スズキ スイフト 「元気になれるコンパクトハッチ」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

山田 弘樹
山田 弘樹(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

4

デザイン
4
走行性能
4
乗り心地
3
積載性
3
燃費
3
価格
4

元気になれるコンパクトハッチ

2024.3.27

年式
2023年12月〜モデル
総評
先代モデルは「スイフト スポーツ」のイメージが強く「スイフトは走りのクルマ」というイメージが定着し過ぎた。よって開発陣は標準モデルの良さをもっとわかってもらおうと、デザインと走りを大きく変えてきた。面白いのはむしろ新型の方がよりスポーティになったことだが、それは限界性能を求めたのではなく、燃費や安全性を満たした上で、走りの気持ち良さを求めた結果。総じて新型は、若々しいコンパクトハッチに生まれ変わった。
満足している点
新型となっても5ナンバーサイズが守られた。プラットフォームは先代からのキャリーオーバーだが剛性感も損なわれておらず、未だに950kg(HYBRID MZ FWD)という車重の軽さを保っているのも素晴らしい。厳しい環境性能に応えるべくエコタイヤを使い、足周りを硬めに設えてエネルギーロスを防いでいるが、それをキビキビとした走り味にも生かしているのは賢い。Z世代に訴求するエントリーモデルとして、若々しい仕上がりになっている。
不満な点
バットポイントはグッドポイントの裏返し。キビキビ感あふれる乗り味とデザインは、落ち着いたクルマが好きな人にはマッチしにくいだろう。そういう意味でいうと先代モデルの方が4気筒エンジンの滑らかさも含め、全方位的にマイルドだったが、スイフトがエントリーモデルであることを考えると、今回のフルモデルチェンジは正常進化だと筆者は感じる。あえて言えばCVTのパドル操作、ダウンシフト側のレスポンスがまだやや鈍い。
デザイン

4

スイフトのイメージを残しながらも、そこにフレッシュさを上書きしたデザインは秀逸。初見だとクラムシェルタイプのボンネットにばかり目を奪われるが、見慣れてくるとボディ全体の立体感が際立ち、コンパクトハッチに求められる「元気さ」や「若々しさ」が上手に表現されていることがわかる。その上で室内、特にリアの居住性がきちんと確保されており、スズキらしい実直なインダストリアルデザインに仕上がっていると感じる。
走行性能

4

剛性感の高いボディを軸に、エコタイヤの剛性感をうまく生かしながら、ほどよく引き締めた足周りでキビキビとした操縦性を得ている。これに対してパワーユニットは新開発の1.2直列3気筒(82PS)と、これにISG(3.1PS)を組み合わせたマイルドハイブリッドの2本立てとなったが、NAエンジンベースでもCVTの制御が秀逸で、日常的な走りに不足を感じさせない。元気に走らせても楽しい。
乗り心地

3

そのシャキッとした乗り味に、突き上げ感の強さを感じるユーザーはいるだろう。しかしその分ロールは抑えられ、高速巡航での直進安定性やカーブでのふらつきも抑えられているというメリットが大きい。足周り自体はきちんとストロークしているし、当たりが付いてくれば乗り味も良くなるだろうことを考えると、長く付き合える一台だと思う。全体的には若々しくメリハリのある乗り味で、運転していて元気になれるコンパクトハッチだ。
積載性

3

トランク容量は通常時で最大265Lと、ヤリス(270L)、フィット(330L)と比べて一番小さい。しかしルーフの高さを生かして荷室高は875mm、荷室幅も1155mmを確保しており、使い勝手は普通にいい。またこの数値は、ヤリスよりも長い。さらにたくさん荷物を積みたいときは、6:4の分割可倒式シートを倒せば良い。フルフラットにはならないが、コンパクトハッチとしては十分な積載能力を持っていると言えるだろう。
燃費

3

先代1.2ハイブリッドモデルの21km/Lに対して、現行1.2ハイブリッドモデルはMXが25.4km/L、上級仕様のMZでも24.5km/Lをマーク(WLTCモード燃費。駆動方式はいずれもFWD)。車両重量が若干重たくなったにもかかわらずこの燃費性能を出せたのは、エンジン出力が91PS/118Nmから82PS/108Nmに下がったことが大きいと思うが、タイヤをうまく転がすシャシーの出来映えと、CVT制御の優秀さが日常の走りをかなりうまく補ってくれている。
価格

4

トップグレードの「MZ」でもFWDだと216.7万円のお値打ちプライス。これをヤリスのハイブリッドに当てはめるとミドルグレードの「G」(229.9万円)と、ベーシックグレードの「X」(204.4万円)の間となる。1.5リッターの排気量とストロングハイブリッドの燃費(30.2〜36.0km/L)を選ぶか、後部座席の居住性か。スイフトはマイルドハイブリッドでも5MTなら192.28万円、ガソリンモデルであれば172.27万円から選べる。
山田 弘樹
山田 弘樹
自動車ジャーナリスト
自動車雑誌「Tipo」の副編集長を経てフリーランスに。編集部在籍時代に参戦した「VW GTi CUP」からレース活動も始め、ワンメイクレースやスーパー耐久に参戦。この経験を活かし現在執筆活動中。愛車は86年式のAE86と95年式の911カレラ。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員A.J.A.J.(日本自動車ジャーナリスト協会)会員
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