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アズコナが新生世界戦初勝利。地元ジロラミもFL5型シビックと初優勝/TCRワールドツアー第6戦

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アズコナが新生世界戦初勝利。地元ジロラミもFL5型シビックと初優勝/TCRワールドツアー第6戦

 前週のウルグアイに続き、南米大陸で2週連続開催となった新生TCRワールドツアー第6戦は、アルゼンチンのサンルイスに位置するラ・ペドレラで8月25~27日の週末に争われた。

 こちらも同様、TCRサウスアメリカ・シリーズ第7戦との併催で全25台が集ったトラックでは、予選から雨絡みの難しい条件となるなか、レース1ではミケル・アズコナ(BRCヒョンデN スクアドラ・コルセ/ヒョンデ・エラントラN TCR/ヒョンデ・エラントラN TCR)が、予選3番手からようやくツアー初勝利を獲得。

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 続くレース2では、リバースグリッドも活かした地元のネストール・ジロラミ(スクアドラ・マルティーノ/FL5型ホンダ・シビック・タイプR TCR)が、新型モデルにTCR最高峰シリーズでの初優勝をプレゼントする結果となった。

 南米初開催で第5戦の舞台となったエル・ピナールでも、初走行となる世界戦メンバー向けに設定されたシェイクダウンが豪雨延期となり、世界的異常気象の影響を受けたTCRワールドツアーだが、今回のラ・ペドレラでも真冬の南半球は不安定な気象条件が続き、予選から雨絡みの勝負が繰り広げられた。

 小雨の条件となった最初のQ1こそ、最速タイムで公式練習のベストから約1.3秒落ちとさほどの影響を受けずに済んだものの、続くQ2では本降りに転じて気温も8度まで急降下。スリックタイヤを装着したままのドライバーが、あちこちで姿勢を乱す状況となる。

 ここでいち早く条件を読み切ったのがヤン・エルラシェール(リンク&コー・シアン・レーシング/リンク&コー03 TCR)で、FP1とFP2でいずれも最速を記録していた元チャンピオンが最初のラップで1分53秒872とし、ノルベルト・ミケリス(BRCヒョンデN スクアドラ・コルセ/ヒョンデ・エラントラN TCR)に0.231秒の差をつける。

 その僚友アズコナも1分54秒246で3番手止まりとなり、その後の周回ではさらに路面のグリップが低下。「スリックタイヤを履いていて、交換する時間がなかったから間一髪だった」と語ったエルラシェールが、そのままポールポジションを確保した。

■前輪スリック、後輪レイン装着のアズコナがワールドツアー初優勝
 また、Q1ではセッション終了間際にトップ10圏内に飛び込むタイムを計時し、辛くもQ2進出を果たしていたジロラミは、続くセッションでも11番手が精一杯でアタックラップを終えていたが、TCRサウスアメリカ組のラファエル・レイス(W2プロGP/クプラ・レオン・コンペティションTCR)が最低地上高違反で予選結果除外となり、結果ジロラミが10位に昇格。これでレース2に向けたリバースポールを手にすることとなった。

 そのまま現地土曜の午後15時過ぎに始まったレース1は、序盤の濡れた路面からみるみるドライアップする難易度の高いコンディションとなるなか、スタートでは「雨量の多い側でグリップが充分に得られなかった」と明かすポールシッターが、ターン1までにミケリスの先行を許してしまう。

 さらに、4番手発進のロブ・ハフ(コムトゥユー・レーシング/アウディRS3 LMS 2)が躍進し、シケインでは接触上等の肉弾戦を演じてアウディが首位を奪取。元王者のリンク&コーとヒョンデ艦隊、さらにジロラミのシビックが続く展開となる。

 すると直後の2周目にはコース上でストップした車両の回収でセーフティカー(SC)が出動し、エンジン不調やトラブルを抱えた車両がピットへ向かうなど、ウエット路面やダストの影響かレースは混沌とした状況に。

 再開となった6周目以降、シビックのジロラミが2台のヒョンデに迫ったが、そのアズコナとミケリスのデュオもペースを上げ、続く周回で前方のエルラシェールを捉えることに成功。さらにバトルに乗じたジロラミも4番手へ浮上したが、9周目に痛恨のトラブルでリタイアに。これで2回目のSCが出動する。

 ワイドなストレートでふたたびリスタートが切られたレースは、そのままファイナルラップに突入すると、BRC軍団の重圧に圧されたハフがインサイドのウエットパッチも影響したか、右90度のブレーキングでオーバーシュート。元世界王者にとってあとわずかのところでアズコナ&ミケリスに1-2を許す、失意の表彰台となった。

「明らかに今季これまでで最も難しいレースだった」と、エラントラN TCRの前輪にスリック、後輪にレインを装着していた勝者アズコナ。「アルゼンチンのこの厳しい条件で勝利できて素晴らしい気分だし、これがTCRワールドツアーでの初優勝だ。レース序盤はフルウエットだったが、終盤はどんどん路面が良くなり、最後はほぼドライの勝負。最初のリスタート直後に、4輪スリックのエルラシェールをパスしたことが勝利の鍵になったね」

■シビックを駆るジロラミがリバースポールの優位を活かす
 明けた日曜は完全ドライの条件で現地正午過ぎにスタートが切られると、ダストの砂塵にまみれた後続がコーナーエイペックスのタイヤバリアを吹き飛ばし、ウォールに接触するのもいとわない激しいバトルを繰り広げるなか、リバースポールの優位を活かしたジロラミが快走。

 前日のトラブルから復調なったFL5型シビックRは、SC介入後のリスタートもポジションを堅持し、追い縋るマ・キンファ(リンク&コー・シアン・レーシング/リンク&コー03 TCR)を突き放し、待望の地元戦勝利を手にした。

「とてもうれしいよ、この瞬間をずっと待ち望んでいた!」と喜びを爆発させたジロラミ。「クルマのなかでその瞬間を夢見ていたし、僕らが抱えていたあらゆる問題の後、すべてが否定されたかのようだった。今日は勝つチャンスがあったし、それをやり遂げたんだ」

 そのファイナルラップでは、中速左コーナーのインサイドからミケリスをかわそうとしたエルラシェールがヒョンデと交錯。半車身前だったリンク&コー03 TCRは巻き込むようにしてフロントからアウト側バリアに叩きつけられ、チェッカーを受けることなくここでレースを終えることに。

 同じくアズコナも序盤の接触でダメージを負いリタイアとなっていたが、僚友ミケリスが4位フィニッシュで新たなポイントリーダーに浮上している。

 一方、土日ともに世界戦組と共闘したTCRサウスアメリカ・シリーズではTOYOTA GAZOO Racingアルゼンティーナ(TGRA)謹製の『トヨタ・カローラGRS TCR』が奮闘。レース1ではファビアン・シャナントゥオーニとファン-アンヘル・ロッソのパラディーニ・レーシング陣営が、元世界王者エルラシェールを挟んで5位と7位で最上位に。続く日曜は、セミワークス待遇たる本家Toyota Teamアルゼンティーナ(TTA)のベルナルド・ラヴァーが8位に入る結果に。

 これで南米大陸ラウンドを終えたTCRワールドツアーは、そのまま南半球ポリネシア海域を渡ってオーストラリアへ。11月3~5日にはシドニー・モータースポーツパークで第7戦を開催し、続く11月10~12日には“聖地”マウントパノラマでの連戦が組まれている。

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