スバル レイバック 「都会派かどうかはさておき、最良に近いクロスオーバー」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

都会派かどうかはさておき、最良に近いクロスオーバー

2023.11.22

年式

2023年11月〜モデル

総評

スバル得意の「土の香りがするSUV」ではなく「都会派SUV」を志向するクロスオーバーモデル。エクステリアデザインのセンスにおいて「都会派」というテーマが成功しているとは言い難いというのが個人的な意見だが、その他の点については文句の付けようがないクロスオーバーモデルだ。走りは心地よく、スポーティでもあり、安全装備や快適装備も大いに充実している。エクステリアデザインが好みに合致するのであれば、間違いなく満足できるだろう。

満足している点

動力性能とステアフィール、乗り心地、快適装備の数々、そしてアイサイトXなどについては大いに満足できる。その割に車両価格は（この種の車としては）安価であるという点も素晴らしい。

不満な点

「都会派SUV」を標榜する割には、内外装デザインは少々野暮ったいように思える。また燃費も、せめてもう少し伸びてくれるとありがたいのだが。

デザイン

3

ベースとなったステーションワゴン「レヴォーグ」とよく似ているようにも見えるが、実際は細部に至るまで、レイバック専用のさまざまな調整がなされている。その結果として全体としては破綻しておらず、むしろよくまとまったエクステリアデザインであるとは感じる。しかしスバルが謳うような「都会派クロスオーバーSUV」ならではのおしゃれ感というか、洗練の度合いはやや足りない。

走行性能

5

文句なしに素晴らしい。試乗する前は「なぜ2.4Lターボエンジンを搭載しないのだ？」と疑問にも思ったが、実際に乗ってみると、1.8Lターボのおだやかなキャラクターのほうがこの車には合っており、またパワー不足もいっさい感じない。ハンドリングもレヴォーグよりはややスローだが、一般的なSUVと比べれば「ドライバーの意志とイメージどおりに曲がってくれる」という性能はきわめて高い。

乗り心地

5

こちらも文句なしに素晴らしい。フラットな路面においては当然のこと、荒れた路面や大きなうねりがある箇所でも、常にこの車はフラットな姿形を維持する。そしてコーナリング時も、実際のロール角はやや大きいのかもしれないが、乗っているとそれをいささかも感じることはなく、むしろ「ロールしてないのでは？」ぐらいに感じてしまう。ソフトな乗り心地ではあるが、決して腰砕けではない、なんとも絶妙な乗り心地だ。

積載性

5

ラゲッジのスペースと作りはレヴォーグと同一。つまり、非常に広くてフラットである。また床下のサブトランクも大容量であるため、荷室の使い勝手がきわめて良好である。

燃費

3

WLTCモード燃費は13.6km/L。試乗時は実燃費の計測は行わなかったため、いかほどになるかは不明だが、筆者の私物である同一エンジンのレヴォーグから類推するなら、さほど良好ではないものと思われる。水平対向エンジンの限界ではあるのだろうが、正直もう一声ほしい部分ではある。

価格

5

車両価格は399.3万円。車全体としてのクオリティと、アイサイトXが標準装備であること、そしてハーマンカードンの10スピーカーシステムなども標準装備であることから考えると、この価格は「バーゲン」と言っても過言ではない。