トヨタ ヴェルファイア 「「アルファードにはないもの」を過度に求めてはいけない」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

瓜生洋明
瓜生洋明(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

4

デザイン
4
走行性能
3
乗り心地
4
積載性
3
燃費
3
価格
3

「アルファードにはないもの」を過度に求めてはいけない

2024.1.31

年式
2023年6月〜モデル
総評
非常に魅力的なモデルであることは言うまでもないのだが、その多くはアルファードが兼ね備えているものでもある。アルファードを切り離してヴェルファイアのみを評価するとなると、エクステリアデザインやパワートレインの違いを強調することになるが、それらを見てもアルファードではなくあえてヴェルファイアを選ぶ理由を感じにくいのが正直なところだ。もちろん、アルファードが優れたクルマであることは事実であるため、アルファードと違いを感じないというのはひとつのメリットであるとも言える。ただ、「ヴェルファイアにしかない魅力」を過度に期待するのは禁物だ。
満足している点
アルファード同様、高い快適性が最大の魅力だ。エクステリアデザインも、これからの高級ミニバンの指針となるすばらしいもの。実際に購入を検討するユーザーにとっては、リセールバリューが高いということも大きなメリットとなるだろう。
不満な点
エクステリアデザインやパワートレイン、さらにはグレード構成などによってアルファードとの差別化が強調されているが、そうした部分を持ってなお、あえてアルファードではなくヴェルファイアを選ぶ理由が見つからないというのが正直なところだ。結局のところ、アルファードのバリエーションのひとつという印象が拭いきれない。しかし逆に言えば、アルファードに期待される要素の多くはヴェルファイアも兼ね備えているため、そういった意味では期待を裏切ることはないだろう。
デザイン

4

これはアルファードにも言えることだが、室内空間の確保が最重要視されるミニバンというカテゴリーでありながら、さまざまな創意工夫によって室内空間を犠牲にすることなく際立ったデザインを実現しているのは、敬服に値するというほかない。特に、逆スラント型のフロントグリルや抑揚のあるボディサイドは伝統的な高級サルーンにも通ずるものがあるすばらしいデザインだ。一方、インテリアについてはもう少し工夫がほしいと感じた。たしかに快適であるとは思うものの、それを構成する要素のほとんどは広大な室内空間と機能的なシートに依存している。この点については、マイナーチェンジでの改善を期待したいところだ。
走行性能

3

走りを重視したヴェルファイアにはアルファードにはない専用チューニングが施されているため、アルファードとの比較という点で言えば、たしかに走りの良さを感じることができる。また、ヴェルファイアのみに設定されている2.4Lのターボエンジンは、レスポンスも良く気持ちがいい。とはいえ、ミニバンというボディタイプである以上、より背の低いモデルと比べると様々な点で限界を感じるのも事実だ。そういった点では、過度な期待はしないほうがよいだろう。
乗り心地

4

広い室内空間や上質なシートがもたらす快適性は、さすがというレベル。ただ、ヴェルファイアはドライビングプレジャーを重視したチューニングが施されているため、アルファードと比べて足の硬さやエンジン音の侵入がやや目立つ。それでも、ショーファーカーとしての役割は十分に果たすことができるレベルであることは言うまでもない。
積載性

3

大型ミニバンであるため、物理的な荷室スペースは乗用車として最高クラスであることは言うまでもない。また、3列目シートは両サイドに跳ね上げて格納するスタイルであるため、高さのある荷物を積みやすいのも特徴だ。それ以外の収納スペースについては、可もなく不可もなく、一般的なレベルだ。
燃費

3

トヨタ謹製のハイブリッドシステムを搭載するハイブリッド車は、兄弟車であるアルファードを除いて、このクラスでは他の追随を許さないレベルの高い燃費性能を誇る。一方、ヴェルファイアにのみ設定されているガソリン車は、279psという最高出力がもたらすパワフルな走りと引き換えに、燃費性能は犠牲となっているのも事実だ。ある程度の距離を走行することを想定した場合、2.4Lのターボを楽しみたいのでなければ、ハイブリッド車を選んでおくほうがランニングコストやリセールバリューも含めたトータルコストは安上がりになるかもしれない。
価格

3

655万円〜892万円という価格は、たしかに国産車の中では高額だ。しかし、ヴェルファイアは「Z プレミア」と「エグゼクティブラウンジ」の2グレード構成であり、どちらも上級グレードであることを考えると、機能装備とのバランスを考えた絶対的な価格としては妥当なところだ。アルファード同様、リセールバリューが非常に高いモデルであるため、売却時まで考えるとさらに割安感が増すことだろう。
瓜生洋明
瓜生洋明
自動車ジャーナリスト
1987年生まれ。大手IT企業や外資系出版社を経て2017年に株式会社ピーコックブルーを創業。現在では平均年齢25歳のメンバーとともに毎月300本超の記事を配信している。愛車のボディカラーを社名にするほどのエンスージアストだが、新しいテクノロジーへの関心も強く、最新モデルは常にチェックしている。
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