はじめに
妥協なき大きさと速さ、そしてこの上ない実用性を備えたパフォーマンスワゴンを生み出すという点で、アウディに及ぶものはいまだない。
今でもこのコンセプトは馴染み深いものなので、今後も存続するのは当然と考えるだろうが、ライバルたちは徐々に近づいてきている。しかも、身内同士の競争も激化してきている。
考えるとおかしな話だが、RS6アバントが誕生して20年近い歳月が経った。すばらしく実用的だがみごとに控えめなワゴンの中でも、もっとも大きく、速く、魅力的なそのバリエーションは、2002年に初代が登場した。
長らく存在しなかった不思議なキャラクターは、すぐに人気を得た。それは、典型的なパフォーマンスカーに付きものの問題点にもはや頭を悩ますことがないのだから、今後も長く指示され続けるはずだ。
この第4世代によって、RS6は華々しい成人式を迎えることになるだろう。10年ほど前には、短期間ながら記憶に刻まれるV10ツインターボに浮気したこともあった。だが、それ以外にはV8ターボが積まれ、RS6のキャラクターを定義づける助けとなってきた。この新型も、エンジンはV8を採用している。
もちろん、クワトロことフルタイム4WDも備える。これまた、世界的に個性と地位を確立する上で強い影響力を発揮したメカニズムだ。
一方で、この新型の性能向上を図るため、新技術も導入。社会的責任というべき燃費性能も改善するマイルドハイブリッドから、運動性能を高める四輪操舵まで、それらは多岐にわたる。
ますます力をつけてきたライバルたちに後れを取らないことを目指したものだが、それは先代以上のアウトバーンクルーザーの誕生をおおいに予感させるものでもある。はたしてそれは、みごと達成されているのだろうか。
意匠と技術 ★★★★★★★★★★
フォルクスワーゲングループにおけるパフォーマンスカーのヒエラルキーには、率直にいって物申したいところがある。新型RS6は、驚くほどそれに左右されることはないが。
新型のV8は3996ccで、2011年に登場したベントレーと共同開発の3993ccユニットに代わるものだ。ベントレーの現行コンチネンタルGTやベンテイガ、ポルシェのパナメーラGTSやカイエン・ターボに積まれるのと同じものだ。
しかしRS6では、それらいずれよりもパワフルな仕様とするべく開発された。ややロングストローク気味だった先代ユニットに対し、こちらのボア/ストローク比は完全にスクエアな設定だ。
最高出力は599ps、中回転域の2500rpm近い範囲で発生する最大トルクは81.6kg-mに達する。メカニズム面で関連のあるRS7スポーツバックやRS Q8でも、これほどの性能は出せていない。
グループ内を見回しても、これと同等のアウトプットでめざましいパフォーマンスをみせているのはランボルギーニ・ウルスくらい。ポルシェのターボS Eハイブリッドを名乗るモデルもスペック面では近いが、それらはもちろん電力アシストがあってのことだ。
とはいえ、そのエンジンにハイブリッドシステムが組み合わされているというのは皮肉なものではないか。48V電装系とスターター兼ジェネレーターは、回生ブレーキで最大12kWのパワーを生み出す。
巡航速度で最大40秒、イグニッションをカットしてのコースト走行も可能。気筒休止も備わり、かつてのテスト基準であるNEDCの郊外モード燃費であれば、10.6km/L以上をマークする。
先代モデルのように、新型も機械式フルタイム4WDを採用。センターディファレンシャルはパッシブでロックするトルセンで、通常時は駆動力の60%を後輪へ配分。トラクションが悪化すると、最大85%を前輪へ送る。
後輪へのトルクは、アウディスポーツのリアLSDにより左右へ不等分に差配。電子制御クラッチにより、外輪側を余分に回すこともできる。さらに、ブレーキを用いたトルクベクタリング機構も装備している。
サスペンションは前後ともマルチリンクで、アウディスポーツが再調整した専用品。トレッドはスタンダードなA6より40mm拡幅され、最低地上高は20mm下げられている。また、標準装備のエアサスペンションは、高速域でアクティブに車高を下げる。
スティールのコイルスプリングと、対角線上の2本を連携させたダンパーを用いるダイナミックライドコントロールは、最上位グレードのヴォルスプラングに標準装備。他グレードでは、オプション設定されている。
