現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 上手くいけばレガシィ超えも果たせた逸材だった!? 時代に翻弄され1代限りで消えた「三菱レグナム」

ここから本文です

上手くいけばレガシィ超えも果たせた逸材だった!? 時代に翻弄され1代限りで消えた「三菱レグナム」

掲載 23
上手くいけばレガシィ超えも果たせた逸材だった!? 時代に翻弄され1代限りで消えた「三菱レグナム」

 この記事をまとめると

■大ヒットしていたスバル・レガシィの対抗馬として登場したのが三菱レグナムだった

SUVより走りは有利! 積載力も圧倒的! 最強ジャンル「バカッ速ステーションワゴン」5選

■280馬力の2.5リッターV6ツインターボを搭載するレグナムVR-4をラインアップ

■レグナムは三菱らしい機能を有したいまやネオクラシックなプレステージスポーツワゴンだ

 ブームのど真ん中に三菱が投入したステーションワゴン

 いまでは国産ステーションワゴンはスバル・レヴォーグ、トヨタ・カローラツーリング、カローラフィールダーぐらいのもので、希少な存在となっているが、1990年代は国産ワゴンが大人気だった時代だ。1991年に初代ホンダUSアコードワゴン、1992年にトヨタ・カルデイナ(欧州仕様は初代アベンシス)、1993年には2代目スバル・レガシィ、1994年には筆者も2台続けて乗っていた2代目USアコードワゴン、1998年に3代目スバル・レガシイ、日産ステージアなどが登場。

 レガシィのスポーツワゴンというキャラクターに対してステージアはプレステージツーリングワゴンというキャラクターで、セダンとは違うラゲッジルームの使い勝手から、アウトドアやロングツーリングに適し、多くのワゴンファンを生んでいた。どちらも最高280馬力を発生した、ハイパワーステーションワゴンという共通点もあった。

 そんななか、大ヒット中のレガシィの対抗馬として1996年に登場したのが、三菱のレグナムだった。1996年にフルモデルチェンジを行った、当時のスポーツセダンの代名詞でもあったギャランのステーションワゴン版であり、レグナムとは「王位、王権」の意味を持ち、開発コンセプトはプレステージスポーツワゴン。そのデザイン性、完成度は高く、ギャランとともに1996-1997年日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞している。

 ボディサイズは全長4670~4710×全幅1740~1790×全高1450~1480mm。ホイールベース2635mm。パワーユニットはなるほどギャランのステーションワゴン版だけあって、その頂点となる6A13型2.5リッターV6ツインターボ(280馬力、37.0kgm)および販売の主力となった4G93型1.8リッター直4DOHCで、量産車として世界初の直噴GDIエンジン(ハイオク指定!)、2リッターV6、2.5リッターV6の4種類を搭載していた。ミッションは4速AT、5速AT、5速MTの3種類が用意されている。

 当然ながら、ギャラン譲りのアイテムをふんだんに採用。サスペンションは前後ダブルウイッシュボーン、駆動方式にランサーエボリューション譲りの、エンジンパワーを効率よくタイヤに分配するAYC(アクティブ・ヨー・コントロール=電子制御デファレンシャル。4WDを曲がりやすくしてくれる)を備えたVR-4グレードのフルタイム4WDもあったのである。当時としては日本初のサイドエアバッグも用意されていた。

 レグナム独自の装備としては、ラゲッジルームへの荷物に積載を考慮した、重い荷物を積んでも車高が維持されるセルフレベリングサスペンションにも注目が集まった。とくにVR-4グレードは、アクティブなライフスタイルを送るクルマ好きに愛好されたものだった。

 アグレッシブすぎたスタイリングが裏目に出た

 もちろん、ラゲッジルームの広さ、分厚いカーペット敷きの豪華さもレグナムならではで、逆スラントしたフロントフェイスに代表されるアグレッシブなスタイリッシュさとともに、スポーティかつ当時のレガシィよりワンランク上の車格もあって、上級スポーツワゴンとして日本のみならず、欧州、北米などにも輸出され、一定の人気はあったと記憶する。

 1998年にはレグナムの真髄と言えるかも知れないVR-4 type-Sをベースにした特別限定車のスーパーVR-4が登場。専用のエアロパーツを始め、当時のクルマ好きの憧れでもあったMOMOの本革巻ステアリング、レカロシート、そしてラリーアート製マフラーなどを奢っているのが特徴だった。

 いま思い出してもなかなかのキャラクター、スペック、VR-4の走行性能を誇ったレグナムだが、1990年代中頃は、たとえば1994年に発売されたホンダ・オデッセイ、1996年に日本中の家族を幸せにしたホンダ・ステップワゴンなどの乗用ミニバンが続々と登場し、時代は一気にミニバンブームへと突入。

 その余波を受け、アグレッシブすぎたエクステリアデザイン、1997年から2000年にかけて三菱自動車にはいろいろと問題が発覚したこともあり、販売は低迷。2002年8月に生産を終了。同12月に販売終了。残念ながら、1代限りのモデルとなったのである。

