現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 「輸入車は維持費が高いからなぁ……」って噂は本当? 実際の金額を国産車と輸入車で比較シミュレーションしてみた!

ここから本文です

「輸入車は維持費が高いからなぁ……」って噂は本当? 実際の金額を国産車と輸入車で比較シミュレーションしてみた!

掲載 113
「輸入車は維持費が高いからなぁ……」って噂は本当? 実際の金額を国産車と輸入車で比較シミュレーションしてみた!

 この記事をまとめると

■似たような車種で維持費を比較

発売直後のド新車が中古車屋に並んでる……ってなぜ? 転売以外にも理由があった「すぐ手放すオーナー」の事情

■輸入車は国産車に比べて維持費が高いと言われている

■輸入車は金額で比べると国産車の1.5~2倍くらいコストが掛かる

 輸入車は本当に維持費が高い?

「輸入車は国産車と違って維持にカネがかかる」というのは、多くの人がなんとなくイメージしているところだろう。

 だが本当にそうなのだろうか?

 いやもちろん、ランチア・デルタHFインテグラーレの中古車を買った場合と新車のトヨタ・カローラを買った場合の維持費用では天と地ほどの差がある。

 だが、”いまどき”の新車同士で比較するのであれば、最近はあまり差がなかったりもするのではないか? もちろん輸入車のほうが高額ではあるはずだが、イメージほどの差はないのではないか?

 ……ということで、ヒマなのでちょっとシミュレーションしてみることにしよう。

 シミュレーション対象とする車種はなんでもいいのだが、「まず隗より始めよ」ということで、国産車のほうは筆者の私物である「スバル・レヴォーグSTIスポーツR」にしてみる。対する輸入新車のほうは、レヴォーグのSTIスポーツRと同格かどうかは知らないが、なんとなく近いジャンルではある「BMW318iツーリング Mスポーツ」にしてみようか。

 両者の車両価格はレヴォーグが502万7000円で3シリーズツーリングが672万円だが、今回は購入費用ではなく「維持費」がテーマなので、そこはサクッと無視する。

 納車後、まず維持において大切なのは「保証」である。初度登録から3年間は無償の新車保証がレヴォーグにもBMWにも適用されるが、日本自動車工業会が行った「2023年度乗用車市場動向調査」によれば、近年の乗用車の平均保有期間は7.2年とのこと。できればプラス4年の延長保証は付けたいところである。

 そしてレヴォーグと3シリーズツーリングそれぞれに、計7年間となる保証を付ける際の費用は下記のとおりだ。 ●スバル・レヴォーグSTIスポーツR:6万9300円 ●BMW318iツーリング Mスポーツ:22万8100~27万2800円 ……冒頭付近で「いまどきの新車同士で比較するなら、最近はあまり差がなかったりもするのではないか?」と申し上げたが、いきなり「輸入車のほうが15万円以上高い」という結果が出てしまった。

 ちなみにBMWの延長保証料に「22万8100~27万2800円」という開きがあるのは、6~7年目も保証する「再延長プラン」の金額が、申し込み時の走行距離によって異なるからだ。

 似たような車格ならそこまで高くない!?

 まぁいずれにせよ「ガイシャの維持費ってやっぱり高いのかも?」ということを軽く頭に入れつつ、次に行こう。いわゆる「メンテナンスパック」についてである。

 3年間の新車保証および延長保証により、エンジンやトランスミッション、ステアリング機構などの機関部分は「仮に壊れたとしても大丈夫!」という状態になるわけだが、クルマというのはそのほかにもいろいろと定期的な点検やエンジンオイル交換などをしてやらなければならない。そういった諸々がお得なセットになっているのがいわゆるメンテナンスパックで、ほとんどの新車購入者はこれを選択しているはずだ。

 スバルの場合、メンテナンスパックは「点検パック」という名称で、BMWでは「BMWサービス・インクルーシブ」という名称で呼ばれている。

 それぞれをレヴォーグと3シリーズツーリングに適用させる場合のコストは以下のとおりだ。 ●スバル・レヴォーグSTIスポーツR:14万2285円

 上記の価格は点検パックの「ロング5」で、かつ「スタンダードコース アイサイト専用エンジンオイル交換タイプ+初回車検オプション」という長い名称の商品を選択した場合。内容は要するに約6カ月ごとの定期点検とオイル交換(フィルター交換は12カ月ごと)、初回車検時のフロントワイパーラバー交換である(※これはかなりざっくりした説明なので、詳しくはスバル公式サイトをご覧ください)。

