現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【昭和の名車 38】マツダ カペラ ロータリークーペGS(昭和46年:1971年)

ここから本文です

【昭和の名車 38】マツダ カペラ ロータリークーペGS(昭和46年:1971年)

掲載 更新
【昭和の名車 38】マツダ カペラ ロータリークーペGS(昭和46年:1971年)

昭和は遠くなりにけり…だが、昭和生まれの国産スポーティカーは、日本だけでなく世界的にもブームとなっている。そんな昭和の名車たちを時系列で紹介していこう。今回は、昭和46年発売のマツダ カペラ ロータリークーペだ。

まさに“風”の速さを見せつけたロータリーパワー
マツダ カペラ ロータリークーペGS:昭和46年(1971年)10月発売
1970年代、マツダ(当時は東洋工業)は“ロータリゼーション”を旗印に、積極的にロータリー戦略を推し進めた。その第一弾として1970年5月にベールを脱いだのが、ブランニューモデルのカペラ・ロータリーだ。

現存する2台のうちの1台、あのマクラーレンF1がオークションに! 落札価格は?

マツダは67年に世界初の2ローター・ロータリーエンジンを搭載したコスモスポーツを発売し、その後、ファミリア・ロータリークーペとルーチェ・ロータリークーペを送り込んでいる。この3車に続く、ミドルサイズのロータリー搭載車が、カペラだ。

カペラはマツダの創立50周年を記念して企画されたクルマである。エンジニアの英知を結集して開発され、帝国ホテルを発表会場に選ぶなど、すべてにおいて並々ならぬ意欲を示した。

ボディバリエーションは4ドアセダンと2ドアクーペの2種類で、NA型4気筒エンジンを積むレシプロシリーズも設定されている。だが、カペラの主役となるのはロータリー搭載車だ。

スタイリングは、直線と曲面を織りまぜたダイナミックなものである。超音速ジェット機をイメージしたウエービングラインを採り入れ、ポップアップしたベルトラインや骨太のリアクオーターピラーを特徴とした。また、フロントとリアのフェンダーを六角形に絞り込み、ワイド感をアピールしている。

ヘッドライトはデビュー当初は角型だったが、71年10月のGシリーズ登場を機に丸型4灯式に改められた。さらに先進的な接着式ウインドーの採用や昇降可能なクーペのリアクオーターウインドーなど、新しい装備を満載している。

インテリアもスポーティムードあふれるデザインだ。厚いクラッシュパッドのなかに3眼メーターを組み込み、GS(グランドスポーツ)には3本スポークステアリングやセンターコンソールを採用した。クーペのフロントシートは、ライバルに先駆けてウォークインシステムを導入している。

エンジンは、カペラのために開発された12A型2ローター・ロータリーをメインに置く。基本的には10A型と同じだが、ローターハウジングの厚みを10mm増し、単室容積で573ccの排気量を得ている。また、排気孔をハニカムポートとして排気効率を上げ、トルク特性を改善した。

性能的にも10A型ロータリーを大きく凌ぐ。最高出力は120ps/6500rpm、最大トルクは16.0kgm/3500rpmというスペックは、2Lのスポーティカーに匹敵する動力性能だ。

サスペンションもロータリーのために開発された。フロントはトーションバー式スタビライザーを備えたストラット/コイル、リアは4リンク・ラテラルロッドで、ダンパーもガス封入式のド・カルボン・タイプを奢っている。

ちなみに最高速はクーペが190km/h、セダンが185km/hだ。0→400m加速も5名乗車時に16.2秒を達成、2名乗車では当時のスポーツカー並みの15.7秒を叩き出した。

カペラの頂点に立つのはクーペGSだったが、71年10月のGシリーズ追加設定時には、ロータリーでは世界初のAT仕様であるREマチックも設定された。シルキースムーズなロータリーとATの組み合わせは、スポーティATの先駆けとなった。

その余勢を駆って1972年2月には、カペラGシリーズのトップに君臨するクーペGSIIを投入している。サスペンション強化によって車高を40mm下げ、ボディサイドにはアローストライプを配した。足下も、165SR13ラジアルと4.5Jのホイールにグレードアップされている。

エンジンもわずかにパワーアップされ、最高指導者は125ps/7000rpm、最大トルクは16.3kgm/4000rpmに向上した。最高速はGSと同じ190km/hだが、5速MTを駆使すればゼロヨンを15.6秒で走り切る実力の持ち主である。

カペラGSIIは“風のカペラ”のニックネームを与えられ、サーキットはもちろん、公道でも速い走りを披露した。当時、カペラの六角形テールランプ(初期型は丸型)に脅威を感じたライバル車のオーナーも多かったはずだ。

カペラ ロータリークーペGS 主要諸元
●全長×全幅×全高:4150×1595×1395mm
●ホイールベース:2470mm
●重量:975kg
●エンジン型式・種類:12A型・直2ローター
●排気量:573cc×2
●最高出力:120ps/6500rpm
●最大トルク:16.0kgm/3500rpm
●トランスミッション:4速MT
●タイヤサイズ:165SR13
●価格:87万円