 とはいえ、とくにスーパーVR-4は、三菱らしい機能、走行性能満載の、いまやネオクラシックなプレステージスポーツワゴンであったことは確かである。

こんな記事も読まれています

レクサスが「新型プレミアムSUV」発売へ 14年ぶり全面刷新でめちゃ上質内装דカクカクデザイン”採用! 日本初投入の「新型GX」内外装の特徴は
レクサスが「新型プレミアムSUV」発売へ 14年ぶり全面刷新でめちゃ上質内装דカクカクデザイン”採用! 日本初投入の「新型GX」内外装の特徴は
くるまのニュース
スプリント2位の直後、予選Q1敗退となったハミルトン。中国GPでの問題の責任はチームにあると技術ボス
スプリント2位の直後、予選Q1敗退となったハミルトン。中国GPでの問題の責任はチームにあると技術ボス
AUTOSPORT web
グーマガ 今週のダイジェスト【4/20~4/26】ヴェゼルがマイナーチェンジ!
グーマガ 今週のダイジェスト【4/20~4/26】ヴェゼルがマイナーチェンジ!
グーネット
Moto3スペイン予選|山中琉聖、好調5番手を確保! ポールシッターはダビド・アロンソ
Moto3スペイン予選|山中琉聖、好調5番手を確保! ポールシッターはダビド・アロンソ
motorsport.com 日本版
4車種用が同時に販売開始、ブリッツの車高調キット「DAMPER ZZ-R」シリーズ
4車種用が同時に販売開始、ブリッツの車高調キット「DAMPER ZZ-R」シリーズ
レスポンス
First EVに選びたくなるボルボ「EX30」のコスパと完成度
First EVに選びたくなるボルボ「EX30」のコスパと完成度
@DIME
【スタッフ通信】アメリカンラグジュアリーで胃袋もアメリカンに
【スタッフ通信】アメリカンラグジュアリーで胃袋もアメリカンに
Auto Prove
日産に続きジャガーも! 2030年までのフォーミュラE参戦を決定「これは、電気自動車メーカーにとってのF1だ」
日産に続きジャガーも! 2030年までのフォーミュラE参戦を決定「これは、電気自動車メーカーにとってのF1だ」
motorsport.com 日本版
Honda R&D Challenge、スーパー耐久第2戦富士24時間で野尻智紀をゲストドライバーに起用
Honda R&D Challenge、スーパー耐久第2戦富士24時間で野尻智紀をゲストドライバーに起用
AUTOSPORT web
HELM MOTORSPORTS、車両変更となる2024年のFIA-F4に4台体制で参戦。チャンピオンを目指す
HELM MOTORSPORTS、車両変更となる2024年のFIA-F4に4台体制で参戦。チャンピオンを目指す
AUTOSPORT web
レンジローバー、2025年モデルの受注開始…ディーゼルモデルがパワーアップ
レンジローバー、2025年モデルの受注開始…ディーゼルモデルがパワーアップ
レスポンス
スズキ「モーターサイクルコレクション2024」 広島、福岡、香川、宮城の4会場にて開催
スズキ「モーターサイクルコレクション2024」 広島、福岡、香川、宮城の4会場にて開催
バイクのニュース
高性能「巨大ベッド」搭載!? 日産「新型“車中泊”カー」寝心地はどう? 実際に「泊ってみた」印象とは
高性能「巨大ベッド」搭載!? 日産「新型“車中泊”カー」寝心地はどう? 実際に「泊ってみた」印象とは
くるまのニュース
クラウンクロスオーバーの新種「RSランドスケープ」に初遭遇。なぜ市販化されることになったのか? 開発陣がイベントで激白!【週刊スタッフブログ 号外】
クラウンクロスオーバーの新種「RSランドスケープ」に初遭遇。なぜ市販化されることになったのか? 開発陣がイベントで激白!【週刊スタッフブログ 号外】
Webモーターマガジン
レース後の失格どうにかしてよ! ダ・コスタ、ミサノ失格未だ納得できず「スポーツのためにも、別の方法が必要」
レース後の失格どうにかしてよ! ダ・コスタ、ミサノ失格未だ納得できず「スポーツのためにも、別の方法が必要」
motorsport.com 日本版
ヤマダホームズがヒョンデの新型EV『コナ』とセット販売開始
ヤマダホームズがヒョンデの新型EV『コナ』とセット販売開始
レスポンス
基本「想像は夢と知れ」! オープンカー乗りが突きつけられる現実6つとそれでも乗りたくなる魔力
基本「想像は夢と知れ」! オープンカー乗りが突きつけられる現実6つとそれでも乗りたくなる魔力
WEB CARTOP
ホンダと別れるレッドブル、自社製PU開発の進捗は? デビューまであと2年弱……車体開発で培った「“大胆さ”が活きる」とホーナー代表期待
ホンダと別れるレッドブル、自社製PU開発の進捗は? デビューまであと2年弱……車体開発で培った「“大胆さ”が活きる」とホーナー代表期待
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

23件
  • dec********
    レグナムのデザインは大好きだった。
    三菱車のデザインはたまたま俺の好みに突き刺さる。
    まあそれも車嫌いのくせに社長になった益子修のせいで全て消えたが。
    益子修は一体何がしたかったんだろうか?
  • 秀ちゃん
    懐かしいです。
    結婚し、子供ができたばかりだったので1.8のSTを購入。
    燃費がまだ今ほど煩くない時代でしたが、満タン給油で800km走ったのには驚きました。
    購入してから半年後事件が。
    走行中にエンジンが止まりだし、何回か入院。
    結局最後まで原因が解らずにディーラーもお手上げ状態。
    私だけではなく数人同じ症状で来てるお客さんも。
    それから数日後にエンジン欠陥が解りなるほどと。
    GDIに本当に不具合無ければ自動車メーカーの勢力図も変わっていたかもしれません。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

204.3297.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

39.9455.0万円

中古車を検索
レグナムの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

204.3297.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

39.9455.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村