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セダンが他の車と同時に開発される理由 ボディ共用化の利点とは

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セダンが他の車と同時に開発される理由 ボディ共用化の利点とは

■コンパクトカーとほぼ同じに見えるセダンが開発される理由は

 近年人気のクルマのボディタイプは、おもにミニバンやSUV、コンパクトカーなどがよく挙げられますが、いまだにクルマの「基本の形」ともいわれているのがセダンタイプです。

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 しかし、セダンのなかには、別のクルマをベースにトランク部分を足しただけで「セダン」と名乗っているように見えるクルマも存在します。クルマの基本形であるはずのセダンにも関わらず、なぜそのようなクルマが存在するのでしょうか。

 セダンは、独立したトランクを持つことが特徴のボディタイプです。ミニバンやSUV、ハッチバックなどのボディタイプとは異なり、乗員のスペースと荷室が明確に区切られていることから、静粛性や剛性面で有利といわれています。

 またRVブームやミニバンブームが起きる以前は、ファミリーカーといえばセダンという時代も長く続いていました。現在では、クルマの主流はほかのボディタイプに移行してしまったものの、セダンにこだわりを持つユーザーは少なくありません。

 しかしセダンのなかには、よく見るとドアの形状やフロントマスクの雰囲気が同メーカーのコンパクトカー(ハッチバック)と瓜二つな場合が存在します。

 そのような2台を横から並べてみると、車体前部から後席ドア付近までほぼ同じ形で、違いはトランク部分の有無だけ、というパターンも存在するのです。いったいなぜ似てしまうのでしょうか。

 理由はそのセダンの設計時に、コンパクトカーと車体の大部分を共有化して開発がおこなわれているからです。メーカーによっては開発時に、コンパクトカーの派生車種としてセダンが企画されている場合も多く存在します。

 自動車メーカーがコンパクトカーをベースにセダンを開発する理由のひとつに、販売面で主流のコンパクトカーとあわせて開発することで、より競争力のあるセダンを効率よく作りたいからということがあります。

 一例として、2002年に発売された小型セダンのホンダ「フィットアリア」がありますが、このクルマはホンダの主力コンパクトカー「フィット」の派生車種として登場しました。

 フィットアリアの特徴についてホンダは次のようにコメントしています。

「フィットアリアでは、弊社がフィットで採用して以来磨きあげてきた、独自の『グローバル・スモールプラットフォーム』をベースに、これまでのセダンでは考えられなかったスペースユーティリティを、現実のものにできるよう突き詰めていきました。

 余裕の室内高をもたらす『グローバル・スモールプラットフォーム』の優位性を最大限に生かすことで、広びろとしたキャビンを獲得したほか、従来のセダンにはない多彩なシートアレンジを実現しています」

 ※ ※ ※

 前述のコメントで触れられた室内の広さやシートアレンジなどの特徴は、すべてベースのフィットから受け継がれたものであることから、フィットアリアはコンパクトカーとセダンの良さをあわせ持ったクルマであったといえます。

 フィットアリアの後継車としては、現在「グレイス」が発売されています。

■これだけある! コンパクトカーとあわせて開発されたセダンたち

 フィットアリアのほかにも、コンパクトカーやハッチバックと骨格部分が共通しているセダンは多数存在します。国産セダンのなかから、前述のグレイスも含め3車種ピックアップして紹介します。

●ホンダ グレイス

 グレイスは2014年に発売された小型セダンです。当初はハイブリッド専用車として販売されていましたが、後にガソリンモデルも追加されました。

 34.8km/L(ハイブリッドモデルのJC08モード数値)の低燃費や室内の広さは、基本設計が共通のフィット譲りといえます。

●スズキ SX4セダン

「SX4セダン」は、スズキが同車の小型クロスオーバーSUV「SX4」をベースに開発したセダンで、2007年から2014年まで販売されていました。

 現在、SX4は後継車の「SX4 S-CROSS」へとポジションが引き継がれていますが、SX4セダンはこの代のみで販売終了となりました。

●日産 ティーダラティオ

「ティーダラティオ」は、日産が2004年に発売したセダンです。ベースとなったのは、ハッチバックの「ティーダ」で、室内の広さとインテリアの質感の高さはティーダ譲りといえるものでした。

 日産は2012年にティーダラティオの販売を終了。後継モデルは車名を改称し「ラティオ」として販売されましたが、ラティオも現在国内での販売を終了しています。

 ※ ※ ※

 クルマの基本形といえるセダンは、販売面で主流ではなくなった今でも、一定の需要があります。別のクルマと設計を共有化するという方法は、効率化することでより良いセダンを作ろうとするメーカーの姿勢のあらわれなのです。

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