全日本スーパーフォーミュラ選手権第6戦岡山の決勝レースを終え、初優勝を飾った山下健太(KONDO RACING)、2位の中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM'S)、3位のハリソン・ニューウェイ(B-Max Racing with motopark)、そして優勝チーム監督の近藤真彦氏がトップ3会見に臨み、レースを振り返った。
■山下健太(KONDO RACING)/決勝 優勝
「3年参戦してきて、今年勝たないと迷宮入りするような気がしていたので、勝ててホッとしています。今年からクルマが新しくなり、僕らはQ1を通るのにすごく苦労していたのですが、チームがすごく頑張って(データなどを)解析してくれて、今回の大会で1段階クルマが良くなり普通に走って上位争いできるようなクルマにしてもらいました」
「あとは自分がうまく走るということと、今のスーパーフォーミュラでは戦略が重要なので、ソフトタイヤとミディアムタイヤのどちらでスタートするかの2択ですごく迷いましたが、ミディアムを選んで正解でした。運が良かったなと思います」
「(スタートタイヤにミディアムを選んだことについて)事前にミディアムでスタートすると決めていました。平川(亮/ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)選手はソフトでスタートするだろうと考えていたので、同じソフトでスタートしても、スタートで抜かない限り(前に出る)可能性は少ないと思っていました。そう考えるとミディアムしかないな、と。いろいろと考えたのですが、今回はラッキーなレースだったと思います」
「逆にソフトを選択していたら(後方に)沈んでいたと思うので、正解でした。そこに関しては運なので、ソフトが正解だったかもしれないし、こういう展開にならなかったかもしれない。本当に運だと思います」
「レース前の段階ではチャンピオンがかかっていたわけでも、守りに入る立場でもなかった。一発逆転を狙いにいくのであれば、トップと逆のことをやらないといけないというのは今のスーパーフォーミュラを見ていればよくわかることなので、昨日の夜からミディアムでいいかなと思っていました」
「(セーフティカーが入ると聞いて)『来たな』と。すごく良いタイミングでピットに入ってしまったので、『今日は持っているな』と思いました」
「(平川選手とのギャップについて)それほど(タイヤの)コントロールはしていませんが、(平川選手が)ソフトで長く走るというのはわかっていたので、無理をしないように走っていました。今年のタイヤは滑り出してしまうと劣化に繋がるので、それだけは気をつけていました。遅く走っていたわけではないですが、若干絞って走っていました」
「(後方から1秒前後の差で中嶋選手が迫って来たことについて)岡山は抜きにくいので、同じタイヤの場合、抜くポイントというのはバックストレートのヘアピンしかない。そこに至るまで、最終コーナーの手前から空力が重要なコーナーばかりで、自分が多少ミスをしても(相手が)全然着いてこれないのが現状です。自分の方が遅くても抜かれることはないかなと思っていました」
「(初めてトップチェッカーを受けた時の気持ちは?)うれしかったです。3年間、どちらかというと僕は結果が出なかった方だと思うので、その状況でもずっと支えてくれたチームと監督に感謝しかないです」
「スーパーフォーミュラでは初年度にポールポジションを獲り、すぐ勝てるだろうなと思っていましたが、全然甘くなくて、どんどん時が過ぎてしまった。でもここで勝ててようやく次のステップに行けるような気がします」
■近藤真彦監督(KONDO RACING)
「おかげさまで1勝を挙げることができました。健太を預かって3年目になりまして、いつでも勝てる速さがあるので勝たせてあげたかったのですが、なかなか良いクルマを仕上げられずに苦労させてしまいました。やっと優勝させてあげることができてホッとしております。『やった!』『うれしい!』という気持ちよりも、ホッとした気持ちの方が大きいです」
「皆様には(山下選手は)速さのあるドライバーだとご理解いただいていると思いますが、もっと速さを磨いて、次のレースでも、また来年も一緒にやれるようであれば来年に向けても、日本を代表するトップドライバーになってもらえるように努力していきたいと思います」
「(チームにとって久しぶりの優勝について)健太とは年が離れているので若干親の気持ちというか、ホッとしました。やっと一流のドライバーにしてあげられたな、という感じです」
「(ミディアムタイヤのパフォーマンス改善について)毎戦レースを振り返って、エンジニアとデータエンジニアが、何が悪いのかということを分析しました。Q1をミディアムで突破するというのはどのチームにとってもでテーマだと思いますし、今回はそこに標準を当てていました」
「金曜日のフリー走行を見ても、TOM'Sも同じようにずっとミディアムで頑張っていました。Q1を突破しないことには、特にこのレース、このサーキットはどうにもならないので。次の鈴鹿もそれほど苦手ではないので、なんとかQ1を突破して、良い成績でゴールさせてあげたいなと思います」
■中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM'S)/決勝 2位
「僕も山下選手と同じで、今年はなかなかQ1を通るのに苦労していました。今回は金曜日の走りだしもよくなかったのですが、金曜日から土曜日にかけて変えたことが良い方向にいったのか、ミディアムタイヤでも戦える速さがありました」
「予選で前に行くことができたので、結果的には予選のポジションが結果に直結したような感じです。少し悔しくもありますが、ここまでずっと苦労してきたので、まずはある程度の結果を出せてホッとしています。いつも山下選手が前にいるようなので、最終戦は負けないように頑張りたいと思います」
「(山下選手とのギャップについて)セーフティカーランが終わってからは、こちらの方が少しペースに余裕はあったのですが、その先が長いというのもわかっていたので、最初はそれほど無理をしないでいいと思っていました」
「ですがトップとの差が開いてしまったので『このままいくとまずいな』と思い、途中で少し速く走って差を詰めにいこうとしたのですが、そこでタイヤを使ったかなという印象です。最後はペース的に厳しかったです」
「結果的にトップも(ペースが)落ちてきて差の開きはなくなりましたが、最後まで気を抜けないので、そういう意味では疲れるレースだったなと思います」
■ハリソン・ニューウェイ(B-Max Racing with motopark)/決勝 3位
「まずは山下健太選手、中嶋一貴選手におめでとうと言いたい。一緒にポディウムに上がることができてとても光栄に思っている」
「今年を振り返ってみると、運も良くなくて、こうしてポイントを獲得することもできず、ずっと苦戦していた。いろいろな問題を抱えていたけれど、チームが朝早くから夜遅くまで本当に一生懸命に良いクルマを仕上げようと頑張ってくれたので、彼らにもとても感謝しているよ。素晴らしいクルマにまとめて、今回ポディウムに上がれたことを光栄に思う」
「スポンサーのみなさん、B-Maxのみなさん、そして日本のファンのみなさんは最初から僕のことをとても暖かく迎えてくれて、本当に最高だよ。ありがとうとお礼を言いたい」
「(F1に帯同せず、岡山へ来た父エイドリアンの反応について)今でも父はレッドブルに深く関わっているが、毎戦(F1に)行くわけではない。今シーズンのスーパーフォーミュラに関しては開幕戦に来て、今回も来てくれた。レースが終わって、ポディウムから父の笑顔が見えたのでうれしそうにしているなと思ったし、ハグをしてくれて『よくやった』と言ってくれたよ」
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