昭和の名車のバックナンバー

[ アルバム : カペラ ロータリークーペ はオリジナルサイトでご覧ください ]

こんな記事も読まれています

ホンダ 新型「N-VAN e:」用純正アクセサリー発売 EVならではのアイテム充実
ホンダ 新型「N-VAN e:」用純正アクセサリー発売 EVならではのアイテム充実
グーネット
アバルト「F595」「695」の国内販売終了 特設サイトにてキャンペーンがスタート
アバルト「F595」「695」の国内販売終了 特設サイトにてキャンペーンがスタート
グーネット
デミオ改め[新型マツダ2]登場もうすぐ!? そもそもどうしたら生き残れるのか!?
デミオ改め[新型マツダ2]登場もうすぐ!? そもそもどうしたら生き残れるのか!?
ベストカーWeb
ニュル24時間クラス優勝したSTIのガレージにレース翌日に訪問! STI辰己監督の勇退セレモニーが行われました【みどり独乙通信】
ニュル24時間クラス優勝したSTIのガレージにレース翌日に訪問! STI辰己監督の勇退セレモニーが行われました【みどり独乙通信】
Auto Messe Web
日産ノートオーラに「AUTECH」新設定!海をモチーフにしたスポーティなエクステリア
日産ノートオーラに「AUTECH」新設定!海をモチーフにしたスポーティなエクステリア
グーネット
DSオートモビル 「DS 9」“心に響く旅”誘う特別仕様車 ナッパレザーで品ある空間演出
DSオートモビル 「DS 9」“心に響く旅”誘う特別仕様車 ナッパレザーで品ある空間演出
グーネット
「問題点が多すぎる!」とフェラーリF1代表。散々だったカナダGPの週末を嘆く
「問題点が多すぎる!」とフェラーリF1代表。散々だったカナダGPの週末を嘆く
AUTOSPORT web
フェラーリ製V8をお手頃価格で! マセラティ・グランスポーツ UK中古車ガイド お安いだけの「理由」アリ?
フェラーリ製V8をお手頃価格で! マセラティ・グランスポーツ UK中古車ガイド お安いだけの「理由」アリ?
AUTOCAR JAPAN
“らしさ“が現れるのは外⾒だけじゃない!? 『今世紀最多』の立役者、LMDhを臓物から探る
“らしさ“が現れるのは外⾒だけじゃない!? 『今世紀最多』の立役者、LMDhを臓物から探る
AUTOSPORT web
「もう勝てないと思ってた」苦しみ続け、ついにSF初優勝を成し遂げた牧野任祐。第3戦SUGOこそ正念場
「もう勝てないと思ってた」苦しみ続け、ついにSF初優勝を成し遂げた牧野任祐。第3戦SUGOこそ正念場
AUTOSPORT web
ガスリー、ドライタイヤへの交換は1周早かったと認めるも「カートに乗っていたような気分で楽しかった」/F1カナダGP
ガスリー、ドライタイヤへの交換は1周早かったと認めるも「カートに乗っていたような気分で楽しかった」/F1カナダGP
AUTOSPORT web
ノリスの2位確保に貢献したピアストリ。フェルスタッペンを追うよりも、ラッセルとの戦いを優先/F1カナダGP
ノリスの2位確保に貢献したピアストリ。フェルスタッペンを追うよりも、ラッセルとの戦いを優先/F1カナダGP
AUTOSPORT web
「好感持てる」と反響! 4児の父「杉浦太陽」が新車で買った「高級ミニバン」公開! 「すごく乗りやすくて…」全貌を明かす姿にユーザー熱視線
「好感持てる」と反響! 4児の父「杉浦太陽」が新車で買った「高級ミニバン」公開! 「すごく乗りやすくて…」全貌を明かす姿にユーザー熱視線
くるまのニュース
「掃除機」でタイヤ粉じんを測定 髪の毛より小さな微粒子をキャッチ 新規制導入で
「掃除機」でタイヤ粉じんを測定 髪の毛より小さな微粒子をキャッチ 新規制導入で
AUTOCAR JAPAN
2.0Lターボで333馬力? スポーティに進化したVW「ゴルフR」まもなく発表へ
2.0Lターボで333馬力? スポーティに進化したVW「ゴルフR」まもなく発表へ
AUTOCAR JAPAN
最新デザイナーズ系賃貸ガレージハウスを紹介! ガラスとコンクリートに囲まれた最高の趣味の隠れ家でした
最新デザイナーズ系賃貸ガレージハウスを紹介! ガラスとコンクリートに囲まれた最高の趣味の隠れ家でした
Auto Messe Web
人気の“ジープ・ダック”も。コンパクトSUV『レネゲード』に装備満載で価格据え置きの特別限定車が登場
人気の“ジープ・ダック”も。コンパクトSUV『レネゲード』に装備満載で価格据え置きの特別限定車が登場
AUTOSPORT web
フェラーリの全ては12気筒から始まった 「12チリンドリ」日本初披露
フェラーリの全ては12気筒から始まった 「12チリンドリ」日本初披露
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

161.1207.1万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

38.0158.0万円

中古車を検索
カペラの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

161.1207.1万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

38.0158.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村