ミサノ・ワールドサーキット・マルコ・シモンチェリで初開催されたフォーミュラEのミサノE-Prix。ダブルヘッダーの1戦目となった第6戦は、混沌としたレースとなった。
常設サーキットが舞台となった今回、ストリートコースよりも長いストレートと高速コーナーがあり、さらに回生できるポイントが限られていたため、各車が普段以上に厳しいエネルギーマネジメントを強いられた。
■ダ・コスタの優勝取り消し! スロットルダンパーに違反見つかり失格。日産ローランドが繰り上げ優勝
ペースが落ち、エネルギー消費を抑えるべく、空気抵抗を減らすために他車のスリップストリームも積極的に使おうと各車が動いた結果、大集団の接近戦が繰り広げられることに。28周のレースで8人以上のドライバーが先頭に立ち、トップ交代は19回に及んだ。
ポイントリーダーとしてこのレースを迎えたパスカル・ウェーレイン(ポルシェ)は3番グリッドからスタートしたが、ジャン-エリック・ベルニュ(DSペンスキー)との接触でフロントウイングにダメージを負ってピットインを強いられ、ノーポイントに終わった。
一方、彼のチームメイトであるアントニオ・フェリックス・ダ・コスタは14番手スタートからトップチェッカー(レース後の車検で失格)、ジェイク・デニス(アンドレッティ)も17番グリッドから3位(ダ・コスタの失格で2位に繰り上がり)となっている。
「僕にはペースがあった。分かっていたことだけど、こういうレースはちょっと奇妙だ」
そうウェーレインは語った。
「こういうレースでは、予選は必要ないようなものだ。レース序盤、僕たちのエネルギー目標が低すぎたんだ」
「エキサイティングだったかどうかは分からない。 もっと詳しく知るためにはレースを見直す必要があるけれど、僕からすれば、スタート位置は抽選にした方が良いと思う。どうせ違いは生まれないだろうからね」
「根本的なことを言えば、僕たちはレーサーだし、可能な限り速く走りたいんだ」
今回のような超スローペースなエネルギー節約合戦は、フォーミュラEでは時折見られるものであり、昨年のポートランドE-Prixでも批判の声が挙がっていた。
今回2番手でフィニッシュし繰り上げ優勝となった日産のオリバー・ローランドは、”本当のレースではなかった”と示唆した。
「トラブルに巻き込まれない適切なポジショニングをするというのは、僕たちドライバーにとっても、観客にとっても面白いんじゃないかな」
「最初の10周はそういうのが少し多すぎたかもしれない。明日(第7戦)は周回数が2ラップ少ないから、それがもうちょっと少なくなるかどうか見てみよう」
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