「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、MINIブランド発のSUV、MINIクロスオーバーだ。
MINI クロスオーバー(2011年:初代)
MINI クロスオーバーが、いよいよ日本にやって来た。全長4105(クーパーSは4120)× 全幅1790× 1550mmというサイズ以上に大きく見えるが、やはりどこから見てもMINIの兄弟として目に映る。しかし、このMINIらしさを出すのが大変だったらしい。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
ノーマルのMINIからの流用部品はドアミラーや給油口、メーター類などくらいのもので、あとは新規。独特なホイールアーチはそのまま残し、テールランプを両端に置くことでよりワイドな踏ん張り感を出したり、見た目はシャープに見せつつ室内空間を広く取るために、ルーフ形状を工夫したり。そして驚いたのが、日本の駐車場事情に合わせて変更されている点だ。
実は欧州仕様の全高は1561mm。そこでルーフ上のアンテナマウントの形状を日本専用に開発し、ほとんどの立体駐車場に入る1550mmに抑えたという。いくら日本は売れる市場だからとは言っても、販売台数的に見れば世界レベルでは知れたもの。そこをフレキシブルに対応してくる柔軟性は、いかにもMINIらしい。
そしてMINIらしいといえば、インテリアもかなりユニークだ。センターコンソールではなく、前後を貫くセンターレールが敷かれている。ここにカップホルダーや小物入れ、外部オーディオ機器、携帯電話などのアタッチメントを取り付けて、好みのものを必要な位置に、必要な数だけ設置することができる。自分だけのMINIをカスタマイズするという、連綿と続くMINIのコンセプトにピッタリの、実に画期的な方式だ。
MINI クロスオーバーでもリアシートの基本は2名用。ただしオプションでショートタイプのレールや、また3人乗りのベンチシートも選ぶことができる。チャイルドシートを使っている人なら、ショートタイプのレールで左右ウオークスルーにするか、ベンチタイプの方が利便性は高いかもしれない。
どれをチョイスしても楽しそうだけれど・・・
そんなファミリーユーザーは、このクロスオーバーを心待ちにしていただろう。なんといってもドアが4枚あるのはやっぱり便利だ。子どもや荷物を乗せるのは当然として、3名以上乗車が基本なら大人だってラク。さらに荷室も通常状態で350L、後席を倒せば1170Lと、十分に使える広さと深さがある。MINIが欲しいけれど家族の合意を得られずあきらめていたという人は、一家に一台体制でも、これなら文句は出ないだろう。
ONE、クーパー、クーパーS、ALL4の4グレードに、それぞれにMTとATのトランスミッションが用意され、選択肢は8つ。どれにするか悩みどころだが、せっかくのクロスオーバーなのだから、できればALL4をチョイスしたい。パワー的にはフル乗車で荷物満載でも1.6Lの自然吸気版でも十分に走るが、前後駆動力配分を0~100%まで自動的に配分してくれる走破性や安定感は捨てがたい。深めのコーナーでエイヤッと曲がってもフラットな体勢を維持してくれるし、MINIのキビキビした走りが好きという人の期待も裏切らないだろう。
また、車両本体は265万円からというONEでカスタマイズを楽しむというのもアリだ。ボディ形状、カラー、インテリア、これでもか!というくらい豊富に用意されたオプションなど・・・。ファミリーカーを購入するのに、家族全員がこれほどワクワクさせられるクルマも、そうそうない。
家族の絆を深める、世界でたった1台のMINIというキューピットの矢に狙われてしまったら、もう逃げることはできないかもしれない。
■MINI クロスオーバー クーパーS ALL4 主要諸元
●全長×全幅×全高:4120×1790×1550mm
●ホイールベース:2595mm
●車両重量:1460kg
●エンジン種類:直4 DOHCターボ
●排気量:1598cc
●最高出力:135kW<184ps>/5500rpm
●最大トルク:240Nm<24.5kgm>/1600-5000rpm
●トランスミッション:6速AT
●駆動方式:フロント横置き4WD
●10・15モード燃費:13.4km/L
●タイヤ:205/55R17
●当時の車両価格(税込):379万円
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