2020年もマーケットシェアを拡大
2021年3月31日、アバルトは創立72年の“誕生日”を迎えた。小さく速く、比較的廉価で手に入れやすい小粋なイタリア車は、かつてもいまも若者の夢であり続けている。2020年のマーケットシェアも2019年比で50ポイントアップするなど、“サソリの毒”に痺れるファンの数は依然として多い。
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イタリア系オーストリア人のエンジニア、カルロ・アバルトが「Abarth & C.」社を立ち上げたのは、1949年3月31日のこと。以降、革新的なチューニングキットやレコードブレイカー、勝利のマシンを作り上げることで、カルロの星座にちなんだサソリのロゴはエンスージアストの憧れとなっていった。
ヌヴォラーリが刻んだヒルクライムの栄光
アバルトの歴史はレースの栄光とともに刻まれてきた。1950年には有名な“パレルモ-モンテ ペレグリーノ”のヒルクライムレースで、かのタツィオ・ヌヴォラーリが駆るアバルト204Aがクラス優勝、総合5位を獲得。カルト・アバルトが初めて作った2シーターの1100ccマシンは、シチリアの州都パレルモからモンテ・ペレグリーノ(ペレグリーノ山)のヘアピン続きの道を駆け上がっていくタイムトライアルで、見事その実力を証明してみせた。1954年、カルロ・アバルトはスコルピオンの背景を2トーンに塗り分けた楯をエンブレムに採用している。
1962年は、世界スポーツカー選手権でアバルト1000ビアルベーロが6回連続クラス優勝を記録。この重要なタイトル獲得を祝し、新たに3つの要素が加えられたエンブレムも登場している。「白と黒のチェッカーフラッグ」、「黄色の背景に赤字で“Campione del mondo(世界チャンピオン)”」、そして「月桂樹の冠」である。
現在のロゴは2007年に誕生
1969年に登場した改良版のエンブレムには、まったく新しいサソリの姿が。真っ黒に塗りつぶされたサソリがデザインされたロゴの上には、水色に白抜きで「ABARTH」の文字がシンプルに描かれていた。
1971年、フィアット傘下に収まったアバルトは再びエンブレムを変更。ブランド名の背景を、自身のアイデンティティであるイタリア国旗を表すトリコローレで彩った。
現在のロゴは2007年にモデルチェンジしたもので、より洗練され、モダンな手法を採用している。サソリのハサミが2トーンを区切る斜線へちょうど合わさるようにデザインされているのも特徴だ。
サーキットとラリーの両シーンで活躍
アバルトが70周年を迎えた2019年には、チェッカードフラッグをデザインした記念エンブレムが登場している。さらに、この記念エンブレムのカラー版も、1949台だけ限定生産された「アバルト 695 70th Anniversario(アニヴェルサーリオ)」のために特別に作られた。
70年以上にわたり、サソリの毒でモータースポーツフィールドを刺激し続けてきたアバルト。現在も、イタリアとドイツのF1選手権にエンジンを供給、ヨーロッパのラリー選手権(FIA-ERC)ではアバルト124が3年目のシーズンを迎えている。累計1万を超える勝利を掲げ、10の世界記録を刻み、4度ラリーの王座を獲得してきたアバルトの伝説は、まだまだこれからも増え続けていくはずだ。
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みんなのコメント
はい、いきなり間違いですね。
カルロ・アバルトはれっきとしたイタリア人で、パスポートはイタリアのだったと、当時彼と共に苦楽を共にし、アバルト社の全盛期を支えたエンジニア達が『カーマガジン247号(1999.1)「アバルト 封印された伝説」』で語っています。