「50台限定」の環境仕様車も!
日本車の歴史は浅いとはいえ、独立独歩してから数えても60年ぐらいは経っている。またメーカーの数も世界に類を見ないほど多く、けっこうな数のモデルが登場している。そのなかにはヒットしたものもあれば、鳴かず飛ばずで消えていったものもある。今回は知る人ぞ知る、マニアックなクルマを取り上げてみた。アナタは知っているだろうか?
マニアすらも驚くレアっぷり! しかも安くてイケてる「脱定番」旧車4選
1)スプリンターマリノ(マニア度50%)
まずはジャブ。スブリンターすらも今となっては馴染みが薄くなっているが、カローラの姉妹車。マリノはスプリンター版で、カローラ版はセレスとなる。バブルの余韻も色濃く残っていた1992年に登場した、4ドアハードトップで、当時流行していたサッシュレスを採用。スタイル優先でサイドが寝ていたことなどから、車内は狭かった。マリノは海の意味で、キャッチコピーは「海へ、マリノ」というわかるような、わからないような感じだった。
2)ピスタチオ(マニア度 70%)
1999年に他社に先駆け、三菱が放った環境仕様車がこちら。エンジンは1.1リッターの直4で直噴を採用。MTのみの設定で、アイドリングストップも付いていた。燃費は30km/Lと立派なもので、世界的に見ても当時としてはトップレベル。しかもたったの50台限定だった。自治体などを中心に販売されたため、今ではお目にかかることもない。
3)カリスマ(マニア度80%)
「ナントカのカリスマ」というとなんだか安っぽい感じだが、クルマにもあったのだ。ただし、こちらはCARとギリシャ語で授かりものを表す「カーリスマ」を合わせた造語だった。オランダのネットカーから供給を受けていたもので、ランサーとギャランの間となるニッチなところを狙ったセダンだった。ネットカーとは、ボルボと三菱が提携して作ったメーカーで、カリスマもS40/V40とプラットホームを共有していた。ちなみにランエボの欧州名は、カリスマGTだった。
OEMの先駆けといえるモデルとは⁉︎
4)ジェミネット(マニア度 90%)
スズキといすゞはどちらもGMと提携していて関係が深かった。その関係で、スズキのカルタスバン(商用登録の5ドア)を、フローリアンバン亡き後の穴を埋めるべく、供給してもらったのがジェミネット。2代目となるジャミネットIIは、同じくGMと関係があったスバルからレオーネバンを供給してもらったものだった。
5)ロードペーサー(マニア度 80%)
モータリゼーションを経て、1970年代に入ると裾野が広がった日本の自動車業界。そうなると高級車への進出を各メーカーが目論むことになったが、そうそう作ることができるわけではない。そこで提携先などから調達して、自社ブランドとして販売しようという風潮が強まった。いわゆるOEMの先駆けで、マツダのロードペーサーは、オーストラリアの自動車メーカーのホールデンからHJというモデルを輸入。しかもボディまわりだけで、エンジンはロータリーで、ミッションも日本製を積んでいた。もちろん失敗に終わり、デザインが日本人好みでなかったり、環境対策への苦戦。さらに価格が高すぎるなど、散々だった。
6)ステーツマン・デ・ビル(マニア度 100%)
ロードペーサーパターンのいすゞ版で、こちらもホールデンからの購入で、エンジンはそのままV8を積んでいた。ロードペーサーのベースであるHJとは兄弟車となる。いすゞの場合はGM系列で、ホールデンも同様だったために実現したOEMだったが、マツダはまだフォードと提携していなかったから、ホールデンと契約ができた。全長5m超えの5リッターV8を積んでいて、アメ車テイスト全開だっただけに、まったく売れなかった。ちなみにイメージキャラクターは、ジャック・ニクラウスだった。
番外編)VW タロ (マニア度 100%)
タロはTAROで、もちろん日本の太郎が由来。天下のVWにそんなふざけた名前のクルマがあったのか!? と思うかもしれないが、トヨタのハイラックスのOEM車がタロだ。登場した1989年にはトヨタとVWは提携していたため、実現したものだった。もちろんあまり売れなかった。
※写真はトヨタ・ハイラックス
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×ジャミネットII ○ジェミネットII
通学路の駐車場にmazdaのエンブレムが付いた変な外車がいつも止まってたって記憶で強烈に印象に残ってる。