忘れがたいV10のスピードとサウンド
ランボルギーニを象徴する色がイエローな理由は、その鮮烈な色彩からイメージするように、生み出されるモデルがエキサイティングだから。今回振り返るシャープなスタイリングのガヤルドも、その代表的な1台といっていい。
【画像】NA V10を堪能 ランボルギーニ・ガヤルド ウラカンとアヴェンタ、最新カウンタックも 全90枚
発売は2003年と、早いもので20年が経とうとしている。かつては高嶺の花だったミドシップ・スーパーカーも、今ではBMW 5シリーズの上級グレードと同じくらいの金額で探せるようになった。時間の経過は、時にわれわれへ味方してくれる。
当初搭載されたエンジンは5.0L V型10気筒で、最高出力500psを発揮した。トランスミッションは、シフトパドルで変速可能なシングルクラッチの6速セミオートマティックか、純粋主義者向けの6速マニュアルが選べた。大パワーは、四輪駆動が受け止めた。
ガヤルドのV10エンジンが放つスピードとサウンドは、1度味わえば忘れることができないだろう。混雑した都市部でも、特徴的なサウンドは聴き間違えることがないはず。基本を同じにする、アウディR8を除いて。
そもそもV10エンジン自体が珍しい。レクサスLFAやポルシェ・カレラGTのV10よりサウンドには厚みがあり威圧的。甲高く遠吠えするような響きとは、一味違う。
この代えがたい音響を直接に体感するなら、2006年に追加されたスパイダーが好適。2005年からガヤルド・クーペにも搭載されていた、520psのV10を生で思う存分堪能できる。
信じられないほど濃密で特別な感覚
エンジンのパワーアップに合わせて、同時期にはサスペンションとエグゾースト、ステアリングラックなども改良を受けている。トランスミッションのギア比はショート化され、より鋭い加速をアシストしていた。
2008年にマイナーチェンジ。シャープなスタイリングはアップデートされ、V型10気筒は5.2Lへ排気量を拡大。最高出力は560psへ増強され、一層シャープなスーパーカーへ磨かれている。
この後期モデルには、ヴァレンティーノ・バルボーニなど、注目に値する特別仕様も幾つか投入された。ランボルギーニの伝説的テストドライバーの名前に由来するこの仕様では、最高出力は540ps。後輪駆動というチャレンジングな内容だった。
通常の四輪駆動のガヤルドLP560-4の場合、0-97km/h加速を3.7秒でこなした。最高速度は325km/hと、戦闘力は高い。
前期型か後期型を問わず、ガヤルドなら痛快なドライビング体験を堪能できる。高回転域でほとばしるパワーと、不足ないグリップ力、シャープな操縦性などを思う存分楽しめる。仕様によって、多少の差があるとはいえ。
公道の速度域でも、信じられないほど濃密で特別な感覚を味わえる。まさに劇場的といっていい。
現在の中古車価格を見てみると、英国では6万ポンド(約990万円)以下で購入できる例もある。新車時は12万ポンド以上の金額だったから、驚くほどお買い得。内燃エンジン時代の締めくくりに、楽しんでおくのも悪くない。
新車時代のAUTOCARの評価は
アウディの力添えで、信頼性を大幅に高めたランボルギーニは、フェラーリ360モデナにとって大きな脅威。スタイリングやパフォーマンス、運転のしやすさ、製造品質など、素晴らしい仕上がりにある。マラネロの技術者は警戒した方がいい。(2003年6月25日)
専門家の意見を聞いてみる
ルペシュ・ジェスワ氏:HRオーウェン社 ランボルギーニ・ブランド・ディレクター
「わたし自身も数え切れない台数のガヤルドを運転してきました。多くのお客様が、ガヤルドを長年所有し楽しんでいます」
「V型10気筒エンジンは、その能力を考えると驚くほど堅牢なことで知られています。定期的にメンテナンスを受けてきた個体なら、比較的手頃な価格でスーパーカーのオーナーになれるはずです」
「中古車を探すなら、ランボルギーニの認定車を検討することをオススメします。英国の場合は最長で24か月の保証が付き、資格を持ったメカニックが事前に整備しているため、安心感が違います。信頼性に対する不安が減ることになります」
