Ｆ１ どうしてこのような事が、 起こっているのですか？ ーーーーーーーーーー

Question

スペイン・バルセロナで行なわれた今季最初のF1プレシーズンテスト。3日間の日程が終了したが、多くのチームがポーポイズ現象に苦しめられた。

【F1動画】F1マシンが激しく上下動！ 2022年車を苦しめる”ポーポイズ現象”

この現象は、空気圧の変化や路面の凹凸などが要因で、グラウンド・エフェクト効果で生まれるダウンフォース量が変動することで、車両がバウンドするように上下動してしまうのだ。

最初のプレシーズンテストでは予想以上に多くのマシンがこの問題に苦しんでおり、F1が公開した動画にも、メインストレートで激しく上下動するシャルル・ルクレール（フェラーリ）のマシンが映し出されている。

しかし、フェラーリはこの問題に関して進展があり、チームの新車『F1-75』は良い状態にあると考えているようだ。

チーム代表のマッティア・ビノットは、次のように語った。

「バウンシングについては問題だったと思うが、もはや問題ではない」

「木曜日の午後と金曜日の早い時間帯で見れば、バウンドはかなり少なくなっていると思う。そして、我々はどうにかこの状況を乗り越えつつある」

ポーポイズ現象への対策に時間を費やさなければならなかったにもかかわらず、フェラーリはテストを通じて競争力と信頼性を発揮。多くの人が全チームの中で最も有望なテストを過ごしたと考えている。

しかしビノットは、チームの調子を過大評価しておらず、今後他のチームがパフォーマンスをさらに向上させると考えている。

「我々は満足だ。第一にたくさんの周回を走ることができたからだ」

ビノットは今回のテストについてそう語った。

「我々はクルマについて学び、データを集めた。しかしラップタイムやパフォーマンスについて考えるのはまだ早いと思う」

「全員が同じ条件で走っているわけではないし、他のクルマもすごく速いと思っている」

「コンスタントに走行することの方が重要だ。そして、できる限り多くのデータを集めるんだ。というのも、まだ解決しなければならない問題や引き出すべきポテンシャルがたくさんあるからだ」

「バーレーンに行く前にマラネロに戻り、数日間あらゆるデータを見て、なんとか今のマシンを最適化しようと思っている」

Answer 1

ポーポイズ現象は、車体底面と地面との間の空気力学上の干渉によって起こるものです。

2022年のフォーミュラ１は、レギュレーショーンの改正によって、車体底面の空気の流れを積極的に利用する、グランドエフェクトカーになっています。車体底面と地面で挟まれる空気の通り道が、前から中央付近までは段々と狭くなり、その後は段々と広くなって、ディフューザに繋がります。この、空気の通り道が狭くなることによって、空気は外部よりも速く流れ、ベンチュリー現象・ベルヌーイの法則によって圧力が低くなります。
車体底面の圧力が低くなるので、車体全体でダウンフォースを発生することができます。

ダウンフォースが増えると車体のサスペンションが沈みますから、車体底面と地面との距離が接近し、さらに圧力が低く、ダウンフォースが増えることになります。
ところが車体底面が地面に近づきすぎると、空気の通り道が狭くなりすぎて、速くなった空気の流れが音速に近づきます。空気の流れは音速を超えることができないので、空気が自分自身で堰き止められてしまい、圧力が高くなって車体は上に持ち上げられます。
するとダウンフォースが回復して、また車体が地面に接近する、接近と持ち上がりを周期的に繰り返しているのです。


類似の現象は飛行機でも起こり、地面に近づくと揚力が増して着地出来なかったり、また人力飛行機は地面スレスレを飛ぶことで揚力を増して効率的に飛んだりしています。

質問者からのお礼コメント

ありがとうございました。

Answer 2

グランドエフェクトカー全盛の時代から課題だったポーポイジングをシミュレーションで再現出来ていなかったのが原因でしょう。

少なからず全チームに起こっている事を見るに現代のシミュレーションでも再現出来ない領域なんでしょうね。