ヘレス・サーキットで開催されているスペインGP。2日目のスプリントレースで勝利を目前に転倒したグレシーニのマルク・マルケスは、「レースの最も簡単な部分でクラッシュしてしまった」と振り返った。
今季、ホンダ陣営からドゥカティ陣営に移籍したマルケスは、ウエットコンディションの中行なわれた予選でポールポジションを獲得。全12周のスプリントレースも先頭からスタートを迎えた。
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マルケスはスタートで3番手にポジションを落としたものの、KTMのブラッド・ビンダーとプラマックのホルヘ・マルティンを抜き返して、7周目にはトップに返り咲いた。
9周目に入るとマルケスは後続を引き離し、移籍後わずか4戦にしてまずはスプリントレース勝利を挙げるかと思われた。しかし左コーナーのターン9で転倒を喫してしまった。
スプリントでは上位陣に転倒が相次ぎ、マルケスは7番手まで挽回。レース後、他のライダーにペナルティが与えられた関係で、マルケスは最終的に6位となった。
転倒があったものの、ドゥカティでの初勝利に近づいたのではないかと尋ねられたマルケスは次のように答えた。
「(前戦の)オースティンよりは近づいたけど、まだ十分じゃない。あと4周だった。完璧な1日を終えることができなかった」
「でも良かったのは、僕にとってポールポジション獲得という最高の1日になったことだ。ウエットコンディションで僕らが速いというのは分かっているんだ」
「メインの(スプリント)レースで僕らは1番速かったけど、残念ながらレースを(首位で)終えることができなかった。(リードを奪うという)最も難しいことができたのに、レースで1番簡単なところでクラッシュしてしまった」
「でもほとんどのライダーがそうだったように、僕はウエットパッチに乗ってフロントのグリップを失ってしまった。でも毎レース、僕らは勝利に近づいているというのは良いことだ」
スペインGPのスプリントレースでは、多くのライダーが転倒に見舞われるドラマティックなレース展開となり、マルケスが転倒する前にはターン5で同時多発的に3名のライダーが転倒するというアクシデントもあった。
FIMやMotoGP、ヘレスからの公式発表はなく、国際映像ではハッキリと認識できなかったものの、スプリントレースの前に降った雨がアスファルトに染み込んでいたと多くのライダーは報告している。
マルケスはターン9での転倒に繋がったウエットパッチが見えなかったと語る一方で、その周のコーナー進入ではやや控えめに走っていたという。
「レース中、ウエットパッチがあることには気が付かなかった」とマルケスは言う。
「進入時にいくつかウエットパッチがあるのは見えたけど、アクセルを空けていくところには見当たらなかった。実際、あの周は少し早めにブレーキングをしてコーナーのスピードをキープしていた。(ワイドに走ったのは)10cmくらいかな。よくないところに20cmくらいのウエットパッチがあったからね」
「10cmアウトにいったのか、インに寄ったのかどうかは分からない。攻めすぎていた訳ではないから、前のラップでそのウエットパッチをアウト側から抜けていたのか、そのイン側を走っていたかどうかも分からない」
「でも残念ながら、フロントを失った時に持ち直す術はなかった。ただこうなっても7番手でフィニッシュすることができたから良かったよ」
マルケスはアメリカズGP決勝で転倒により勝利のチャンスを逃し、ポルトガルGP決勝ではドゥカティのフランチェスコ・バニャイヤと接触して転倒を喫した。
しかしアメリカズGPで調子を上げて以来、ドゥカティの速さを感じているというマルケスは、直近のアクシデントを気にしていない。
「オースティン以来、メンタル面では十分に強くなったと理解している」とマルケスは言う。
「(今季の)開幕2戦はコンスタントに走って状況をコントロールしようとしていた。オースティン以降、1段階リスクを冒して限界まで攻めている。それでクラッシュすることもあるけど、分かっていることだ」
「みんなは色々と話しているけど、僕には自分のプランがあるし、自分が何をしているのかも分かっている。僕は速いからハッピーだよ。それが今季に向けた主な不安だった。現時点で僕は速いんだ」
「もちろん、一貫性には取り組む必要があるけど、ポルティマオ、オースティン、そしてここでの転倒は、攻めすぎた結果ではなかったというのは良いことだ。いつもコンディションが悪かったんだ」
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