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「天気予報を信じられず」屈辱的敗戦のフェラーリ。ウエットへの交換が遅れ、コミュニケーションも破綻/WECイモラ

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「天気予報を信じられず」屈辱的敗戦のフェラーリ。ウエットへの交換が遅れ、コミュニケーションも破綻/WECイモラ

 フェラーリは、WEC世界耐久選手権の“ホームレース”イモラでの勝利の可能性を奪ったレース中盤のタイヤ戦略について、レース後に説明した。

 4月21日にイタリアのイモラ・サーキットで行われたシーズン第2戦の6時間レースにおいて、ワークスのフェラーリAFコルセの2台の499Pはレース前半を終えた時点でワン・ツー体制を堅持。今季初優勝へ向け、圧倒的に優位な状況を築き上げていた。

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 しかしレース残り2時間のところで天候が悪化、雨が降り出すと、状況が一変してしまう。

 トヨタGAZOO Racingは最初に雨に反応し、135周目には2台のGR010ハイブリッドをピットへ呼び戻し、ウエットタイヤへの交換作業を行う。ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツも、同じ周に6号車ポルシェ963をピットインさせた。

 2周後には5号車ポルシェ963もウエットへの交換を行った一方で、フェラーリ499Pは51号車、50号車、そしてAFコルセの83号車含めた3台すべてが雨に濡れた滑りやすい路面をスリックタイヤで周回し続け、1周あたり8~12秒程度のタイムを失うことになった。

 フェラーリの3台全車がウエットタイヤへの交換のためピットに入ったのは139周目。これにより7号車トヨタからは1分以上の遅れが生じ、その後ポルシェとの争いを制した小林可夢偉の駆るトヨタ7号車が大逆転勝利を収めた。

 レース終盤に路面が再び乾き、全車がスリックタイヤへと履き替えるとフェラーリ勢は力強いペースを見せたが、アントニオ・フォコ/ミゲル・モリーナ/ニクラス・ニールセンの50号車が4位まで順位を戻すのがだった。

■レーダーを信じられなくなった背景

 フェラーリのレース&テストチームマネジャーのジュリアーノ・サルヴィは後に、不正確な天気予報と、コミュニケーションの破綻により3台のクルマの戦略が分けられなかったことが、失敗の背景にあったと明らかにした。

「我々が手にしていた(天候の)情報は明らかに間違っていた」とサルヴィはレース後、記者団に語った。

「あの天気は、一時的なものだと思っていたんだ。ドライバーたちは、(雨のせいで)危機的なのは最終セクターだけであり、トラックの残りの部分はなんとかして走ることが可能だと感じていた」

「だが、状況は良い方向に進まなかった。ここで、コミュニケーションの連鎖を見直す必要がある。それは間違いだったのは明らかだからだ。我々はこの決定を、いくつかの間違ったシナリオに基づいて行ってしまった。ただし、我々の考えていることは、誰かを非難することではない」

「我々は、昨年ル・マンで“初心者”として優勝したのと同一の集団だ。そこでは我々は正しく行動し、ヒーローとなったが、いまは“ゼロ”だ」

「現時点ではその理由は明らかではないが、クルマごとに戦略を分割するべきだったのは確かで、そうしようとしたのだが、最終的にはそうはならなかった。明らかな誤りであり、すべての手順を詳細に見直す必要がある」

 さらにサルヴィは、フェラーリの気象情報はレースをひっくり返す原因となったにわか雨が「一時的なもの」だったことを示していたと説明し、「ドライバーたちは満足しており、(スリックタイヤで)走り続けるチャンスがあると感じていた」と付け加えた。

「重要な点は、天気予報の理解だった。我々のレーダーは、あの事態が起こるずっと前から状況が悪化することを示していたんだ。それによって、我々はレーダーを信じなくなり始めて、あの件が起こったわけだ」

「レーダーにあまり頼らなくても良い状況だと考え始めてしまった。それは明らかな間違いだったが、それは私たちがまだ究明すべきこことだ」

 フェラーリが予選で上位3台を独占し、開幕戦のカタールに比べて調子が好転し、レース序盤で圧倒的な優位性を享受する中、サルヴィはドライコンディションでの499Pの速さを強調することに熱心だった。

「良い点は、クルマがカタールの時とは違っていることだ。 とくにドライではクルマの挙動が非常に良かった」と彼は語った。

「昨年はル・マンで優勝するという成果を上げたかもしれないが、我々はいまだ同じく若いチームであり、時にはとんでもないことが起こることもある。今日は確かにひどい一日だった。応援に来てくれた人々には、本当に申し訳ない」

「我々がより良い仕事をする必要があることは確かだし、昨年示したように、我々はより良い決断を下せると確信している」

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みんなのコメント

1件
  • xtr********
    つまらないf1に
    ラリーはシトロエン辺りが居ないので実質ゴミみたいな車種ばかり、
    日本は夢を売るはずのトップカテゴリーのGTはコマが無いとの情けなさで大衆車で参戦とブランド作れないモノマネ会社はブランドブレブレでお笑い状態のなか、
    フェラーリが快走してるレースはいいね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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