クルマに興味を抱くきっかけは「映画」
クルマを好きになるきっかけはいろいろありますが、漫画や映画などの影響を受けてクルマ好きになった人は多いでしょう。例えば映画でいえば、『ワイルド・スピード』を観て、劇中に登場するクルマだけでなくカスタムにまで興味を持った人も多いはず。今回はそうした映画に影響を受けたカーガイとその愛車を紹介します。
父の友人から受け継いだFD「RX−7」の主は20代の若者でした。トヨタ「86」との2台持ちでサーキット走行を楽しむ「ワイスピ」愛好家です
『ワイルド・スピード』のブライアンに憧れて
映画『ワイルド・スピード』の世界観を体感できるワールドツアーとして有名な「FUELFEST」。日本へは2022年に初上陸して以来、2023年には会場に集まるショーカーは2500台オーバーといわれ、ビッグイベントになった。2024年も8月31日(土)に富士スピードウェイでの開催が予定されており、待望のナイトランがあることでさらなる盛り上がりが期待できる。
そんなカスタムカーファンを熱くさせてくれる「FUELFEST JAPAN」のオーガナイザーが、Kamiwaza-Japan代表“イチラク”さんだ。そして、このスポコンスタイルの三菱「エクリプス」は、『ワイルド・スピード』という映画を愛し、故ポール・ウォーカー氏に敬意を払うべく製作したイチラクさんが手掛けたクルマだった。
新作が2023年に公開され、続く続編が期待される大ヒット映画『ワイルド・スピード』シリーズ。登場するキャストや世界的にも貴重な名車、旧車、スーパーカーがカーアクションを繰り広げ、さらにカスタマイズされたマシンが活躍するシーンなど見どころ満載で、われわれクルマ好きを夢中にさせてくれる。
ワイルドスピードシリーズを振り返れば、第1作目は日本の国産スポーツカーが多く登場し、スポコンカスタムを流行させた。派手なカラーリングにバイナルグラフィックスを貼り、ネオン管をセットして光によるアピールを加えたカスタムは、今考えるとアメリカで販売されている日本車に、日本仕様のパーツを装着させるJDM(Japan Domestic Market)の原点とも言われている。
そして、そのブームの火付け役になったのが、ワイルドスピード1作目でブライアン・オコナー役の「ポール・ウォーカー」の愛車として登場する三菱・D32型エクリプスだ。
描かれたストーリーでは、潜入捜査のために8万ドルかけて改造を施したエクリプスには、RoboCar full製のボディキットにAPR GT2スポイラーを装着。エンジンはクライスラー製420Aフルチューンエンジン+NOSシステムを搭載してドムのマツダFD3S「RX-7」とゼロヨンバトルを繰り広げた。
エアサスをセットした理由とは
そんな特別なマシンをリスペクトして製作したイチクラさんの愛車は、厳密にいえば劇中車のフルレプリカではない。今や旧車となるエクリプス用の専用パーツは、現在取引されている数も少なく、ほぼ廃番になっている。そのため、可能な限りブライアン・オコナー仕様に寄せたモデルとして作り込んだというわけだ。
カラーリングは劇中車を参考にシグナルグリーンにバイナルグラフィックス+スポンサーステッカーが貼り込まれ、フロントバンパー、サイドステップ、リアバンパーはKRCボディキットを装着。より発展させたモデルとして現車合わせのワイドフェンダーを装着させているのがポイントだ。
また、このフェンダーに合わせて、ホイールはスーパープラスに協力を依頼して作った特注モデルをセット。サイズだけでなく、ディスクのデザインもこのクルマ用に特別オーダーのワンオフスペシャルを履かせているということだった。
サスペンションについては定番のエアサスをセットし、必要に応じて上げ下げできるようにしている。本当なら車高調キットを装着させた生足にこだわりたいが、このクルマは普段乗りはほぼゼロで、主にイベント用ということもあって、運搬や搬入時に役立つエアサスの方が、便利であるという判断からの選択だ。
劇中では機関銃で撃ち込まれて爆発してしまうが、もし、大破せずに残っていたら、きっとこのようなカスタムへと発展したのではないだろうか……。そんな想いでイチクラさんは、このエクリプスのカスタムを進めた。そして、その想いとともに、ブライアン・オコナー役だった故ポール・ウォーカーを忘れてほしくないという願いも込められている。
* * *
2024年開催のFUELFESTには、劇中登場のレプリカ、さらには本物(!?)登場というサプライズも予定されいているとのこと。ぜひワイルド・スピードな1日を楽しんでみてはいかがだろうか。
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