今回、トルク可変式4WDに加え、RS6としてははじめて四輪操舵機構が用意され、英国仕様では全車に装備される。カーボンセラミックブレーキも装着できるが、9200ポンド(約129万円)と高額なオプションだ。
内装 ★★★★★★★★★☆
アウディの内装デザイナーの高い実力を物語るのが、このブランドの大型モデル用キャビン構造だ。実にラグジュアリーで高品質なそれは、5万ポンド(約700万円)級のA6とオプション込みで13万ポンド(約1820万円)に迫る今回のテスト車に共通するものだが、いささかも矛盾することはないのだ。
このクルマのインテリアは先進技術満載で、電子ギミックが洗練性を感じさせる、まさしくアウディのフラッグシップに期待される雰囲気がある。それを醸し出しているのが、鮮明なディスプレイと、クールな金属につややかな黒を組み合わせた巧みなコンビネーションだ。
スポーティテイストのディテールは、毎度ながら趣味はいいものの控えめ。それでも、下位モデルのA6とは明確な差別化が図られている。
テスト車は、黒いレザーと赤いステッチのコントラストが際立つ。アルカンターラのステアリングホイールとシフトセレクターは、モータースポーツにブランドのルーツがあることを感じさせる。
前席では、すばらしいほどの開放感が味わえる。オプションのパノラミックグラスルーフによるところもあるが、実際に車体が大きいことも一因だ。
その広々とした空間は、後席にもみられる。レッグルームはBMW M5には20mm及ばないものの、実測で720mmあった。対してヘッドルームはフロントが990mm、リアが920mmで、こちらはアウディの方が一枚上手だ。
いずれにせよ、後席には大人ふたりが余裕を持って着座できる。チャイルドシートの取り付けはかなりわかりにくいが、それがなければ子ども3人が座れるだけの幅がある。
荷室容量は、通常時で565L、リアシートをフラットにフォールドすれば1680Lまで拡大できる。奥行きは1160~1970mm、幅は1020~1260mm、高さは410~730mmだった。
開口部とフロアはほぼ段差がなく、重い荷物も容易に積み込める。また、走りを楽しんでも荷物が散乱しないよう、固定用のレールやネット、フック、伸縮式ベルトが用意されている。
走り ★★★★★★★★★☆
まず、ネガティブな話からはじめたい。このとてつもなくパワフルな4.0LツインターボV8のガッカリな点を挙げるとすれば、サウンドに関するものだ。
ちょっと聞く限り、朗々と響くそれは、野太く唸るアグレッシブさが非常に魅力的に思える。ところが、もっと表現力豊かなメルセデスAMGのE 63や、それにはやや劣るがBMWのM5のV8と比べてしまうと、ちょっとばかり自制してしまっているように感じてしまう。
オプションのRSスポーツエグゾーストを装備しても、キャビンで耳に届く音は、ほかの部屋から漏れ聞こえてくる音楽のよう。この手のクルマなら、もっと近くで、細かいところまで聞き込みたいのだが。
もうひとつ、気になるポイントを挙げるとしたら、それは燃費だろう。テスト時の平均は6.9km/Lに止まり、動力性能テストの際には3.5km/Lという惨憺たる数字を見る羽目になった。
このエンジンが600ps級の出力を誇り、車両重量が実測2.2tを超えることを考えれば、それも驚くには値しない。とはいえ、日常の足に使うとするならば、少なからぬマイナス材料だ。また、マイルドハイブリッドなどの燃費向上策も、たいして奏功していないといえる。
それでも、サマータイヤとドライなサーキットの組み合わせもあって、このアウディは燃費の悪さを忘れさせるほど、貪欲に速さを求める。完璧なまでにクリーンな発進をするには、タイヤを温めるために準備走行が必要だが、それさえ済めば信じがたいほどの獰猛さでスタートラインを飛び出す。
まずはリアに移動した荷重がフロントへ遷移するにつれ、前輪は束の間、足掛かりを得ようと路面を引っ掻く。だが、そこを過ぎてしまえば、このサイズのクルマとしては驚くべき勢いでペースを上げていく。
過剰かと問われるならばそうかもしれない。必要ないという意見にも異議はない。しかしそれ以上に、この上なくみごとだといえる。
