BMW 7シリーズ 「V12が味わえるBMWのフラッグシップ」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

工藤 貴宏
工藤 貴宏(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

3

デザイン
3
走行性能
5
乗り心地
5
積載性
4
燃費
2
価格
2

V12が味わえるBMWのフラッグシップ

2021.10.29

年式
2015年10月〜モデル
総評
BMWの頂点となるサルーンだけあって、すべてが一流。ドライバーは運転を楽しめ、後席の乗員は快適な移動を実現できる。ガソリン、ディーゼル、そしてプラグインハイブリッドとパワートレインの選択肢が多いのも魅力だ。
満足している点
ラージセダンとは思えない運動性能と走る歓びに満ち溢れたドライバビリティ。なかでもV12エンジンの上質感は、運転していると心がとろけそうになるほど。もしかすると次期モデルにはV12が用意されないかもしれないから、その快楽に浸れるのは今のうちだけかもしれない。
不満な点
最大のライバルであるSクラスに比べると、「オッ!」と思わせる先進装備が少ないこと、そしてインテリアのデザインに先進性を感じにくいのが残念なところ。それによってオーナーが困るわけでもなく、あくまで「ライバルと比べたら」の話だが。
デザイン

3

7シリーズはライバルに対して運動性能の高さが個性。しかしスタイリングに関しては最大のライバルであるメルセデス・ベンツ「Sクラス」や、日本車のライバルであるレクサス「LS」がスポーティな雰囲気へと大胆に生まれ変わったことで、むしろ7シリーズがもっとも端正なデザインとなってしまったことが興味深い。後期モデルになってフロントグリルが大きくなったが、4シリーズほど大胆ではなく多くの人に受け入れられやすいのではないだろうか。
走行性能

5

各社のフラッグシップとなるラージサルーンのなかで、ここまでサーキットが似合うモデルはない。大きさを感じさせる車体を振り回して走る調教ぶりはさすがBMWだ。真骨頂はV12エンジン搭載の「M760Li」。まるでエンジンを感じさせない、モーターのようなスムーズさでありつつ、速さを感じさせないのにふとメーターを見るととんでもない速度となっている不思議な感覚だ。
乗り心地

5

ハイエンドモデルだけに素晴らしい乗り心地。走行モードをコンフォートにすると、あたかも空飛ぶ絨毯にでも乗っているかのよう。路面からの衝撃や振動をシャットアウトした、極上の乗り心地を味わえる。鉄やアルミ、そしてカーボンと特性の異なる素材をミックスして使ったことで力を上手に分散させて吸収しているのだろう。もちろん、サスペンションのスムーズな動きもさすがだ。
積載性

4

ラージサルーンだけに、セダン最高峰といえる広いトランクスペースを用意。この上を行くセダンはBMWにはなく、さらに荷室の広さを求めるのならステーションワゴンやSUVを選ぶしかない。
燃費

2

6気筒や8気筒、もしくは12気筒のハイパワーエンジンを積むだけに燃費に期待をするのは筋違いだ。しかし、ディーゼルだけは話が別。期待してはいけないガソリン車に対し、ディーゼルならなんとか常識の範囲内に収まっている(他車の4気筒ディーゼルほどはよくないが)。また、充電環境があるなら、近場だけであればエンジンを止めて走れる(その際はガソリンを1滴も使わない)プラグインハイブリッドの「745e」も魅力的。
価格

2

ベーシックな「740i」が1110万円。ハイエンドの「M760Li」では2613万円。ランボルギーニ・ウラカンなどちょっとしたスーパーカー並みだ。身近なプライスとは言い難いが、特にV12モデルはそれに見合う価値があることは約束できる。
工藤 貴宏
工藤 貴宏
自動車ジャーナリスト
1976年生まれ。クルマ好きが高じ、大学在学中に自動車雑誌の編集部でアルバイトしたことをきっかけに、そのまま就職。そして編集プロダクションを経てフリーランスの自動車ライターに。日々新車を試乗し、日夜レポートを書く日々も気がつけば10年以上。そろそろ、家族に内緒でスポーツカーを買う癖はなんとかしないと。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
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