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更新!「上級ワンボックス」の定番 メルセデス・ベンツVクラス V 300dへ試乗 目移りしない魅力

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更新!「上級ワンボックス」の定番 メルセデス・ベンツVクラス V 300dへ試乗 目移りしない魅力

上級ワンボックスで定評を築いたVクラス

自身のライフスタイルを広げるクルマは、SUVではなく、ワンボックスカーだと主張する人もいる。特にメルセデス・ベンツVクラスは、唸るような実用性と豪華さが融合し、他に目移りしないというユーザーが少なくない。

【画像】「上級ワンボックス」の定番 メルセデス・ベンツVクラス レクサスLMとVWマルチバンも 全122枚

近年の欧州は、ワンボックスカーの競争も激しい。フォルクスワーゲンT7マルチバンにフォード・トルネオ・カスタムなど、身近なモデルも選べる一方、新しいレクサスLMはBMW 7シリーズが競合だと主張されている。

とはいえ、上級モデルで定評を築いてきたのは、Vクラス。現行の3代目は2014年に発表されているが、競争力を維持するべく、フェイスリフトが施された。

2024年仕様の見た目の変化は、大きくなったフロントグリルとスリムになったヘッドライト、造形が豊かになったフロントバンパーなど。サイドビューに、大きな違いはない。ボディ色の展開は、ヴィンテージ・ブルーやソーダライト・ブルーなど多彩だ。

ホイールベースは、標準ボディとロングが3200mmで、エクストラロングは3430mm。後者の場合、7シーターから8シーターへ1席増やせる。

パワートレインは、OM654型と呼ばれる2.0Lターボディーゼル。英国仕様の場合、V 220dの163psとV 300dの236psという2段階の最高出力が設定される。後輪駆動のみで、エアサスペンションをオプションで組める。

マイルド・ハイブリッドの2.0Lガソリンターボも、2024年後半に追加予定。洗練性を追求するなら、バッテリーEV版のEQVの他にも選択肢が増える。

メルセデスらしい内装 3列目も広々

フェイスリフトでの変化が大きいのは、ボディの内側。内装は上質でアンビエントライトも備わり、メルセデス・ベンツに乗っていることを実感させる。運転席と助手席の間に、広大な空間があることを除けば。

ダッシュボードは、ウッド調やメタル調の化粧トリムで飾られる。大きなカウルで覆われたメーターパネルと、高い位置にあったタッチモニターは姿を消し、最新世代のMBUXシステムが稼働するワイドなモニターパネルへ置き換えられた。

ダッシュボード中央からは、手前側にコンソールが伸び、タッチパッドが載っている。その上部にはエアコンのスイッチ類も並び、扱いやすい。ステアリングホイール上にも、さほど正確に反応はしないものの、タッチタイプのコントローラーが備わる。

Vクラスの本領といえるのが、2列目以降。3列目も含めて、乗員空間は広々。シートは、フロアに伸びるレールの上をスライドするため、個別に広さを調整できる。2列目を後ろ向きに回転させることも簡単だ。

荷室は、ロングボディを選べば余裕があるものの、通常ボディでは限定的。シートを前方へスライドし、拡大はできる。

最後列でも、内装のプレミアム感は変わらない。ベージュ・レザーでコーディネートすれば、高級感はさらに増す。オプションで、高音質なサウンドシステムや、大面積のガラスルーフを指定することもできる。

走行時の上質さではT7マルチバンが勝る

パワートレインは、9速ATが低速域で若干ギクシャクする場面はあるものの、ディーゼルエンジンはトルクフルでVクラスとの相性が良い。今回は上位グレードのV 300d ロングへ試乗したが、複数の大人が乗車した状態でも、高速道路を安楽に運転できた。

高速域でも、風切り音は驚くほど小さい。反面、高負荷時にザラついたノイズが車内へ響く。せっかくの豪華な雰囲気へ、水を指すように。マイルド・ハイブリッドのガソリンターボの方が、上質さでは勝るはず。

エアサスペンションの乗り心地は、魔法の絨毯とはいえないまでも、高級車と呼ぶのにふさわしい滑らかさ。フランス・カンヌ周辺の平滑なアスファルトを、流暢にこなしていた。

ただし、低速域でツギハギの多い区間を走ると、ホイールの動きが伝わってくる。乗用車用プラットフォームをベースにした、フォルクスワーゲンT7マルチバンの方が、走行時のスムーズさでは優れるようだ。

燃費は、V 300dのカタログ値で13.5km/L。実際のところ、市街地でこの数字へ迫ることは難しい。

英国での価格は、7シーターのV 220d ロングで7万4585ポンド(約1410万円)から。ロングのV 300dでは、7万9865ポンド(約1509万円)へ上昇する。どちらも同じ2.0Lターボディーゼルを積むが、予算が許すならハイパワーな方を選びたいところ。

訴求力を高めたアップデート 今後も定番の1択に

標準装備は充実しているものの、1万3000ポンド(約246万円)の上乗せで、プレミアムからエクスクルーシブへアップグレード可能。ブルメスター社製サウンドシステムにパノラミック・ガラスルーフのほか、バックカメラ、一層上質な内装などを得られる。

今回のフェイスリフトで、Vクラスは重要な部分の更新に成功している。特に新しいインテリアは、最大の強みといえるだろう。プラットフォームは商用バンと共有するものの、乗用車に近い運転体験も、訴求力を高めている。

価格を考えれば、一般的な大家族の移動手段にはならないはず。だが、複数の役員などを同時に移動させる場面において、Vクラスは今後も定番の1択となるに違いない。

◯:先端から後端まで高級感の高いインテリア バン・ベースでありながら優れた操縦性 アップデートされたインフォテインメント・システム
△:高負荷時のディーゼルエンジンのノイズ 庶民には縁遠い価格

メルセデス・ベンツVクラス V 300d ロング(欧州仕様)のスペック

英国価格:7万9865ポンド(約1509万円)
全長:5140mm
全幅:1928mm
全高:1880mm
最高速度:241km/h
0-100km/h加速:7.9秒
燃費:13.5km/L
CO2排出量:195g/km
車両重量:2348kg
パワートレイン:直列4気筒1950ccターボチャージャー
使用燃料:軽油
最高出力:236ps/3500-4000rpm
最大トルク:50.9kg-m/1750-3250rpm
ギアボックス:9速オートマティック(後輪駆動)

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みんなのコメント

9件
  • 8888_8888
    魅力は、判るが、価格が、高すぎて、買えない。
  • fuji
    欧州車好きで、ベンツも現行のSとV所有してますが・・・
    Vに関しては正直微妙・・・
    エンジンはパワー不足感じるしブレーキの効きも甘い、じゃあ内装豪華かと言われるとそこまででもない・・・
    ミニバンはやっぱり日本メーカーに分があるのかなと思ってしまった
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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