シトロエン新型C3に海外試乗。生活を楽しくしてくれるツール
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:プジョー・シトロエン・ジャポン
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:プジョー・シトロエン・ジャポン
シトロエンからDSを切り離すことによって、プジョー、シトロエン、DSという3つのブランドを擁することになったPSAグループ。それぞれの役割は明確で、プジョーは「フォルクスワーゲンと正面から対抗するメインストリーム」、DSは「パリをイメージしたプレミアムブランド」、シトロエンは「個性的な実用車を訴求するモダンなブランド」と位置づけられている。
シトロエンの最量販モデルであるC3のコンセプトはまさに「個性的な実用車」。ひとあし先に本国デビューし、日本でも限定発売されたC4カクタスの流れを引き継いでいる。そこに込められた狙いとは、実用性を追いかければ個性が薄れ、個性を追いかければ実用性がスポイルされるという常識を高いデザイン力によって覆すこと。さて写真を見て皆さんはどんな感想を持たれただろうか。
超薄型ヘッドライトと一体化したダブルシェブロングリル、ドアの凹み防止とともにお洒落なアクセントとしても機能するサイドのエアバンプ、無塗装フェンダー、2トーンカラーなど、アイキャッチはたくさんある。しかし、それらが悪目立ちしていないのは、デザインの基本であるフォルムがとても健康的だからだろう。先代より高く水平になったボンネットフードとAピラーの傾きは実にいいバランスだし、ルーフとCピラーの視覚的重量を後輪がしっかり受け止めているのもいい。なにより、640mmというこのクラス最大のタイヤ外径が、ドッシリと落ち着いた印象を生みだしているのが効いている。
C4カクタスで話題になったエアバンプ、僕は嫌いじゃないけれど、ちょっと抵抗があるなと思う人もいるはず。おそらく本国でもそんな意見があったのだろう。C3では最上級グレードのみに与えられ、他のグレードはシンプルなデザインになる。このあたりは最量販車種としての分別を守ったと言えそうだ。日本にも両方の仕様が欲しいところだ。
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