この連載では、昭和30年~55年(1955年~1980年)までに発売され、名車と呼ばれるクルマたちを詳細に紹介しよう。その第16回目は、イタリアンデザインを日本で初めて採用したプリンス・スカイラインスポーツの登場だ。(現在販売中のMOOK「昭和の名車・完全版Volume.1」より)
ミケロッティが手がけた国産初の2ドアクーペ
昭和37(1962)年4月に粋なプレステージ・スペシャリティカーとして誕生したスカイラインスポーツ。日本車として最初にイタリアン・デザインを取り入れたクルマとしてその名を歴史に名を留めている。
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デビューは昭和35(1960)年11月の第42回トリノ・ショーで、プリンス・グロリアのシャシにジョバンニ・ミケロッティがデザインしたボディを架装した2ドア・クーペとコンバーチブルが出品されて注目を集めた。デュアル・ヘッドライトを45度傾けた異色のフロント・デザインが特徴で、これは昭和36(1961)年の東京モーターショーにも展示された後、翌年4月からスカイラインスポーツとして市販に移された。
2ドアクーペとコンバーチブルが用意され、どちらも贅の限りを尽くした豪華仕様となっている。メカニズムの多くはベースのグロリアのもので、エンジンはGB4型。直4OHV・1862ccだが、吸排気系の改良により出力は94psに増大している。
前輪はウイッシュボーン/コイル独立懸架、後輪はド・ディオンアクスルが採用され、ロードホールディングに優れ、最高速も当時の日本車最高の150km/hとなっていた。
昭和38(1963)年5月に開催された第1回日本グランプリには、スカイラインスポーツが2台参加、フェアレディ、MGB、トライアンフTR3/4などと競ったが、のちに名ドライバーとして名を成す生沢徹のドライブをもってしても10位に留まった。
驚くべきはその値段で、クーペで185万円、コンバーチブル195万円と、クラウンの2倍、ブルーバードの約3倍と、まさに高嶺の花。生産台数もわずか60数台だが、その後の日本の車づくりや、本格的デザインの重要性を強く印象づけた点では、計り知れぬ重要な役割を果した。
また、日本車として初めての本格的スポーツカーを志向したクルマとしても大きな意味を持っていると言えよう。しかし、不遇なパイオニアとして、2年後にひっそりと姿を消した。
プリンス・スカイラインスポーツ(1962・BLRA-3型)諸元
●全長×全幅×全高:4650×1695×1385mm
●ホイールベース:2535mm
●車両重量:1350kg
●エンジン型式・種類:GB4型・直4OHV
●排気量:1862cc
●最高出力:94ps/4800rpm
●最大トルク:15.8kgm/3600rpm
●トランスミッション:4速MT(コラムシフト)
●タイヤサイズ:5.90-15 4PR
●新車価格:185万円
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