「フォードvsフェラーリ」で以下のシーンが当時実際にあったことなのか、それとも映画ならではの演出なのか、自動車史に詳しい方教えて下さい。

Question

1、冒頭のルマンレースでシェルビーの体にガソリンがかかって引火するシーン。
2、シェルビーがヘンリー・フォード2世をレースカーに乗せてビビらせるシーン。
3、ラスト、3台のGT40が並んでゴールするシーン。

4、エンツォ・フェラーリがフォード社と交渉するフリをしてフィアットに高く買わせようとするシーンがありますが、この映画の舞台は1964年。
映画「フェラーリ」でも同じやり取りがありましたがあっちの舞台は1957年。
しかし実際にフィアット社に吸収されたのは1969年。どちらの映画も演出を盛り上げるために史実を取り入れたということで良いでしょうか。

Answer 1

3. は間違いなく史実通り。それ以外はかなり怪しいと言わざるを得ません。

そもそもこの映画は余り史実に忠実とは言えないと思います。
例えば、映画では、ケン・マイルズはこの66年に初めてル・マンに出場したように描かれていますが、実際には前年1965年のル・マンにもFORD GTで出場しています。
また、マシンの考証も結構いい加減です。そもそもライバルのフェラーリが明らかに1967年（映画の翌年）のP4です。66年はP3で、基本デザインは同じでも、ヘッドライト周辺とホイール等がP3とP4では明らかに違います。P3は現存していないし、レプリカも恐らく全てP4しかないと思いますので、無理は無いかもしれませんが、「どうせ、気がつく奴なんて、いないだろう」という制作サイドの姿勢が透けて見える気がします。

一般的に映画としての評価はまずまずのようですが、私のように当時のレースに興味のある人間にとっては、いささか気になる点が多い映画だと言わざるを得ません。

質問者からのお礼コメント

素晴らしい回答をありがとうございます。
ほとんどコメディ映画だったので大部分が脚色されるのだろうと思ってはいましたが、まさかケン・マイルズが前年にもフォードで出場していたとは・・。レースカーもそこまで異なるとは知りませんでした。

マイケル・マンは「パブリックエネミーズ」でびっくりするくらい史実を変えてきているので、「フェラーリ」もそんなもんだろうとは思っています。