メルセデス・ベンツ Vクラス 「あくまで商用車ベースの大型高級ミニバン」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

工藤 貴宏
工藤 貴宏(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

2

デザイン
3
走行性能
2
乗り心地
2
積載性
5
燃費
4
価格
2

あくまで商用車ベースの大型高級ミニバン

2021.10.29

年式
2015年10月〜モデル
総評
アルファードやグランエースではなく「ベンツのミニバン」ではないと満足できない人には最高のチョイスとなるだろう。しかし、居心地の良さや快適性を考えると、価格に似合う価値を見出すのは難しいかもしれない。そこにどう折り合いをつけるかが、ポイントとなるだろう。
満足している点
まずは広い室内。日本で展開しているベンツでもっとも室内の広いモデルと言っていいだろう。それからシートが大きく立派で、ロングドライブでも疲れにくく、どの席もシートベルト内蔵なので安全上も好ましい。シートは取り外し可能で、取り外せば立派な荷物運搬車になるのも特徴的。
不満な点
値段が高いこと。とはいえそれはその人の価値観次第で変わってくることだが、多くの人にとって同様に感じられるであろうウィークポイントは乗り心地が一般的な乗用車ほど快適ではないこと。同じような成り立ちでも、衝撃の伝え方はグランエースのほうが巧みで、乗り心地がいい。
デザイン

3

見るからに「箱」なスタイル。その理由はそもそもの設計が商用車で、車体サイズのなかで最大限に室内空間を広げ、荷物をたくさん運ぶという使命があるからだ。トヨタ「ハイエース」と同じ成り立ちである。その内外装を豪華に仕立てたのがVクラスの正体だ。とはいえ、内外装のベンツらしさはさすが。
走行性能

2

運転しやすさの秘密は380Nmもあるトルク。わずか1400回転から発生するので、2.3トン以上ある重量級の車体ながら軽々しく発進加速させる。重心が高いので、旋回性能やドライバビリティを期待するのは筋違いだ。
乗り心地

2

室内ゆったりのVクラスにおける、乗客としての数少ないウィークポイントは乗り心地。商用バン向けに重い荷物を積むことを重視した基本設計としているため、路面の凹凸を拾いやすく、入力に対する衝撃も大きめ。そのあたりは大らかな目で見るのが、上手に付き合うコツだ。
積載性

5

奥行きがあることを最大の美点とし、加えてフラットな床、高い天井、大きな荷物も積み下ろししやすい後部と、左右の大開口部など積載性能はパーフェクト。車体の全長は「標準」「ロング」「エクストラロング」の3タイプがあり、後者になるほど積載量が増える。
燃費

4

WLTCモード11.4km/Lというカタログ燃費は、Vクラスの車両重量や車体形状を考えればかなり良好な数値だ。これはディーゼルエンジンならではの長所だが、燃費がいいだけでなく燃料の軽油は欧州ガソリン車の指定となるハイオクガソリンに比べて単価が2割ほど安いのもメリットだ。
価格

2

もっともベーシックなタイプで791万円。高いモデル(キャンピングカーを除く)では841万円。国産の最高峰ミニバンであるトヨタ「アルファード」やVクラスに近いポジションである「グランエース」に比べても高いのは否めない。“ベンツのミニバン”という価値が欲しい人向けのクルマだ。
工藤 貴宏
工藤 貴宏
自動車ジャーナリスト
1976年生まれ。クルマ好きが高じ、大学在学中に自動車雑誌の編集部でアルバイトしたことをきっかけに、そのまま就職。そして編集プロダクションを経てフリーランスの自動車ライターに。日々新車を試乗し、日夜レポートを書く日々も気がつけば10年以上。そろそろ、家族に内緒でスポーツカーを買う癖はなんとかしないと。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
メルセデス・ベンツ Vクラス 新型・現行モデル

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