テスト車は、0-97km/hを3.3秒で駆け抜ける。いっぽう、0-161km/hは7.8秒だった。RS6より軽量なM5と比較すると、97km/hまでは肩を並べるが、161km/hに達するのはBMWのほうが0.3秒先だ。
ギアを固定しての加速性能をみると、4速での48-113km/hは4.6秒とみごとなスコア。それでも、M5の4秒フラットには及ばない。そうはいうものの、RS6がパワー不足だと主張しても、なかなか賛同は得られないだろう。
8速のギアボックスは、よくしつけられている。発進時にややシフトが忙しないところもあるが、走り出してしまえば素早くスムースに変速する。
カーボンセラミックブレーキは、低速では食いつきがちなところもあるが、必要としたときにみせる制動力の強さは疑問の余地なし。それは、ブレーキテストの結果が明らかに示している。
使い勝手 ★★★★★★★★☆☆
インフォテインメント
アウディのインフォテインメントシステムとしては最上位機種であるMMIナビゲーションプラスと、12.3インチのディスプレイを備えるバーチャルコックピットは、RS6アバント全車に標準装備される。
グラフィックのクオリティと入力へのレスポンスは、同機種で経験済みではあるが、実に爽快だ。だが、走行中はやや操作しづらい点も、これまで通りだった。
まず、それなりに強く押さないと反応しないのが問題点として挙げられる。しかし、それより悪いのは、望ましくないほど画面へ目を向ける時間が長く必要だということだ。
それでも、バーチャルコックピットの調整の自由度はみごとなほど。RSモードの追加も、魅力的に感じるユーザーが少なくないはずだが、テスター陣からは無駄なギミックだという意見も上がった。
テスト車には、6300ポンド(約88万円)のバング&オルフセン製サウンドシステムも装着されていた。たしかに高価なアイテムだが、セッティングが正しくできれば、これまでみてきたカーオーディオの中でも最高レベルといえる実力を発揮してくれる。
燈火類
アダプティブマトリックスLEDヘッドライトは標準装備。テストする機会はなかったが、別の機会に試した同じライトユニットでは、すばらしい照射範囲と、素早い眩惑防止機能をみせた。
ステアリングとペダル
ペダル配置には問題なし。スロットルとブレーキの各ペダルは、長距離運転しても快適だ。ステアリングコラムとシートの調整機構もエクセレント。
操舵/安定性 ★★★★★★★★☆☆
これまでのフロントエンジンで速いアウディに馴染んでいるなら、新型RS6ではじめてコーナーへとステアリングを切った瞬間、驚きを覚えるはずだ。
少なくとも、テスト車のようにコイルスプリングが装備されていれば、4WSにオプションの冬タイヤが組み合わされていても、レスポンスに優れるのだ。ちなみに今回、動力性能テストでは夏タイヤ、それ以外では冬タイヤを装着した。
これまで、アウディのワゴンで真に俊敏だと感じたいなら、RS4を選ぶしかなかった。しかし、少なくともこのRS6は、走りの熱いアウディのビッグワゴンだ。
そのポジションは、従来の速いけれどもやや緩慢で走りにのめり込めないものから、M5やE 63 Sと真っ向勝負できるものへと移行した。ただし、そのハンドリングがライバルたちと肩を並べるほどキレがいいとはいえない。
そのライバルたちと決定的に異なるのは、後輪駆動モードが用意されていないことだ。しかも、四輪駆動システムは、駆動力配分が競合車たちほど後輪寄りには設定されていない。
このクルマが、これまでの大きく速いアウディとそっくり同じような挙動をみせることはない。コーナー進入時にはやや、脱出時にはおおいに出るはずのアンダーステアがないのだ。
その代わり、進入でのグリップは上々で、脱出に向けてのコーナリングは実にニュートラル。それは、RSチューンのアクティブリアデフの恩恵だ。
もっとも、正気ならざる速度域でそうだといっているわけではない。その物腰は、日々の活発なドライビングでなら味わえるが、サーキットでの狂気的なペースでは違うのだ。
アクティブリアステアの制御も上々。この手のシステムで、メーカーがナチュラルで予想しやすいようチューニングしているレアケースだといえる。
コインの縁をなぞるようなコーナリングとはならない。むしろ、適度な重さで、ややソフトだが精確なステアリングを切るだけで、RS6は自らコーナーへ向かっていくように感じさせるのだ。