「カミソリのように鋭い操縦性と、V10エンジンのパワーやサウンドを、心ゆくまで楽しむことができますよ」
購入時に気をつけたいポイント
エンジン
前期型の5.0L V10エンジンはオイルポンプが故障しやすい。事前に油圧や圧縮比の確認をしておきたい。ドライサンプ・ユニットだが、一部のオーナーはエンジンオイルを注ぎすぎている場合も。
排気音の軽減バルブが開いた時点で、オーバーヒートの警告灯が灯ることがある。走行距離が浅いガヤルドの場合、スロットルボディの動きが渋くなりがち。エンジンの回転数が不自然に上下してしまう。
トランスミッション
セミオートマティックの場合、クラッチの加熱で変速時に滑りがでたり引っかかりを感じる場合がある。クラッチが冷えれば解決することが多い。コンピューターにつないで、予め状態は確認しておきたい。
マニュアルではケーブルが伸びることがある。不具合はその程度のようだ。
サスペンションとブレーキ
フロントのブレーキパッドとディスクは減りが早い。ボールジョイントとアンチロールバーのブッシュ、トラックロッド・エンドは消耗品と考えたい。ハンドブレーキの動作もチェックポイント。
2005年以降のガヤルドには、段差を越えるためのリフトシステムがフロントに装備されている。事前に動作することを確認したい。
ボディとシャシー
ボディパネルはアルミニウム製で修理が難しい。ボディサイドのオイルクーラー付近は腐食しやすいようだ。
多くの場合、飛び石キズがあって不思議ではない。まっさらな状態なら、フィルムで保護されているか、再塗装された証拠だろう。部分的に塗装されている場合は、オリジナルの塗装との境目がどこか確認する。エアインテーク内側の飛び石キズにも注意。
スパイダーでソフトトップが動かない原因は、ソレノイド故障の可能性もある。簡単な交換で治るかもしれない。
インテリア
電装系などは主にアウディ製なため、不具合は少ない。内装トリムは堅牢ながら、アルカンターラ巻きのステアリングホイールはすり減りがち。ヘタりやすい運転席側のシートの状態も観察したいところ。
知っておくべきこと
ガヤルド・スーパーレッジェーラが、前期型と後期型でそれぞれ設定されている。2010年の後期型では最高出力が570psまで増強されつつ、車重は70kgも減量されていた。0-97km/h加速を3.5秒に短縮し、操縦性なども磨かれている。
ランボルギーニの発表によれば、後期型スーパーレッジェーラの生産台数は618台。生産は1年間のみだった。
英国ではいくら払うべき?
5万ポンド(約825万円)~6万4999ポンド(約1072万円)
主に前期型のガヤルドを英国では狙える価格帯。走行距離には大きな幅がある。6速セミATの2007年式クーペと、2008年式のスパイダーを執筆時に見つけた。
6万5000ポンド(約1073万円)~7万4999ポンド(約1237万円)
走行距離は長めのものも多いが、状態が良さそうな例も増えてくる。6速MTも探せるようになる。
7万5000ポンド(約1238万円)~8万9999ポンド(約1485万円)
5.2Lエンジンの後期型ガヤルドが出てくる。状態は価格なりに良くなる。走行距離は2万km程度の例が多い。
9万ポンド(約1486万円)~10万9999ポンド(約1815万円)
後期型のガヤルドで、限定の特別仕様も英国では探せる価格帯。
11万ポンド(約1816万円)以上
スーパーレッジェーラやヴァレンティーノ・バルボーニなどの、珍しい6速MTのガヤルドを選べるようになる。
英国で掘り出し物を発見
ランボルギーニ・ガヤルド LP560-4(英国仕様) 登録:2013年 走行距離:5万1500km 価格:8万1990ポンド(約1352万円)
5.2L V10で560psの後期型ガヤルドとして、典型的な例。走行距離は長すぎず、価格も内容を考えれば妥当。ショールーム・コンディションだとうたわれている。しかもボディカラーは、ランボルギーニらしいイエローだ。
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みんなのコメント
知人が乗ってるが定期的なメンテナンスで8万キロ走ってても大きなトラブル無いとのこと。