ジープの新型グランド・チェロキーに追加されたPHEVモデルの「4Xe(フォー・バイ・イー)」に、木村好宏がアメリカで試乗した。“電動グラチェロ”の印象はいかに?
ポルシェ・カイエンにも影響を与えたグラチェロ
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ジープ・ブランドのハイエンドSUVであるグランド・チェロキーは1993年の初代(ZJ:1993~1998年)発売以来、北米市場で好評を博し、2世代目(WJ:1999~2004年)、3世代目(WH:2005~2010年)、そして4代目(WK2:2010年~2021年)へと進化を続けてきた。
そして2013年、2017年のフェイスリフトを経て、2021年に5代目(WL)が北米で発表された。このあいだ、2世代目こそ台数はそう多くはなかったが、ドイツでのオーナーには1993年から2009年までポルシェの代表取締役社長であったヴェンデリン・ヴィーデキング氏がいた。
彼はグランド・チェロキーをいたく気に入っており、ポルシェ「カイエン」の販売計画に大きな影響を与えたと言われる。その証拠にカイエン開発プロジェクトのシークレット・コードは「コロラド・プロジェクト」すなわち北米産SUVの影響を大きく受けていたのである。
さて、前置きがながくなったが、本題に入ろう!
ニュー・モデルではまずシリーズ初となる3列シート(7人乗り)のLバージョン、続いて5人乗りのショートバージョンが公開され、さらに今年1月にはPHEV(プラグイン・ハイブリッド)バージョンの「4Xe」が追加発表された。
今回4Xe(フォー・バイ・イーと読む)のプレス・ドライビング・イベントがテキサス州オースティンで開催されたのを機に、新しいグランド・チェロキーのインプレッションを伝えたい。
使えるEVモード
前任モデルがベストセリングだった場合の常とう手段として、デザイン(特にエクステリア)が“キープコンセプト”となる場合がある。さすがに先代登場が10年以上前のグランド・チェロキーは、細長いヘッドライトやリアコンビライト、さらにルーフとCピラーを囲むクロームラインでフローティング・ルーフを表現するなどてかなり大きな変化が見られる。ただしジープ・ブランドのアイコンである7つの垂直スリットを持ったグリルは健在だ。
一方さらに大きく変わったのはインテリアでドライバーの正面には10.25インチ、センターには10.1インチ、さらには助手席用に10.25インチのデジタル・ディスプレイが並んでいる。またステッチをふんだんに使ったフルレザー・インテリアのクオリティ、そして仕上りもプレミアム・カーに相応しい。
試乗ではまず、ゼロ・エミッション走行のデモンストレーションで「エレクトリック(EVモード)」を選択、高級調度品のようなダイヤル・ギア・セレクターを“D”にまわしてスタートする。
スペック表ではグロス17.3kWh(ネットでは14.0kWh)のリチウムイオン電池は134psの電気モーターを介しておよそ25マイル(約40km)のEV走行が可能なはずである。その時の最高速度は130km/hでリミッターが介入する。
アメリカによくある法定速度35マイル/時(約56km/h)が続く市街地や45マイル/時(約72km/h)の一般道路を抜け、最後に70マイル/時(約112km/h)のハイウェイのガソリンスタンドまで25マイルの行程だったが、私はまだ2マイル(約3.2km)の余裕でゴール。特別にエコラン走行をしたわけではないので、日本のストップ&ゴー通勤であれば十分に使えるモードだった。
このとき、エア・サスペンションは快適で荒れた路面の多いアメリカの一般道路でもショックを吸収して快適な乗り心地を提供してくれた。
“ハイエンド環境モデル”
続いて「ハイブリッド」、さらに「eセーブ」のモードを選びながら試乗ルートを辿る。充電重視の後者では、回生ブレーキの力が増し、最大で0.25Gを発生。“ワンペダル・ドライブ”も可能だ。
走行中、気になる点もあった。前述したように非常にクリーンで高級感のあるインストルメントであるが、クルーズ中にモードなどを変更した場合、クラスター内の文字やアイコンが小さすぎて年寄りには確認にちょっと手間取る。若いデザイナーにはこの苦労を是非とも分かって欲しい。
やがてラフロードに入ったが、自重およそ2.5tの全長およそ5メートルの7シーターは少しも臆することはなく、後輪駆動キャラクターの4WDシステムは軽いオーバーステアを発生しながら楽しいダート走行を楽しませてくれた。
またその先のランチ・ステーションでは渡河を含む本格的なオフロード・コースが用意されておりジープのDNAを継承するSelec-Terrain(4WDシステム)の本領を見せてくれた。ちなみにグランド・チェロキーは水深61cmまで水中走行が可能である。
10年のインターバルで登場したグランド・チェロキーのPHEVバージョン4Xeはこの先10年を見越したオールマイティな実用性の高いハイエンド環境モデルであった。
日本での発売は今年の後半になると予想されているが、正確な時期や価格はまだ発表されていない。
文・木村好宏
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普通にヴェゼルの方が良い車だと思うけど