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陰口は叩かれたものの…なんだかんだ言って爪痕を残したクルマたち

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陰口は叩かれたものの…なんだかんだ言って爪痕を残したクルマたち

 良くもなく悪くもないクルマと、突飛した機能・装備・デザインによって陰口を叩かれたクルマ。アナタの記憶に残っているクルマはもちろん、後者だと思う。要は、いろいろ言われたって、なにかしらの爪痕を残したクルマは何歳になっても記憶に残っているものだ。ここでは、その強烈すぎる個性が仇となって悪口が絶えなかった(?)、不朽の名車5モデルを紹介していこう。

文/FK、写真/トヨタ、日産、マツダ、三菱、FavCars.com

ザ・直線番長!! 三菱の技術と気合があふれていた「GTO」の雄姿と最期

[gallink]

ヴェロッサはカスタムシーンで“エモさ”を発揮したトヨタの異端児

エクステリアデザインがウリだったヴェロッサ。車名がイタリア語の「Vero(真実)」と「Rosso(赤)」を組み合わせた造語というだけに、イタリアンテイスト溢れるデザインが施された

 “エモーショナルセダン”を開発テーマに掲げたヴェロッサは、チェイサー/クレスタの後継モデルとして2001年7月にデビュー。

 280psを発生する2.5リッターツインターボの1Z-GTEを筆頭に、超希薄燃焼を可能にした2.5リッターガソリン直噴の1JZ-FSE D-4、VVT-iなどの先進技術を投入した2.0リッター1G-FEの3種類のエンジンが設定されたが、なかでも1JZ-GTEを搭載した最上位グレードのVR25ではシンクロ機構の見直しなどでスポーティなシフトフィールを実現したショートストロークの5MTも採用。その開発テーマに違わぬ心昂ぶるドライビングを提供した。

 このように操る心地良さも追求したヴェロッサだったが、それ以上に大きなインパクトを与えたのがエクステリアデザインだ。その売り文句は“塊から削り出した彫刻のような造形により躍動感と美しさを表現”だったが、クセの強いフロントマスクや腰高感が否めないスタイリングに否定的な意見が続出。

 それがセールスにも影響したのか、販売期間は3年に満たない短命の一台となってしまったが、ヴェロッサが放った強烈すぎる個性はチューニング&ドレスアップのベース車両として大きな人気を集めた。

直線番長で何が悪い? 止まらないし曲がらなかったGTO

バブル真っただ中の1990年、280psウォーズが繰り広げられるなかで登場したスポーツクーペ。一代で終わってしまったモデルだが、2001年の生産終了までに4度のマイナーチェンジが実施された

 Z32型フェアレディZを起点に勃発した280psをめぐるパワーウォーズ。その戦線に三菱が送り込んだ刺客が1990年10月にリリースしたGTOだ。

 重戦車と呼ばれた大柄な車体に、新開発のV6 3.0リッターツインターボと電子制御可変吸気システムを採用したノンターボの2種類のエンジンを搭載。VCU式フルタイム4WDがそのパワーを確実に路面に伝達するとともに、ショックアブソーバーの減衰力を電子制御するECSや中・高速時に後輪を前輪と同方向に操舵する4WSなどにより優れた操縦安定性を発揮したが、重量級マシンゆえの泣きどころでもある“止まらない・曲がらない”はいかんともしがたく、直線番長という不名誉な異名を与えられることに。

 しかし、前述のECSや4WSなどの先進技術の他にも、高速走行時にフロントベンチュリーカバーとリアスポイラーが自動的に可動するアクティブエアロシステムやマフラーの流入経路を切り替えることスポーティなサウンドが楽しめるアクティブエキゾーストシステムといったハイテク装備を満載。