高速域では、後輪操舵がスタビリティ向上をアシストする。トレッドブロックがところどころつぶれたウインタータイヤでも、これくらいの最高速度を持つクルマに期待される良好な安定感をみせる。パフォーマンスを重視した、このクルマにふさわしいサマータイヤを履いていれば、もっといい結果になるのは間違いない。
快適性/静粛性 ★★★★★★★★☆☆
過去の速いアウディに共通していた特徴をもうひとつ挙げるなら、乗り心地が安定しなかったことだ。とくに、サスペンションとホイールのオプション選びをしくじったときに、その傾向が顕著だった。
ところが新型RS6は、ローダウンしたスティールスプリングとダイナミックライドコントロールに、22インチホイールと30タイヤを組んでも、ひどいことにはならない。路面不整のほとんどは、みごとなまでに効率よく吸収する。
また、うつろに響く異音も発生しない。スプリング代わりのエアバッグを四輪に備えるエアサスペンションでは、ときおり悩まされる類のそれだ。
今回のテストは大部分でウインタータイヤを用いたが、悪天候を想定したブロックは、通常より挙動を多少ソフトなものにする。とはいえ、パフォーマンス重視のサマータイヤであっても、このRS6の乗り心地は驚くほどなめらかで、荒れた路面にもライバル車であるBMWやメルセデスAMGよりうまく対応できる。
遮音性も最高クラス。もともとアウディの4.0Lツインターボユニットは、AMGやMのV8より音が抑えめだが、アイドリングのみならず巡航時や高回転時にも騒音レベルは低い。質のいいサウンドシステムの存在もあって、おそらくこのクラスでもっとも楽に乗れるクルマに仕上がっている。
購入と維持 ★★★★★★★★☆☆
新型RS6は、アバントと銘打ったワゴンのみの設定で、価格は9万2750ポンド(約1299万円)から。高額なのは間違いないが、ライバルたちの動向に照らすと、法外な値付けとはいえない。
また、ポルシェ911の廉価グレードが標準的な装備内容で同程度の価格になることを考えると、リーズナブルに思えてくる。2004年に初代が英国で発売された際の、6万ポンド(当時のレートで約1200万円)をわずかに下回る程度だった価格も同じことがいえる。
新型のグレードは標準車に始まり、カーボンブラック、ローンチエディション、フル装備で10万9250ポンド(約1530万円)のヴォルスプラングを用意する。
いずれも四輪操舵やマトリックスLEDアクティブヘッドライト、フルデジタルの計器盤、プライバシーガラスは標準装備。カーボンブラックには、専用のエクステリアパーツが与えられる。
最上位グレードのヴォルスプラングは、さすがの充実ぶり。ダンパー連携サスペンションのダイナミックライドコントロールやアウディスポーツのアクティブエグゾースト、バング&オルフセンのプレミアムオーディオ、ヘッドアップディスプレイなどが標準装備される。ドライバーズエイドのアクティブデバイスもフル装備だ。
スペック
レイアウト
C8世代のRS6は、フォルクスワーゲングループのMLBエボがベース。つまりはポルシェ・カイエンやランボルギーニ・ウルスとも大部分を共有するプラットフォームだ。
4.0LのV8ツインターボはフロント縦置きで、8速ATとトルセン式センターディファレンシャル、リアのeデフを介して四輪を駆動する。四輪操舵と48Vマイルドハイブリッドは標準装備。テスト車の実測重量は2217kgで、前後重量配分は55:45だ。
エンジン
駆動方式:フロント縦置き四輪駆動
形式:V型8気筒3996cc、ツインターボ、ガソリン
ブロック/ヘッド:アルミニウム
ボア×ストローク:φ86.0×86.0mm
圧縮比:10.0:1
バルブ配置:4バルブDOHC
最高出力:599ps/6000~6250rpm
最大トルク:81.6kg-m/2050~4500rpm
許容回転数:6500rpm
馬力荷重比:289ps/t
トルク荷重比:39.3kg-m/t
エンジン比出力:150ps/L
ボディ/シャシー
全長:4995mm
ホイールベース:2929mm
オーバーハング(前):959mm
オーバーハング(後):1107mm
全幅(ミラー含む):2110mm
全幅(両ドア開き):3730mm
全高:1487mm
全高:(テールゲート開き):2070mm
足元長さ(前):最大1120mm
