トヨタ クラウンハイブリッド 「日本を代表するフォーマルセダン」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西村 直人
西村 直人(著者の記事一覧
交通コメンテーター
評価

4

デザイン
4
走行性能
4
乗り心地
5
積載性
3
燃費
5
価格
4

日本を代表するフォーマルセダン

2022.6.24

年式
2018年6月〜モデル
総評
15代にも及ぶ歴代クラウンのなかで、現行モデルはもっともパワフルなエンジン(システム出力359PSの3.5Lハイブリッド)を搭載しながら、日本の道路事情で最適な足回りをニュルブルクリンクにまで遠征して作り上げた。素晴らしい車両なのだが、販売現場での扱われ方は、14代までのクラウン同様だった。よって、技術者の想いがユーザーに伝わり切らなかった。ここがとても残念だ。
満足している点
日本の道路環境を第1に考えた専用車、それがクラウンの最良ポイント。そこに熟成を加え、こちらも日本の道路に最適化したハイブリッドシステムの組み合わせなので、乗りやすさ、使い勝手はともに満足度が高い。往年のクラウンユーザーから、新しいユーザー層まで納得できる走行性能の高さこそ、クラウンハイブリッドの素性を表している。正統派のセダンボディであることも貴重な存在だ。
不満な点
クラウンの立ち位置だ。日本専用車だから車幅は1800mmで開発が進められ、同時に躍動感も求められた。結果、ナローボディのような前後長が目立ってしまうデザインに。大なたを振るうのであれば、いっそのこと全長を切る詰めるか、最終型「ビスタ」のように車高を高めるか、逆にフォルクスワーゲン「アルテオン」のような流麗系で誕生していれば実売を伸ばせたかもしれない。
デザイン

4

ロイヤルシリーズ、アスリートシリーズの明確な分類から、当該モデルでは基本デザインをひとつとしながら、全体としてユーザー層の若返りを図った。躍動感をもった欧州C〜Dセグメント車両に沿ったデザインエッセンスだ。ただ既存ユーザーの利便性を考慮して、車幅を1800mmに抑えたことから、見る角度によってはひょろっと間延びしたデザインのように思える。処理は相当難しかったと思う。
走行性能

4

V型6気筒3.5Lにマルチステージシステム(有段ギヤ4段分に相当)を組み合わせたハイブリッドと、直列2.5Lのハイブリッドシステムの2タイプが存在する。このうち、2.5Lにはセンターデフ方式の本格的なフルタイム4WD方式もラインアップした。2.5LはFR/4WDともに素直な操縦特性。一方、3.5Lは前軸重量が重く359PSのシステム出力を活かしきれない。ここが惜しい。
乗り心地

5

登場直後はスポーツ性能をウリにしていたことからハードな足回りだったが、年次改良が加えられ続け、当該モデルの最終型では非常に滑らかな乗り味になった。とはいえ、往年のクラウンのようなフワフワの浮遊感たっぷりとは全く異なり、ダンパー減衰力を弱めて当たりをソフトにしつつ、スプリングでコシを生み出す設定。日本の道路での最適化を図っただけはある。
積載性

3

このクラスでは独立したトランクルームにどれだけのゴルフバッグが積載できるのか、ここが評価ポイントになるというが、車幅を1800mmに抑えながらも4セット積載できる。ミニバンのような豊富な収納スペースはないが、それでも各所には工夫を凝らした小物入れを備える。トランクフードにはイージークローザー(ラッチに当てると電動モーターで確実に閉める)機能がグレード別で備わる。
燃費

5

縦置き直列2.5L ハイブリッドシステムの燃費数値はFRモデルのWLTC値で20.0km/L、4WDモデルで18.2km/Lだ。筆者の300kmに及ぶFRモデルの試乗では高速道路区間が70%程度だったこともあり、18.6km/Lを記録した。3.5LはWLTC値16.0km/Lだが、走行性能を考えれば素晴らしい値。WLTC-Hの高速道路モード値は17.7km/Lと2.5L(20.9km/L)に近づく。
価格

4

2.5Lハイブリッドのエントリーグレードは4,899,000円と500万円の大台を下回る。エントリーといってもクラウンだから必要最低限どころか快適装備もふんだんに揃う。いわゆるコストパフォーマンスだけでなく、実用燃費も良好だしレギュラーガソリン対応だからランニングコストも安い。3.5Lは700万円超えだが、搭載技術からすれば妥当。とはいえ、高価故に販売は伸びなかった。
西村 直人
西村 直人
交通コメンテーター
WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
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