●BMW318iツーリング Mスポーツ:10万7800円~16万2800円

 こちらはBMW サービス・インクルーシブの2年延長パッケージ(スタンダード・パッケージ)を選択した場合のプライス。BMW サービス・インクルーシブの場合、新車購入から3年間は全モデルに標準付帯され、2年間の延長パッケージ分が有償となる。 そして3シリーズツーリングの場合、2年延長する際の走行距離が6万km以下であれば10万7800円で、8万kmだと13万9700円、10万kmだと16万2800円になる。

 内容的には、定期点検やオイル&フィルター交換などがパックになっているのはスバルの点検パックとおおむね同様。だが、BMW サービス・インクルーシブは「タイヤパンク補償」と「キー補償」、そして「BMWエマージェンシー・サービス」が付帯している点が、スバル以上に充実しているだろうか。それでいて費用はスバルとおおむね同水準か、走行距離によっては4万円ほど安くなる。

 では、現時点までに判明した金額を一度まとめておこう。 ●スバル・レヴォーグSTIスポーツR

→21万1585円(延長保証6万9300円+点検パック14万2285円)

●BMW318iツーリング Mスポーツ(※年間8000kmペースで走行と仮定)

→33万5900円(延長保証22万8100円+BMWサービス・インクルーシブ延長パッケージ10万7800円) 「BMWのほうが1.6倍ほど高い」ということだが、まぁだいたいそんなモンだろうとは予想していた。このほか車検時に部品交換が必要となる場合は、その部品代と工賃が別途必要となるが、その値段も「(おおむねだが)輸入車のほうが1.5倍ぐらい高い」というのが一般的な線となろう。

 もちろん輸入車の部品には、意味不明なまでに高額なモノもある。

 たとえば、まさに3シリーズツーリングに乗っている筆者の知人が、過日「デイタイム・ランニング・ライト」をちょこっとだけ修理する必要に迫られたのだが(一部が消えているだけでも車検に通らないらしい)、その際にディーラーから告げられたのは「アッセンブリー交換で●●万円になります」という衝撃のプライスだった。

 絶句する知人に同情したのか、それとも「さすがにこの部品代はないよな……」とディーラーマン自身も思ったからかは不明だが、いずれにせよディーラーマンは「……とはいえヤフオクで売ってる安い部品を使って直すこともできますので、今回はそれで直しておきますね」ということにはなったそうだ。

 そのような「意味不明なまでに高額な部品代」にまれに襲撃されるリスクがあるのが輸入車であり、つまらないマイナートラブルも若干多いのかもしれない。だが基本的には「国産新車の1.5倍から、せいぜい2倍ぐらい」の維持コストでなんとかなるというのが、昨今の実情であるように思う。つまり、「たしかに高いけど、『めっちゃ高い』というほどではない」という結論だ。

 そして各種の税金は排気量と重量および環境性能次第であるため、クルマの国籍とは関係ない。ちなみに燃費は、レヴォーグのSTIスポーツRよりもBMW 320dツーリングのほうが断然良好であるはずだ。