足元長さ(後):最大720mm
座面~天井(前):最大1030mm
座面~天井(後):最大990mm
積載容量:565~1680L
構造:アルミニウム/スティール、モノコック
車両重量:2075kg(公称値)/2217kg(実測値)
抗力係数:0.35
ホイール前/後:10.5Jx22
タイヤ前/後:285/30 ZR22 101Y
ピレリPゼロ
スペアタイヤ:パンク修理キット
変速機
形式:8速AT
ギア比/1000rpm時車速〈km/h〉
1速:4.71/9.2
2速:3.14/13.7
3速:2.11/20.4
4速:1.67/25.7
5速:1.29/33.5
6速:1.00/43.0
7速:0.84/51.3
8速:0.67/64.4
最終減速比:3.20:1
燃料消費率
AUTOCAR実測値:消費率
総平均:6.9km/L
ツーリング:11.6km/L
動力性能計測時:3.5km/L
メーカー公表値:消費率
低速(市街地):4.7km/L
中速(郊外):7.6km/L
高速(高速道路):9.3km/L
超高速:9.1km/L
混合:7.8~8.0km/L
燃料タンク容量:73L
現実的な航続距離:504km
CO2排出量:268g/km
サスペンション
前:マルチリンク/コイルスプリング、連携式アダプティブダンパー、スタビライザー
後:マルチリンク/コイルスプリング、連携式アダプティブダンパー、スタビライザー
ステアリング
形式:電動、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:2.25回転
最小回転直径:-m
ブレーキ
前:440mmカーボンセラミックディスク
後:370mmカーボンセラミックディスク
静粛性
アイドリング:40dB
全開時:72dB(4速)
48km/h走行時:58dB
80km/h走行時:61dB
113km/h走行時:66dB
安全装備
ABS/ESC/ACC/ハイビームアシスト/シティアシストパッケージ
Euro N CAP:5つ星(アウディA6)
乗員保護性能:成人93%/子供85%
交通弱者保護性能:81%
安全補助装置性能:76%
発進加速
テスト条件:乾燥路面/気温9℃
0-30マイル/時(48km/h):1.4秒
0-40(64):2.0秒
0-50(80):2.6秒
0-60(97):3.3秒
0-70(113):4.2秒
0-80(129):5.2秒
0-90(145):6.5秒
0-100(161):7.8秒
0-110(177):9.4秒
0-120(193):11.3秒
0-130(209):13.4秒
0-402m発進加速:11.7秒(到達速度:196.0km/h)
0-1000m発進加速:-秒(到達速度:-km/h)
ライバルの発進加速ライバルの発進加速
BMW M5
テスト条件:湿潤路面/気温8℃
0-30マイル/時(48km/h):1.7秒
0-40(64):2.3秒
0-50(80):3.2秒
0-60(97):4.1秒
0-70(113):5.4秒
0-80(129):6.7秒
0-90(145):8.3秒
0-100(161):10.3秒
0-110(177):12.5秒
0-120(193):15.2秒
0-402m発進加速:11.5秒(到達速度:201.3km/h)
0-1000m発進加速:20.8秒(到達速度:256.0km/h)
中間加速
20-40mph(32-64km/h):1.5秒(2速)/2.3秒(3速)
30-50(48-80):1.3秒(2速)/1.8秒(3速)/2.5秒(4速)/3.6秒(5速)
40-60(64-97):1.7秒(3速)/2.2秒(4速)/2.8秒(5速)/4.6秒(6速)/7.4秒(7速)
50-70(80-113):1.8秒(3速)/2.2秒(4速)/2.7秒(5速)/3.7秒(6速)/5.6秒(7速)/11.3秒(8速)
60-80(97-129):1.9秒(3速)/2.2秒(4速)/2.9秒(5速)/3.6秒(6速)/4.7秒(7速)/8.7秒(8速)
70-90(113-145):2.3秒(4速)/3.0秒(5速)/3.8秒(6速)/4.7秒(7速)/7.1秒(8速)
