自動車メーカーの不正が発覚した件について豊田章夫氏の「ブルータスよお前もか」発言についてどう思いますか？

Question

私は違和感を覚えました。まず謝罪会見で自分をカエサルになぞらえている時点で随分不遜だなぁと思いますし、トヨタの不正を自分事として考えていない感じがしました。

Answer 1

確かに。報道をつうじて知るかぎり、3日の記者会見でのトヨタ自動車取締役会長の豊田章男の言説は非常に他責的であり、舌の根も乾かぬ内に豊田は『いち早く生産再開にむけて全力を尽くす』などと言い放った様です。
これはどう見ても豊田が自社都合を最優先する反面、法令順守の不徹底（安全軽視、顧客不在）であり、トヨタは非常識きわまりないと結論付ける他ないのでは？
そして、まさかとは思うのですが、今回の認証不正を事務的な謝罪で圧しきる反面、豊田は（自身の社長時代だった期間も含めて）この問題の一切責任を負わない算段なのではありませんか？実際、進退去就には全く言及しなかった様ですし……

但し、翌日午前には国土交通省が道路運送車両法に基づき、愛知県にあるトヨタ自動車の本社に立ち入り検査を実施した様です。念のため


※情報源、ニュースソース
日本経済新聞 電子版
・トヨタ豊田章男会長｢認証の根底揺るがす行為｣ 不正巡り 2024年6月3日 16:18 (2024年6月3日 18:19更新)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC035AY0T00C24A6000000/

Answer 2

私も違和感を覚えました。

トヨタグループ全体で、正社員だけで37万人の頂点に立つ人ですから、不遜とまては思いません。ご自身もユリウス・カエサルと同格と思って発言したわけではないでしょう。

問題は（シェークスピアが有名にしたこの話の真偽はともかく）、このセリフは「信じていた者の裏切り」にという意味で使われる、という点です。

豊田章男会長の気持ちで言うなら「自分は常々キチンと正しくやれ、と言ってたはずだが？それなのにどうして我が社でこんな事が起きるんだ！」なのかもしれませんけどね。

巨大企業の最高責任者が細々した業務の全てに目を配ったり具体的な指示を出すことは不可能だし有り得ないのは当然です。今回問題になった試験でのデータの取り方や国交省への報告について豊田会長が命令したのではもちろん無いと思います。

けれども、幾ら巨大組織であろうが、何か問題が起きた場合のリーダーの発言としては極めて不適切です。組織作りに失敗しているという事に他ならず、それはリーダーの責任です。

さらに呆れるのは、明言はしませんでしたが、国の制度のあり方に疑問を呈するような言い方があった点です。
自動車雑誌をはじめとしてネットでは「国が間違ってる、トヨタは正しい」「国より厳しくテストしたのに何が悪い」「この件で何も実害は無い」等々、トヨタ擁護で溢れてますが、その大元は豊田章男会長と言えなくもありません。

「国がやる事は絶対に正しい」という意味ではありません。実態に合わない、時代にそぐわないなどの問題があると思っていたのなら、それをどうして国に改善を申し入れなかったのか、という事です。

一個人や中小零細企業なら国に異を唱える事は不可能でしょう。けれども、トヨタは自動車業界で最大手というだけでなく、他業種も含め日本の企業全体のトップに立つ規模、収益を上げる超巨大企業です。トヨタだけでなく、他の自動車メーカーもトヨタと比較するから小さく見えるだけで、一般の企業の水準ならみな大企業です。

個人や中小零細企業の発言力、影響力とは次元が異なります。それなのに、おかしい、実態にそぐわないと思いながら改善を申し入れず、定められたルールを守らずに発覚したら「國より厳しくやってるのに」と開き直る。
その筆頭が言わば豊田章男会長なのですからお話になりません。

問題が起きたら「自分はちゃんとやるように常々言ってたはずだが？何でこうなるんだ！皆さんは私を裏切ったのだぞ？」というリーダー、経営者がいたらどう思いますか？
「ブルータスよお前もか」とはそういう事ではありませんかね。