 三菱の本気が伺えたスーパー4WDスポーツカーは今も人気は高く、中古車市場では高値で取り引きされている。

ユーノスコスモは3ローターのエンジンだけが取り柄じゃない

1990年4月に登場した4代目からマツダ コスモからユーノス コスモへと名称が変更された。初代のコスモスポーツ以来のロータリーエンジン専用車とした注目を浴びた

 史上最高のロータリー車を目指して1990年4月に登場したユーノスコスモ。

 その最たる特徴は世界初搭載となった3ローター仕様の20B型ロータリーエンジンで、シーケンシャルツインターボとの組み合わせは280psの最高出力を実現。圧倒的な動力性能はもとより、その回転の滑らかさはV型12気筒エンジンに匹敵すると高く評価された。しかし、燃費性能とはトレードオフの関係があるのは言うに及ばず、10・15モードで6.4km/Lの極悪燃費は“金食い虫”と揶揄されることも……。

 3ローターエンジンばかりが注目されがちなユーノスコスモだが、上質で豊かな気分になれるラグジュアリーな空間を目指した内容も特筆すべきポイントだ。オーストリア製の最高級品を使用した本革シートや、フランス産の楡(にれ)材をミラノで仕立てた天然杢のウッドパネルは本物志向を目指したマツダのこだわりが見て取れる部分といえる。

 さらには、世界初となるGPS搭載カーナビゲーションシステムやエアコン・オーディオがステアリングパッドで操作できるパームネットスイッチを採用するなど、まさしく“先例のない高級パーソナルクーペ”として一時代を築いた。

次世代の高級セダンの道筋をつけた名車、インフィニティQ45

インフィニティブランドの象徴と言うべき存在だったインフィニティQ45。グリルレスのマスクには七宝のエンブレムが鎮座。当時、斬新なデザインと話題となった

 バブル絶頂期の1989年、北米の高級車市場に参入するべくインフィニティブランドの展開をスタートした日産。

 その第1弾モデルとして発売されたのがインフィニティQ45だ。グリルレスのフロントマスクと七宝焼きのエンブレムが見る者に強烈なインパクトを与えたインフィニティQ45だが、フラッグシップセダンを謳う一台だけあって、エンジン&メカニズムも超一級品が与えられた。

 エンジンは自然吸気ながら当時の最新テクノロジーを投入した最高出力280psを誇る4.5リッター V8のHV45DEを搭載。このエンジンにフルレンジ電子制御オートマチックを組み合わせるとともに、エンジンとミッションを総合的にコンピュータ制御するDUAL-EAIIも搭載された。

 足回りも世界初の油圧アクティブサスペンションを導入。バウンス、ロール、ピッチング、車高、ステア特性など制御範囲は多岐に渡り、走行のあらゆる状態をコントロール。滑空感覚ともいえる異次元の走りを予感させた。

 他にも枚挙に暇がないほどの先進技術を投入したインフィニティQ45は販売面でこそ苦戦を強いられたが、次世代の高級セダンの在り方を決定づける一台となったことも間違いない。

スポーツコミューターとしての役割を与えられた初代MR2のユ・ウ・ウ・ツ

ミドシップはスーパーカーの専売特許というイメージを払拭したMR2。これだけでも、MR2の貢献度は大きいと言えるだろう

 国産小型乗用車初のミドシップモデルとして1984年6月にデビューしたMR2は、当時スポーティコミューターという新しい需要を喚起したGMの動きに呼応して開発された一台。

 130psの最高出力を誇る1.6リッター直4 DOHCの4A-GELUエンジン、新世代サスペンションのPEGASUS(ペガサス)、スペース効率と重量配分に優れるセンターマウントフューエルタンク、1000kgを切る車両重量の相乗効果がもたらしたキビキビとした走りはたちまち人気を獲得し、1984-1985年の日本カー・オブ・ザ・イヤーも受賞。

 1986年に行われたマイナーチェンジでは4A-GELU型にルーツ式スーパーチャージャーを組み合わせた、当時のテンロククラス最高となる145psを発生した4G-GZE搭載モデルもラインナップに追加されたが……MR2はピュアスポーツではなく、乗降性、シート高さ、ラゲッジスペースなど使い勝手の良さにも配慮したスポーツコミューターという性格上、「面白味に欠ける」と評価されることもしばしば。

 しかし、それまではスーパーカーでしか味わうことができなかったミドシップをより身近な存在にしてくれたという功績は未来永劫色褪せないだろう。

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