍も難しい
トヨタはカネの使い道に困ってるんだから、小山町を買ったりしてないで F1にカネばら撒けばいいのに。
WRCも結局外人頼みでドライバーを育てる気がないんだよね。