■スズキのSUV「エスクロス」をベースにした霊柩車
霊柩車といえば、きらびやかな和装装飾が施されている豪華なクルマを想像する人も多いと思いますが、最近では国産車を改造したリムジン型など、洋型霊柩車選ばれやすい傾向にあります。
そんななか、静岡県浜松市にある浜松葬儀株式会社では、スズキのSUV「SX4 S-CROSS」(以下、エスクロス)をベースにした霊柩車を導入し、話題になっています。
【画像】エスクロスベースの激レア霊柩車を画像で見る(63枚)
霊柩車は、棺を病院から自宅や葬儀場、火葬場へ運ぶクルマを指します。
かつての霊柩車のベース車両としては、国産車または輸入車のセダンが用いられることが多くありました。
しかし、最近ではトヨタ「アルファード」などのミニバンをベースにすることも多いといいます。
そうしたなか、今回のエスクロスをベースにした霊柩車は、ベースモデルから全長を約2m伸ばした約6.2mです。
エスクロスのフロントフェイスをそのまま残しているため、正面から見るとベース車両と変わりませんが、横から見ると全長が長く霊柩車であるということがわかります。
では、浜松葬儀株式会社はなぜスズキのSUV、エスクロスをベースに霊柩車の制作をおこなったのでしょうか。
制作の経緯について、浜松葬儀株式会社の総務式場課の担当者は以下のように話します。
「静岡県浜松市にはスズキ株式会社の本社があることもあり、約4年前から地元にあるスズキのクルマを使用した霊柩車を制作したいという話をしていました。
そこでスズキ本社に相談したところ、小型SUVであるエスクロスがいいのではないかという結論にいたり、そちらのモデルをベースに霊柩車を制作させていただきました。
」
浜松葬儀株式会社には、ホワイトのボディカラーを基調としたトヨタのプリウスがベースの霊柩車があるといいますが、地域の人から「スズキのモデルで葬送をおこなってほしい」との声もあり、地元を愛する人々からの声や気持ちを尊重し、スズキのクルマがベースの霊柩車が制作されました。
一般的な霊柩車の大半は、ブラックのボディカラーが施されていますが、エスクロスをベースにした霊柩車は、ブルーのボディカラーとなっています。
これついて、前出の担当者は「ベースのモデルは元々ホワイトでしたが、スズキのイメージカラーがブルーであるということもあり、あえて変更しました」と話します。
また、内装について前出の担当者は以下のように話します。
「エスクロスというベースの内装をほとんど生かして、あまり細かく改造をせずに制作したことがこだわりのひとつです。
また、LEDライトを取り付けることによって、少しいまどき風に仕上げたこともこだわった部分です」
前述のとおり、地元で制作されたクルマで大切な人との最期を迎えたいという人々の声に寄り添っているからこそ、スズキのエスクロスというモデルを最大限までそのまま生かした霊柩車になっているといえます。
※ ※ ※
エスクロスをベースにした霊柩車ですが、2022年1月20日から制作を開始し、約2週間で実際に運用できるまでの状態にいたったといいます。
稼働したばかりの霊柩車ですが、大切な故人と浜松市での思い出や思い入れがある人にとっては、最期の別れにふさわしいクルマになるのかもしれません。
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スズキに対するステルスネガキャンに見えてきた。