80-100(129-161):2.5秒(4速)/3.1秒(5速)/4.1秒(6速)/5.0秒(7速)/6.7秒(8速)
90-110(145-177):3.3秒(5速)/4.3秒(6速)/5.4秒(7速)/7.2秒(8速)
100-120(161-193):3.5秒(5速)/4.4秒(6速)/5.8秒(7速)/8.1秒(8速)
各ギアの最高速
1速:59.5km/h(6500rpm)
2速:88.5km/h(6500rpm)
3速:132.0km/h(6500rpm)
4速:167.4km/h(6500rpm)
5速:217.3km/h(6500rpm)
6速:278.4km/h(6500rpm)
7速:304.2km/h(5945rpm)
8速(公称値):304.2km/h(4727rpm)
6速・70/80マイル/時(113km/h/129km/h):1751rpm/2001rpm
制動距離
テスト条件:乾燥路面/気温9℃
30-0マイル/時(48km/h):8.5m
50-0マイル/時(64km/h):22.3m
70-0マイル/時(80km/h):43.9m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:2.73秒
ライバルの制動距離BMW M5
テスト条件:湿潤路面/気温8℃
30-0マイル/時(48km/h):9.3m
50-0マイル/時(64km/h):25.5m
70-0マイル/時(80km/h):50.3m
結論 ★★★★★★★★☆☆
アウディスポーツのフラッグシップとなるスーパーワゴンは、歴代モデル以上の圧倒的な速さと徹底した目的の遂行ぶり、そして抜群のルックスを兼ね備えた。
鷹のような鋭さを増した見栄えは、ドライバーを魅了する能力が高められたことを予感させる。しかし、その印象は実際の走りと完全にシンクロするものではない。
RS6の揺るぎない全天候型トラクションは、恐れおののくほどの走破性をみせる。だが、やはりインフォメーションを伝えてこないステアリングはライバルたちを走らせるときほど熱中できないドライビングの一因となっている。
また、やや抑えめな性格のエンジンサウンドと、爆発的な直線加速は、どうにも不釣り合い。そこに戸惑いを覚えることもあるだろう。
BMW M5やメルセデスAMG E 63 Sは、さまざまな理由から、もっとスリリングなクルマとなっている。もっとも、M5にワゴンの設定はないのだが。
だが、アウディのキャビンはラグジュアリーで実用的だ。また、よくしつけられた乗り心地や全体的な洗練性は、ライバル2台が手こずるような不整路面を走ることのある日常遣いに適したものだ。
このクラスでもっとも使い勝手のいいオールラウンダーであることは、必ずしもこのクラスのチャンピオンであることと同義ではない。それでも、RS6の魅力が否定しがたいものであることは確かだ。
担当テスターのアドバイス
サイモン・デイヴィスアウディスポーツは、このRS6を自分たちの看板となるモデルだと考えているが、それはみてとれるはずだ。ほかのRSモデル同様の問題点もあるが、その挙動や速さ、そしてルックスは嫌いになれるものではない。
マット・プライアーライト関連のスイッチをすべて独立したボタンとするのには、納得できる理由があると思う。それでも、ダイヤルに統合されているほうがいい。とくに、道を譲ったり譲られたりの際、相手にヘッドライトで合図するときには、そのほうが便利だ。
オプション追加のアドバイス
カーボンパーツがお好みなら、今回のカーボンブラック仕様がおすすめ。出費を惜しまないなら、3000ポンド(約42万円)のアウディエクスクルーシブペイントもアリだろう。また、1300ポンド(約18.2万円)のDRCサスペンション、1450ポンド(約20.3万円)のスポーツエグゾースト、1895ポンド(約26.5万円)のコンフォート&サウンドパッケージもほしいところだ。
改善してほしいポイント
・適切なセンターデフはそのままに。クラッチ式4WDを上回る雪上トラクションは、アウディRSのキモだ。
・ステアリングはもう少し生気とフィードバックがほしい。
・静粛性に優れるのはうれしいが、高回転時にはもう少し音を聴かせてくれても悪くない。
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