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時代を超越したデザイン メルセデス・ベンツ・ゲレンデヴァーゲン(W460型) 英国版クラシック・ガイド 前編

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時代を超越したデザイン メルセデス・ベンツ・ゲレンデヴァーゲン(W460型) 英国版クラシック・ガイド 前編

生産はシュタイアー・ダイムラー・プフ社

技術者のエーリヒ・レドヴィンカ氏が設計した、初代メルセデス・ベンツ・ゲレンデヴァーゲン、後のGクラスは、オーストリアに拠点を置くシュタイアー・ダイムラー・プフ社が生産を担った。彼はその企業を創業した、ハンス・レドヴィンカ氏の息子だった。

【画像】時代を超越したデザイン ゲレンデヴァーゲン 現行のGクラス 初代レンジローバーも 全117枚

エンジンとトランスミッション、アクスル、ステアリング系統は、ドイツ・シュツットガルトのメルセデス・ベンツ工場から都度輸送。一部のGクラスでも、2000年まで「プフ」と記されたエンブレムが貼られていた。

軍用車両として考案されているが、堅牢さから今でも人気は高い。SUVへ支持が集まり、クラシックカーに対する関心度も増しており、市民からの注目度は上昇中。現行型は、英国陸軍も汎用車両として登用を検討しているとか。

ゲレンデヴァーゲンの進化の過程は複雑で、多様なエンジンが搭載されてきた。質実な軍用仕様を除くと、オリジナルといえるW460型のゲレンデヴァーゲンが生産されたのは、1979年から1991年にかけて。

1990年にはラグジュアリーなオフローダーとして、W463型のGクラスが登場。また汎用的なW460型の後継として、W461型が1992年にリリースされている。W463型は2018年にビッグ・マイナーチェンジを受け、現在も生産されている。

ゲレンデヴァーゲンが英国のディーラーで買えるようになったのは、1982年から。英国仕様の場合、前後のデフロックと四輪駆動のハイとロー・レシオが組まれ、パートタイム方式で後輪駆動へ切り替えることが可能だった。

軍用車が発端の高級車 耐久性で定評を構築

直線基調で実用性重視のスタイリングは個性的でもあり、初代ランドローバー・レンジローバーより全高は約175mm高く、約75mm短く、幅も狭かった。ディスカバリーのサイズを決める際、参考にしたといわれている。

初代の5ドアボディの場合、車重は200kgほどレンジローバーより重かったが、最高出力は25psほど上回った。トランスミッションも3速オートマティックに対して4速で、よりスムーズな走りを実現していた。

当時のAUTOCARは、活発さではゲレンデヴァーゲンが有利で、低速域での牽引力や燃費ではレンジローバーが上回ると評価している。フロントのアンチロールバーは太く、ボディロールを抑制していたが、乗り心地は硬めといえた。

車内は広々としており、英国仕様ではオプションの折りたたみシートを装備すれば、定員を9名に増やすことが可能だった。内装は高耐久なクロスかビニール張りという選択肢で、ウインチと補助ヒーター、エアコンなどをオプションで装備できた。

軍用車が発端ということで、耐久性で定評を築いたものの、動力性能などを比較すれば割高だったことは事実。英国での販売はさほど振るわず、当初からメルセデス・ベンツの高級車という扱いだった。

最新のGクラスは、最高出力600ps以上を誇る例もある。だが初期のW460型も、本来の性能を引き出せば運転を充分に楽しめる。

オーナーの意見を聞いてみる

18歳の時に、父からこのブルーの230GEを譲り受けたというヤスミン・ドリング氏。「本当に運転が楽しいんです。大好きです」。と、溺愛ぶりを口にする。

「出かけた先でクルマを停めると、多くの人が珍しそうに近寄ってきます。興奮する人もいますね。わたしくらいの年齢の人が、古いゲレンデヴァーゲンを運転しているのも珍しいと思います」

「赤ちゃんの頃に乗っていたのも、このゲレンデヴァーゲン。自宅のソファーのように、慣れ親しんだ場所です」

彼女の父、ジョン・ドリング氏は、「1991年に中古車で購入しました。4年落ちの状態でしたが、信じられないほど信頼性は高かったですね。これまで24万km以上走っていますが、基本的なメンテナンスだけで車検を通してきましたよ」。と説明する。

「オフロードはほとんど走らせていません。でも、行く先を選ばないクルマです。四輪駆動とデフロック機能が頼もしい。かなり以前にぶつけたことがあり、充分に修理したとはいえなかったので、改めて仕上げ直したいと考えています」

ジョンが続ける。「ほかにもATの230GEを所有していますが、レストアの最中。普段の足にしているのは、2012年式のGクラス、300馬力の350 CDI V6です。ゲレンデヴァーゲンに詳しいメカニックを探すことが、1番の課題かもしれません」

英国で掘り出し物を発見

メルセデス・ベンツ300GD SWB(欧州仕様)

登録:1992年式 走行:34万7019km  価格:2万9950ユーロ(約413万円)

ショートホイールベースのボディにディーゼルエンジンの組み合わせ。実務で活躍し、そこで付いた擦り傷が勲章のように残っている。ボディの状態はそこそこ。テールライトにはヒビがあり、スペアタイヤはないという。

クロームメッキのフロントガードは頼もしいが、バンパーは色褪せている。それでも、無骨な出で立ちに惹かれるという人はいるだろう。エンジンルーム内は汚れているが、足腰はしっかりしている。サビも表面的なもののようだ。

インテリアはクロス張り。シートの側面は擦り切れそうになっている。荷室はクリーニングが必要だろう。

メルセデス・ベンツGクラス G 350 ブルーテック(英国仕様)

登録:2015年式 走行:6万5100km 価格:5万9950ポンド(約1050万円)

最高出力210ps、最大トルク55.0kg-mを発揮するディーゼルターボに7速ATを搭載した、現代的なGクラス。オブシディアン・ブラックメタリックのボディに、アンスラサイト・レザー内装という組み合わせが、威厳を漂わせる。

エクステリア・ステンレスにコンフォート、パーキング、スポーツという各パッケージを装備。DVDプレイヤーにハーマンカードン・オーディオ、シートヒーター、サンルーフなども備わる。ドアミラーカバーには、擦り傷がついている。

中古車購入時の注意点などは後編にて。

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みんなのコメント

3件
  • このデザインで出てきた時、ディムラーやローバーは、腹を抱えて大笑いしたと言う
  • これを再販して欲しいんだけどなぁ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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