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シトロエンDS5、ディープな走り味は健在か?

シトロエンとDSの歴史

1919年、アンドレ・シトロエンによってパリ郊外ジャヴェル河岸に創立されたシトロエンは当初、アメリカ流の大量生産方式によってフランスの大衆の生活にクルマをもたらすことを最大の目標とする企業だった。ところがそのシトロエン、1934年にモノコックボディ+前輪駆動という先進的な構造を採用したセダン、トラクションアヴァン7CVを発表したあたりから、並みのメーカーではない空気を強烈に発散し始める。そしてその空気が戦後になって見事に華開いたのが、1948年発表の小型車2CVと、ハイドロニューマチックシステムを採用して1955年にデビューした衝撃の中型サルーン、DS19だった。

今日、ノーマル系の「Cライン」より一段とアヴァンギャルドかつプレミアムな路線を志向した「DSライン」の名がそのDS19に由来するものなのはマニアならとっくにご存知だろうが、その現代版DSシリーズの第3弾であるDS5が8月1日、いよいよ日本でも発売される。それに先駆けてプジョー・シトロエン・ジャポンは、御殿場をベースとした国内プレス試乗会を開いた。そこで、そのロードインプレッションを、熱烈なシトロエンフリークをはじめとするDS5に興味をお持ちのすべての読者にお伝えしたいと思う。

現代のDSシリーズの第1弾は2009年に登場したDS3で、それにDS4が続いた。DS3はC3を、DS4はC4をベースにしていて、いずれもベースとなったモデルよりスポーティなスタイリングとキャラクターとを与えられていた。それらに次いで送り出されたのがDS5だから、これは当然C5をベースにしていると思いきや、実はそうではなかった。DS5のプラットフォームは基本C4をベースにしつつホイールベースやトレッドを拡大したC4ピカソ系に使われているもので、したがってサスペンションはハイドラクティブではなく、形式としてはC4と共通する一般的な金属スプリング式を備えている。

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