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バブル期の初代「ディアマンテ」は「Eクラス」と「5シリーズ」と真っ向勝負! 90年代の三菱が誇っていた「MMCS」とは【カタログは語る】

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バブル期の初代「ディアマンテ」は「Eクラス」と「5シリーズ」と真っ向勝負! 90年代の三菱が誇っていた「MMCS」とは【カタログは語る】

今でも通用しそうな高級車らしいスタイルのミディアムカー

奥と手前の2列使いをした本棚の奥の列に並ぶ本の1冊を何十年ぶりかで手にとり、「ああ、自分はこんな本も読んだんだっけ」と懐かしく思う感覚に似ていると言えばいいか。三菱「ディアマンテ」の車名を久しぶりに目にしながらカタログを広げてみると、「ああ、一時期人気を集めたこんなクルマがあったなぁ」と、しみじみと思った。

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激戦区だったミディアムクラス界に挑戦的なコピーとともに登場

別稿で今の三菱の乗用車にセダンがないことを書いたばかり。だが、ディアマンテが登場した1990年は? と、自工会発行の『自動車ガイドブック1990~’91・VOL.37』の三菱自動車工業のページを開くと、「デボネアV」、「ディアマンテ」、「シグマ」、「ギャラン」、「エテルナSAVA」、「ミラージュセダン」、「ランサー」(5ドア)と、これだけのセダンのバリエーションが用意されていたことが改めてわかる。時代が違うといえばそれまでだが、まさかセダンがなくなるとは、あの頃いったい誰が思ったことか? アナログな人間(=当方)の感覚が時代に追いついていけない、といえばそれまでだが……。

「ミディアムカーを変えた。 あのクルマとは違う。 もうひとつのファースト・ミディアム・クラス。」

上のコピーは初代ディアマンテ登場時に使われたもので、TV-CMでもナレーションで流していたものだ。自動車の広告コピーで過激なものというと、トヨタ「セリカ」の「名ばかりのGT達は……」などつとに有名だが、今改めてみると「あのクルマとは違う」などと、穏やかでジェントルなはずのディアマンテにしては、かなり挑戦的なコピーが使われていたものだと思わせられる。

参考までに当時の『CARトップ・ニューカー速報NO.29ディアマンテ』では、記事中でコンペティターとして挙げていたのは国産車では当時の「シーマ」、「マキシマ」、「ローレル」、「マークII」、「レジェンド」、「ルーチェ」など。ほかに輸入車ではBMW「5シリーズ」(E34)とメルセデス・ベンツ「ミディアムクラス」(W124)の2車については「インターナショナル・プロポーション」だとしてメーカーの広報資料中でも名が挙げられていた。見ると、ディアマンテはボディサイズで比較した場合、全長が奇遇にもW124と同一の4740mm、全幅の1775mmはW124(1740mm)、E34(1750mm)を上まわっていたことがわかる。

全車V6搭載で余裕の走りと先進装備が奢られた

それにしても初代ディアマンテの登場は今から30年以上も前のこと。今の目で見たら本来ならどこか古風に感じても不思議ではないが、まったくそう感じないことのほうが不思議に思える。むしろ(ハード面はともかく)今でも通用する、しっとりと落ち着いた高級車然としたスタイルに見えると改めて思うのだが、いかがだろうか?

カタログでは「スリーダイヤをシンボルとする私たちがダイヤモンドと名をつけたディアマンテ。90年代の三菱を代表するクルマです。」と紹介。1775mmのワイドボディについて、「小型車の枠を超えて、より快適で安全な走りのために設定した」とも触れている。

駆動方式はFWDを基本に4WDも用意した。FWDでは世界初をうたったTCL(トラクションコントロールシステム)をはじめ4WS、旋回時の車体姿勢を安定させるアクティブECS、4輪アンチロックブレーキングシステムなどを設定。4WDは「アクティブFOUR」と呼ばれたクラス初のビスカスカップリング付きセンターデフ方式フルタイム4WDを採用した。サスペンションはフロントがストラット、リアがFWDがマルチリンク、4WDはダブルウィッシュボーンが採用された。

搭載エンジンは全車V6とし、210ps/27.5kgmを発揮する3L DOHCを筆頭に2.5L DOHC、2L SOHCを用意。装備面ではMMCS(三菱マルチコミュニケーションシステム)と呼ばれた地図&ナビゲーション、サウンド、テレビ、車両情報、個人情報の5つの機能をCRT画面に映し出すシステムが採用された。

半分輸入車感覚のディアマンテワゴンも展開された

ところでディアマンテには、1993年3月になりワゴンが追加された。同車はオーストラリア三菱で生産され、輸入の形をとって日本市場に展開されたクルマで、220km/hまで刻まれたスピードメーターなどが輸入車であることの証だった。搭載エンジンはY7型(日本流の型式は6G72型)といい、V6の3LながらディアマンテにはないSOHC版(165ps/25.6kgm)とし、電動チルト&スライドサンルーフ、本革シート運転席4ウェイパワーシートなどの装備が奢られた。『アクティブビークル』誌で取材と試乗をした経験があるが、「半分輸入車感覚」のゆったりとした走りっぷりが印象的なクルマだった。

それともう1台、1990年10月にディアマンテの4ドアセダン版として登場したのが「シグマ」だった。6ライトウインドウの端正なスタイルのクルマで、当時は人気を集めたディアマンテに対して存在感では一歩譲っていたものの、ディアマンテとはエンジン、メカニズムなどは共通で、ディアマンテと同等の上質感が味わえるセダンだった。

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