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【汚いままの白いボディに罪悪感】アウディA6アバント 40 TDI (5) 長期テスト

掲載 更新 2
【汚いままの白いボディに罪悪感】アウディA6アバント 40 TDI (5) 長期テスト

積算 4007km 大人用の自転車も何とか積める

text:Damien Smith(ダミアン・スミス)

【画像】アウディA6 サルーンとアバント 全64枚

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


フロントタイヤがパンクした大人用の自転車。リアシートを畳めば問題なく積める。だがパンクの修理が終わったら、タイヤを外さないと入らないかもしれない。

以前の長期テストで乗っていた、位置調整の簡単なパワーシートが懐かしい。クルーズコントロールがなく、2時間、150kmほど走ったら右足は疲れた。燃費は21km/L近くまで伸びたから、文句はいえないだろう。

積算 5392km アイドリングストップ時の音振

ディーゼルエンジンの近代化によって、黒い排気ガスを撒き散らすトラックは最近目にしなくなった。一方でアウディの2.0Lディーゼルエンジンはアイドリングストップの度に、ディーゼルだと気付かされる。

渋滞時にガラガラと音を立てながら再始動するのはいい感じがしない。だが15秒ほどエンジンが停止すれば、その価値は充分に得られる。

積算 6691km 大きな車体でも運転はしやすい

アウディA6アバントに乗るたび、長く見えるボディ。全長は4939mmもあり、英国の場合殆どの駐車スペースで少しはみ出てしまう。

その一方で、不思議と何車線もある混雑した都市部での運転で冷や汗をかくことはない。ミラーを含めると全幅2110mm大きなボディには、4輪操舵が付いていないが、機敏で車線内を走らせるのは意外と簡単だ。

積算 7357km 汚れた白いボディに罪悪感

アウディA6の長期テストも間もなく終りが来る。冬の天候の中で、高速道路を利用した通勤に使っているから、白いボディの輝きを維持するのは簡単ではない。

一度車内に入り眺めの良いインテリアに落ち着くと、汚いボディをそのままにしている罪悪感も消えてしまう。明日、洗車しよう。

長期テストのアウディA6アバントはディーゼルだが、逆風の中で優れた経済性を示している。73Lというオプションの大容量燃料タンクを装備した40 TDI。2.0L 4気筒エンジンは、1回の満タンで1100km以上を走ってくれる。素晴らしい数字だと思う。

堅実に、通勤ではエフィシェンシー・モードで走行しているが、大画面のタッチモニターで表示されたとおりの距離を乗れる。英国の場合、満タンにすると80ポンド(1万1000円)から85ポンド(1万2000円)ほどは必要で、安くはない。だが、次の給油までの時間の長さが、財布の痛みも緩めてくれる。

今回の長期テストを通じて、アウディA6の日常的な長距離運転での実力は実感してきた。しかも、サルーンとアバントの両方で。それでは、運転の楽しさはどうだろう。荷物のない状態でアバントの車重は1710kg。全長4939mmのエグゼクティブカーは、楽しい運転を期待できるのだろうか。

煩わしさから開放される極楽空間

簡単にいうならYESだが、正確には少し説明も必要。3750rpmから4200rpmで得られる最大出力は203psで、息を呑むほど速いわけではない。0-100km/h加速は8.3秒だが、ターボ過給が始まるまでに少し待たされる。

だが、英国の現実的な道路環境では、ほとんどの場面で40.7kg-mという太いトルクを目一杯発揮させなくても、幸せを感じられるだけのパフォーマンスを引き出せる。ダイナミック・モードを選択して、郊外の道めがけて、ステアリングホイールに付いたシフトパドルを弾けばいい。

英国の交通法規を外れない範囲で、必要充分以上の走りを楽しめることは、すぐにわかる。プログレッシブにレシオが変化するステアリングホイールには、充分な感触が伝わってこないが、いつものこと。目の前に迫る舗装の剥がれた穴を避けるように、クルマを正確に操ることは至って簡単だ。

アバントの以前に乗っていたサルーンのA6 50 TDIは、4輪駆動のクワトロに4輪操舵も付いていて、喜びはより大きかった。それでも、前輪駆動のステーションワゴンでも爽快に走る。渋滞のない、郊外に伸びる国道を流すのに適している。

4気筒ディーゼルエンジンはスムーズ。スチールコイルのサスペンションとダンピング・コントロールの組合せが生む自然な乗り心地に、一層引き込まれる。

たまには通勤ルートから外れて

多くの人にとっては満足につながる部分だが、スーパーモデルのような佇まいを生む美しい塗装が、冒頭でも触れたが困りもの。すぐに汚れるからだ。長期テストでしばらく乗っているが、変わらず新鮮味を感じる色でもある。

お気に入りのラジオを聞きながら走れば、ブレグジットのイザコザも忘れられる。現実の煩わしさから開放された、極楽のような空間に身を置くことができる。

ドイツ人らしい完璧主義の裏側に隠された、奥深さは、さほどない。パドルシフトで操作していても、ドライバーを見かねてクルマが介入してくることがある。充分楽しめるものの、やはりクルマが制御する範囲内に留まる。

子供を降ろして通勤ルートから外れて、気の向くままに走らせれば、得られる満足感はある。でも、理性を忘れるギリギリまで興奮することはない。アウディが嫌がらない範囲で、気持ちよく走らせるのが良いようだ。

テストデータ

テスト車について

アウディ A6アバント 40 TDI スポーツ Sトロニック
新車価格:3万9850ポンド(557万円)
テスト車の価格:4万6935ポンド(657万円)

テストの記録

燃費:17.5km/L
故障:なし
出費:なし

気に入っているトコロ

電動テールゲート:運転席側のボタンを押すと、大きなハッチが開く。ゲートのボタンを押すと閉まる。面白く満足感のある機能だ。

気に入らないトコロ

タッチモニター:少しでも触れた場所が違っていると、押したいメニューは反応しない。少しイライラしてしまう。

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みんなのコメント

2件
  • FFモデルだと、走りについては一切書かないのね
  • Aだと走りはカローラレベルの出来なんだろうな
    やはり、SかRSだな
    見た目たけステータスで乗りたい人にはAだな
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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