そもそも「慣らし運転」とは何なのか?
新車の「慣らし運転」は、昭和の時代には必要不可欠でしたが、令和のいまでは一般的なクルマでは不要になり、ほぼ死語になったと言っていいでしょう。
【画像】「慣らし運転」は必要!? 日本で乗れるスポーツカーを写真で見る(34枚)
ただし、高回転まで回るエンジンを搭載した高性能スポーツカーの場合は、最高の性能を発揮できるようにするため、慣らし運転を要求しているメーカーもあります。
そもそも、慣らし運転とは何か? を説明しておきましょう。
機械の工作精度があまり高くなかった時代には、新品時からエンジンの回転をあまり上げず、シリンダーとピストンの擦り合わせをしていき、滑らかに作動するようになってから高回転まで使うようにしていました。
このエンジン回転を上げずに擦り合わせをする期間を慣らし運転と呼び、新車を購入したオーナーがそれをしていたのです。
平成から令和と時代が移り、当然技術も進化しました。高い精度でエンジンを作れるようになったこともあって、昔のような「慣らし運転」は必要なくなりました。
もうひとつ、パワーやトルクの性能が向上したことで、エンジンに大きな負荷をかけずに走ることができるようになったため、通常走行がエンジン回転を上げない「慣らし運転」のようなものになったこともあります。
ただし、いまでは珍しい存在になりましたが、マニュアルトランスミッション車の場合は今でも慣らし運転をしたほうがいいでしょう。
これはエンジン回転数を抑えるのではなく、丁寧にシフトレバーを動かすことを意味します。
シフトアップ/ダウンのときに、シンクロリングが擦れてカウンターシャフトを次のギアの回転に合わせてくれるので、ギアがスムーズに入るのですが、新車のときはまだ硬くて動きが悪いのが普通です。
これはシンクロリングがまだ馴染んでないために、素早く回転を合わせられないからです。丁寧に操作するうちにシンクロリングの擦り合わせができ上がれば、シフトレバーの速い動きにもついてくるようになり、操作も軽くなります。
エンジンもトランスミッションもない電気自動車(BEV)の場合は、この慣らし運転という言葉は本当に死語になりました。
ハイブリッド車やPHEVにはエンジンが搭載されていますが、エンジン回転数をドライバーがコントロールできないため、慣らし運転の方法がありません。
BMWの高性能スポーツカー「Mモデル」の慣らし運転の方法とは?
高回転まで回せるエンジンを搭載した高性能スポーツカーの場合は、メーカーが慣らし運転を要求すると最初に書きましたが、BMW「Mモデル」の場合の慣らし運転の方法を説明しましょう。
たとえば「M4クーペ」の場合は「最初の2000kmまではエンジン回転数を5500rpm以下で走行してください」と取り扱い説明書に書かれています。
しかしこの高性能なエンジンですから、一般道の流れに乗るなら1500~2500rpm程度で十分に走れます。だから無理やりアクセルペダルを深く踏み込むことをしなければ「慣らし運転」を意識することなく、普通に走れるということです。
通常のBMWモデルの場合は「最初の2000kmまでは4000rpm以下・・・」という縛りになるだけで、これも特別な意識をせずに通常走行するだけで「慣らし運転」ができてしまいます。
ただ普通のBMWモデルは、2000km点検もなくオイル交換もせずに約1万5000kmまで走る(走行距離、運転温度、エンジン回転数、消費燃料などからオイル劣化度合いをコンピュータが判断して交換時期を知らせるコンディション・ベースド・サービスによる)ことができますが、Mモデルの場合は2000kmでオイル交換があります。
この2000kmのオイル交換が終わったら、徐々にエンジン回転を上げていくと良いエンジンに仕上げることができます。この納車時から2000km走行まで入っているエンジンオイルは慣らし運転用で、かなりサラサラなオイルです。そのためこのまま高回転まで回してはいけません。
新品エンジンにしては軽く回るなと思って、つい回したくなりますが、それは控えなくてはいけません。
「ええっ、そんな面倒なことをしなくてはいけないの?」と思うかもしれませんが、きっとMモデルを購入するオーナーなら、これを楽しみながらすることができると思います。
3000km、4000kmと走行距離が進むにつれエンジンが軽く回るようになる感触になり、高回転域に入ると刺激的なエキゾーストノートが聞こえてくるからです。
また同じエンジン回転数でもアクセルペダルの踏み込み加減により音色が変わるところも、何か生き物を操っている気になるから不思議です。
こうやって2000kmを超えて5000km走行くらいまで、高回転までの慣らし運転がうまくできると、期待以上の調子の良いエンジンに仕上がることでしょう。
一般的なクルマの慣らし運転は死語になってますが、高性能エンジン車には一部、慣らし運転の風習が残っています。
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みんなのコメント
走行距離を重ねた時のパワーが明らかに違う、数値が違う。
何度も経験したから、間違いないよ。