こんな記事も読まれています

たかが色! されど色! クルマのボディカラーが下取り査定に影響する理由
たかが色! されど色! クルマのボディカラーが下取り査定に影響する理由
WEB CARTOP
中古で買っても期限内なら「新車保証」は継続可! 保証継承のために「12カ月点検」が重要だった
中古で買っても期限内なら「新車保証」は継続可! 保証継承のために「12カ月点検」が重要だった
WEB CARTOP
普通に走るし不具合もない……それでも車検に落ちるってナゼ? 見落としがちな検査項目9選+α
普通に走るし不具合もない……それでも車検に落ちるってナゼ? 見落としがちな検査項目9選+α
WEB CARTOP
ネット検索の結果は「スバル信者」よりも「GT-R信者」よりも「トヨタ信者」が多いってマジ!? クルマ界の「○○信者」をマジメに考えてみた
ネット検索の結果は「スバル信者」よりも「GT-R信者」よりも「トヨタ信者」が多いってマジ!? クルマ界の「○○信者」をマジメに考えてみた
WEB CARTOP
EVの中古はバッテリーの劣化が心配……は10年前の情報を元にした論調! いまやバッテリーの劣化対策も進んでいた!!
EVの中古はバッテリーの劣化が心配……は10年前の情報を元にした論調! いまやバッテリーの劣化対策も進んでいた!!
WEB CARTOP
“33年落ち”のホンダ初代「NSX」が なぜか日産の“認定中古車”として販売中! ワケあり車両でも「1年間の保証つき」だから安心して買える!?
“33年落ち”のホンダ初代「NSX」が なぜか日産の“認定中古車”として販売中! ワケあり車両でも「1年間の保証つき」だから安心して買える!?
VAGUE
新車が全然買えないからといって、ディーラーの「抽選販売」はアリなのか? 「お得意様が買えない」と嘆く営業マンの声
新車が全然買えないからといって、ディーラーの「抽選販売」はアリなのか? 「お得意様が買えない」と嘆く営業マンの声
Merkmal
「あのクルマ電車じゃん!」……ってEVのことじゃなかった! カスタムカー界隈で揶揄される「電車」ってなんのこと?
「あのクルマ電車じゃん!」……ってEVのことじゃなかった! カスタムカー界隈で揶揄される「電車」ってなんのこと?
WEB CARTOP
まるで「旧車いじめ」!? 13年超のクルマの「自動車税」なぜ高くなる? それでも旧車に乗り続ける理由とは?
まるで「旧車いじめ」!? 13年超のクルマの「自動車税」なぜ高くなる? それでも旧車に乗り続ける理由とは?
くるまのニュース
車買取でおすすめの一括査定サイトを比較
車買取でおすすめの一括査定サイトを比較
くるくら
[スポーツセダン]の現行スバル[WRX S4]は乗るといいのはわかるけど……先代型に乗り続けるオーナーがいまだに買い換えないワケ
[スポーツセダン]の現行スバル[WRX S4]は乗るといいのはわかるけど……先代型に乗り続けるオーナーがいまだに買い換えないワケ
ベストカーWeb
トヨタ「アルファード」が欲しい! けど“現行”は高すぎ… 「先代アルファード」なら200万円程度で買える!? 狙い目の「お買い得中古車」とは
トヨタ「アルファード」が欲しい! けど“現行”は高すぎ… 「先代アルファード」なら200万円程度で買える!? 狙い目の「お買い得中古車」とは
くるまのニュース
50年前に生まれた四角いワゴンがいま話題! 昭和レトロブームと共に「ボルボ240エステート」の人気が急上昇中だった
50年前に生まれた四角いワゴンがいま話題! 昭和レトロブームと共に「ボルボ240エステート」の人気が急上昇中だった
WEB CARTOP
壊れて当然のノリだけど現代のクルマにはない楽しさがある! 沼る可能性しかないハチマルイタフラ車
壊れて当然のノリだけど現代のクルマにはない楽しさがある! 沼る可能性しかないハチマルイタフラ車
WEB CARTOP
やっぱり安いネットがイイの? それとも昔ながらの保険が吉? 令和版自動車保険会社の選び方
やっぱり安いネットがイイの? それとも昔ながらの保険が吉? 令和版自動車保険会社の選び方
ベストカーWeb
なんかタイヤが浮いてない!? 高速で見かける謎のトラックは「高速料金節約」のためだった
なんかタイヤが浮いてない!? 高速で見かける謎のトラックは「高速料金節約」のためだった
WEB CARTOP
年収は最低いくら必要!? “500万円台から”のトヨタ高級ミニバン「アルファード/ヴェルファイア」を買える“幸せな家族”の世帯年収とは
年収は最低いくら必要!? “500万円台から”のトヨタ高級ミニバン「アルファード/ヴェルファイア」を買える“幸せな家族”の世帯年収とは
VAGUE
配線を増やすだけで「パワーアップ」「ライトの光量増」「オーディオの音質向上」って魔法かよ! ひと昔前に流行したクルマの「アーシング」ってなんだったのか?
配線を増やすだけで「パワーアップ」「ライトの光量増」「オーディオの音質向上」って魔法かよ! ひと昔前に流行したクルマの「アーシング」ってなんだったのか?
WEB CARTOP

みんなのコメント

113件
  • kot********
    費用だけじゃなくてディーラーが少なく近くに無い事、部品の取り寄せに日数が掛かる事も欠点として挙げられる。
  • lot********
    税金他は変わらないけれども交換部品が高よね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

310.2576.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

54.0615.0万円

中古車を検索
レヴォーグの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

310.2576.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

54.0615.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村