この記事をまとめると
■2023年12月に5代目に生まれ変わった新型スズキ・スイフト
インドじゃ超過酷な使われ方をするスイフトセダンの「ディザイア」! だからこそ日本で発売された新型スイフトも耐久力には期待大!!
■新型スイフトは主に実用面で先代モデルから大きく進化を果たしている
■システム最高出力は先代に劣るがそれを感じることはほぼない
新型スイフトの魅力とは?
スズキ・スイフトはスズキのグローバルコンパクトカーであり、欧州車に匹敵する走行性能を有し、CVTだけでなくMTを用意し、国産スポーツハッチバックモデルの代表格たるクルマのマニアにも絶賛されている、スイフトスポーツをラインアップしてきたのが特徴だ。
そんなスイフトが2023年12月に5代目へと進化。まずはCVTモデルを発売し、2024年1月にはMTモデルを追加している。
では、先代スイフトの標準車のユーザーが、新型に乗り換えるのに値するポイントはどこにあるのか? それが今回のお題である。
1)一段とスタイリッシュになったエクステリアデザイン
エクステリアはどこから見ても「走りの良さを想像させる」スイフトそのものだが、一段とスタイリッシュになったところがポイント。とくにピアノブラック調の立体感あるフロントマスク、エッジの効いたショルダーラインなどに新型らしさがある。
加えて、5ナンバーサイズを維持したボディサイズにもそのスタイリッシュさの秘密がある。先代に対して全長が15mm伸びているが、ボディの大幅な拡大をせずに、エクステリアデザインの自由度を高めているのである。
2)パッケージングは先代同様だが後席の居住性がUP!
スズキの考え方として、新規プラットフォームは2代続けて採用する……というのがある。よって、先代で刷新されたプラットフォームはキャリーオーバー。室内のパッケージングも同様との説明だ。しかし、実際に身長172cmの筆者のドライビングポジションを基準に各所を実測すると、後席の居住性が進化していることが判明。
つまり、前後席タンデムディスタンスや後席ヒール段差(フロアからシート座面先端までの高さ=着座性や立ち上がり性にかかわる)は不変で、筆者の身長、体形であれば決して狭さを感じない後席ニースペースの約160mmも変わらない。が、前後席の頭上方向=ヘッドクリアランスは、先代の前席約190mm、後席約100mmから、新型は同210mm、135mmに拡大。頭上方向に余裕ができているのだ。
開発陣がパッケージは不変……と説明していながら、これいかに、だが、その秘密はルーフの形状の違いによるものだという。
ユーティリティ面での進化が著しい新型スイフト
3)ラゲッジルームは奥行が拡大
ラゲッジルームに関しても、先代同様……との説明を受けたのだが、実際には、荷物の積載性に大きくかかわる奥行だけ拡大していた。先代は筆者の実測でフロア奥行610mm、スクエアなフロア幅1005mm、最低高715mmだったのだが、奥行きのみ660mmとなっていて、荷物の積載性は間違いなく向上していたのだ。
もっとも、後席を倒したときに約150mmの段差ができるところは先代と変わらず、だが……。
4)最大の進化ポイントと言えるのが電動パーキングブレーキの搭載
スズキのクルマはこれまで、いまや軽自動車にも採用されている電動パーキングブレーキが未装備だった。それが昨年にデビューしたスペーシアからついに採用され、ユーザーはもちろん、開発陣の長年の夢がかなったのだ(筆者は以前からスズキの開発陣、社長に直訴していた)。
現時点では最上級グレードのMZのみとはいえ、合わせてこれまた念願のオートブレーキホールド機能までセットで備わったのだから、ある意味、新型最大のセールスポイントとなりうる。当然、電動パーキングブレーキとも連動するACC(アダプティブクルーズコントロール)の使い勝手もよくなる理屈だ。
5)コネクティッド機能の充実も新型らしさ
新型スイフトには、先進運転支援機能のブラインドスポットモニターを含む最新のスズキ セーフティ サポートのほとんどを全グレードに標準装備したほか、SOSコール、スズキコネクトといったコネクティッド機能を採用。一気に現代的装備を搭載したことになる。そうした一方、CDスロットが大々的に残されていて、スイフトの古くからのユーザーに対する配慮にもぬかりなしである。
6)3気筒エンジンへの換装による燃費性能の向上
先代からの買い換えポイントの最後が燃費性能の向上だ。先代はK12C型4気筒1.2リッターエンジンを搭載し、スペックはマイルドハイブリッドモデルの場合、エンジンが91馬力、12.0kg-m、モーターは31馬力、5.1kg-m、燃費性能は最高23.0km/Lだった。それが新型では新設計のZ12E型3気筒1.2リッターエンジンとし、スペックはエンジンが82馬力、11.0kg-m、モーター31馬力、6.1kg-m、燃費性能最高24.5km/Lとなっている(燃費の数値はWLTCモード)。
確かにエンジン単体のパワー、トルクはやや後退しているが、モーターのトルクアップに注目で、実際の走行で3気筒を感じさせるシーンは少なく、なおかつ意外なほどの低速トルクを発揮してくれるから、先代ユーザーが乗り換えても、動力性能、走りやすさの不満はまずないといっていい。
スズキの面目躍如といっていい車体の軽量化技術とともに燃費性能が向上し、その上で、スイフトらしい走りのよさをさらにブラッシュアップしているところもまた、新型に乗り換える大きな意味をもつポイントといえるだろう。
と、多くの面で進化著しい新型スイフトの標準車だが、先代スイフトのマイルドハイブリッドモデルのユーザーで、「その4気筒エンジンが好き」というのであれば、現在乗っている先代モデル(4気筒)と新型(3気筒)のエンジンフィール、走りを、試乗してしっかりと比較してから決断したほうがいいかもしれない。
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みんなのコメント
軽は装備も品質も小型車に劣るぐらいが棲み分け的に丁度いいんだよ。
この垣根をホンダが越えたせいで軽の過剰装備競争と価格アップが始まった。諸悪の根源だね。そして新型NBOXはしれっとコストカットしまくって客をバカにしてる。